[毎週月曜日朝更新企画]自動車業界ウラ分析「レクサスISがフルモデルチェンジしなかった理由にマツダのFRの影」 次期レクサスISの姿は…ISがフルモデルチェンジしなかったのは、次期モデルでマツダFRへの合流を決めたから!?
- 2020/06/22
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牧野 茂雄
レクサスISだけが売れないのではない。プレミアムセダン全体がアメリカ市場ではジリ貧だ。BMWの3シリーズは2007年の14万2490台がアメリカ国内販売のピーク。昨年は4万7827台でピーク時の33.6%にとどまった。ところが、BMWのSUV「Xシリーズ」はモデル数の増加もあって昨年はシリーズ合計で18万8385台を売った。レクサスのSUVであるRXは11万1036台と、これも好調だ。
米・オートデータ社が発表する年ごとの販売台数を表にまとめた。これは月ごとの速報値であり、速報値のまま毎年集計される。2012〜2014年の3年間だけBMW 3シリーズと4シリーズがまとめて集計されているが、過去20年間の傾向は充分に読み取れる。もはやアメリカ市場はSUV主流だということを、数字は明確に物語っている。
2000-2019年の北米における販売台数の推移
かつてトヨタの売れ筋だったカムリは昨年、アメリカ国内で33万6978台が売れ、依然としてセダン系のベストセラーに君臨している。しかし、トヨタのモデル別販売台数のトップはRAV4の44万8071台だ。20年間で販売台数は8.3倍になった。何と5年で2倍という伸び率である。カムリの知名度と信頼度は高く、セダン系ジリ貧のなかでのこの販売実績は大健闘と言えるが、トップの座はRAV4に明け渡している。
2018年FMCの現行クラウンは、新しいGA-Lプラットフォームに切り替わった。この時点でもし、次期ISへのGA-Lプラットフォーム採用が決まっていたとすれば、今回のような大規模MCの実施には踏み切れないだろう。コストのかからない年次改良程度にとどめ、次期ISの投入を早めるほうが賢明だ。あるいは、短期間であれば販売の一時休止という手段もある。
しかし、トヨタはそうしなかった。ISはアメリカで年販3万台程度であり欧州と日本はそれ以下なのだが、延命した。おまけにレクサスGSが引退し、GA-Lプラットフォーム採用モデル数が減る。さらに言えば、次期クラウンについてはFF化されるという噂もある。もしクラウンがGA-Lファミリーから脱落するとしたら、GA-Lプラットフォーム採用モデルの年間生産台数はさらに減る。
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こうした状況証拠から推測されるのが、レクサスISとマツダ・アテンザおよび投入が伝えられるFRクーペのプラットフォーム合流だ。ISだけでなく、ほかのトヨタのモデルがここに相乗りする可能性もある。トヨタのFRモデルは現在、スープラはBMWからのOEM(自社オリジナル商品をほかのブランドの商品として生産すること)供給であり、86はスバルからのOEM供給である。レクサスISがマツダとのプラットフォーム共有、あるいはマツダからのOEM供給になったとしても、なんら不思議はない。
トヨタとマツダは互いに株を持ち合う仲だ。マツダのメキシコ工場ではトヨタ向けのモデルも生産されている。トヨタは以前、マツダにハイブリッドシステムを供給していた。さらにトヨタ、デンソー、マツダの3社は電気自動車の共同開発を行なっている。相互の商品補完プログラムがさらに増える可能性は充分にある。トヨタは現在、SUVラインアップの拡充に力を入れており、直近ではヤリス・クロスを発表した。SUVのライバルが増えるなか、アメリカおよび欧州、さらには中国でもいまや主流になったSUVはおそろかにできない。ここに開発資源を集中し、FRセダンはマツダの支援を受ける。そんな経営判断があったのではないかと推測する。
レクサスISはマツダ・プラットフォーム。クラウンはFF化。こうなった場合はGA-Lプラットフォーム採用モデルはレクサスLS/LCといった大型重量級モデルだけになる。これが狙いなのだろうか。GL-Aは、何らかの理由でクラウンとレクサスISには向かないとトヨタが判断したのかもしれない。
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