スバル・インプレッサMAZDA3やトヨタ・カローラスポーツなどの強豪相手にインプレッサのの魅力は健在か? 400km走って考えた。燃費は?走りは?
- 2020/06/10
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MotorFan編集部 鈴木慎一
さて、2.0ℓ水平対向4気筒直噴エンジン(FB20型)はどうか? 154ps/196Nmは、ごく平均的なスペック。ハイブリッドでもターボでもない「素のままのボクサー」だ。かつての不等長の排気管が奏でる独特のボクサーサウンドもいまはしないから、普通に乗っていると、とくに水平対向らしさは感じない。組み合わせるトランスミッションは、ご存じリニアトロニックCVT。チェーン式CVTだ。リニアトロニックも熟成が進み「CVTだからなぁ」的なネガは払拭されている。今回の試乗車は、走行距離2500kmほどの新車状態だったからか、ごく低速域でややギクシャクするように感じた。不満はないが最近のトルコンATの進化を思うと、もう少しダイレクト感やタイト感があってほしいと感じた。
これも新車だから、なのかもしれないが、轍や大きな継ぎ目を通過したときに、ボディの上下動が一発で収まらずに何度かバウンドするようなシーンがあった。
今回は438km走った。そのうち半分は高速道路、半分は混んだ市街地だったのだが、燃費は11.5km/ℓだった。高速だけだと14~15km/ℓ。JC08モード燃費が15.8km/ℓだから、まぁ実力通りの燃費だと思う(ちなみにS/Iモードは「I」しか使っていない)。AWDだから仕方がない、というにはちょっと物足りない。もう少し燃費が伸びてほしいところだ。
アイサイトに関しても少し。アイサイトver.3、そしてツーリングアシストは、ほんとに使いやすいし、違和感なく作動する。これはインプレッサの強みだ。
インプレッサは、信頼できる相棒、雨でも雪でもどこへでもいつでも走っていける安心感。それでいて手頃な価格、(好き好きはあるかと思いますが)スッキリしたデザインが魅力だ。SGPも登場から4年経って、SGP2ともいえるような進化をしている。まもなく登場する新型レヴォーグは、おそらくボディ剛性も上がり、もっと走りの質も上げてくるだろう。
とはいえ、インプレッサが物足りないか、といえばそんなことはない。ブレッドアンドバターカー、いや日本だから美味しい「ご飯とお味噌汁」的なクルマとしての魅力は健在だ。
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最後に、「それを言っちゃおしまいよ的」「それは言わない約束じゃあないか」的な話を付け加えると……。
フロントに積むのが水平対向エンジンでなく普通の直4エンジンだったらどうなるか? そしたらスバルを選ぶ意味はなくなるか? と言えば(あくまでもスバリストではない筆者にとってはだが)、そんなことはまったくない。「スバル的なクルマ作り」に水平対向エンジンが不可欠でないとなったら、インプレッサのプロポーションも変わる。独自の水平対向エンジンを使うがゆえに、他のメーカーが安価に調達できる部品がすべて「スバル専用」となって高コストになるというジレンマからも解放される。電動化ももっと効率的にスピーディに対応できるようになる。そもそもエンジンを搭載しないEVになったら「水平対向エンジンのスバル」ではなくなる。
北米のユーザーは水平対向だからスバルを選んでいるわけではないだろう。スバル的なクルマ作りに対する信頼とコストパフォーマンスの高さでスバルブランドが認められているのだ。
などというとスバル・ファンから叱責を受けそうだが……筆者がインプレッサを選ぶとしたら、それは水平対向エンジンだから、ではなく「スバル的なクルマ作り」でできあがったクルマだからだ。
とりあえず、次期(いつ登場するかはわからないが、2022年頃か)インプレッサ/XVは1.5ℓと1.8ℓ水平対向4気筒直噴ターボを搭載することになるだろう。その先は? インプレッサに乗って、2020年代後半のスバルの姿を夢想した。世界中のCセグカーに直4と直3しかなくなるのも味気ない。やっぱり水平対向エンジンは生き残ってほしい……。うーん、さて、どうだろう。
スバル・インプレッサ2.0i-S EyeSight
全長×全幅×全高:4475mm×1775mm×1480mm
ホイールベース:2550mm
車重:1400kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rダブルウィッシュボーン式
駆動方式:AWD
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
エンジン型式:FB20
排気量:1995cc
ボア×ストローク:84.0mm×90.0mm
圧縮比:12.5
最高出力:154ps(113kW)/6000rpm
最大トルク:196Nm/4000rpm
過給機:×
燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
使用燃料:レギュラー
燃料タンク容量:50ℓ
JC08モード燃費:15.8km/ℓ
車両価格○270万6000円
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