【毎日更新・人生最高の3台(佐野弘宗編)】第3位:トヨタ・カローラ/第2位:トヨタ・ビスタ/第1位:トヨタ・カローラレビン 【私の人生最高国産車・ベスト3】軽量&パワフルの組み合わせが痛快そのものだったトヨタ・カローラレビン(佐野弘宗)
- 2020/09/04
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MotorFan編集部

これまでの人生において、所有したり試乗したりした国産車の中からベスト3を業界人に選んでいただく本企画。佐野弘宗さんが奇しくも3台のトヨタ車を選出したが、ベスト1は70年代のスポーツクーペ、トヨタ・カローラレビンだ。まだ欧米勢との差はあったものの、軽量ボディとパワフルなエンジンの組み合わせは痛快そのものだったという。
TEXT●佐野弘宗(SANO Hiromune)
第3位:トヨタ・カローラ/スプリンター(1991年-/E10#型)
「電装系コネクターに金メッキ! これぞバブルの賜物」

自動車雑誌に就職して、初めて連れていかれた「メディア試乗会」が、箱根の某ホテルでおこなわれた7代目カローラ/スプリンターのものだった。メディア試乗会は学生時代からの憧れだったのに「どうせならスポーツクーペか高級車の試乗会がよかった」とブーたれつつ箱根に向かったのを記憶している。当時の私はモノの分かっていない小僧だった。
この世代のカローラはまさにバブル真っ只中に企画・開発された。今では当たり前の効率化やコストダウンとは正反対に、あらゆる部分が「いかにしたら、もっとお金をかけられるか」という思想だったといっていい。クルマ好きの若造としては、5バルブ化された4A-Gエンジンやスーパーストラットといった派手なメカにばかり興味がいったが、電装系のコネクターに金メッキが施されていた...なんていうバブリーな逸話でも有名なクルマだ。
第2位:トヨタ・ビスタ/ビスタアルデオ(1998年-/V5#型)
「欧州車を凌駕した革新的パッケージレイアウト」

今から20年以上前の20世紀は「日本車のパッケージレイアウトは欧州車より甘っちょろい」が定説だった。実際、1980〜90年代の国産コンパクトカーは、キャビンやトランクの空間効率で欧州車に歯がまるで立たなかった。
しかし、21世紀を見据えたトヨタは90年代後半からハイブリッドの開発とともにプラットフォームの全刷新にも着手。その新世代パッケージレイアウトを初代プリウスに続いて採用したのが、このビスタだった。初代プリウスはなによりハイブリッドが衝撃で、パッケージレイアウトは当時あまり話題にならなかったが、ビスタは純粋にパッケージレイアウトを世に問うた。
某誌の企画で発売前ビスタの写真を見た瞬間、その前輪とドア前端の距離の近さ、そして背高でアップライトなシート配置に「トヨタ、ついにやったな」と思った。その場でそれを指摘したら、当時の開発担当者がセキを切ったように話しだして止まらなくなったのを記憶している。
失礼ながら、ビスタはエクステリアデザインがあまり正直すぎた(笑)ので、販売面では苦戦したけど、その思想は初代ヴィッツや9代目カローラに受け継がれて実を結ぶ。「クルマは広いのがエライ」という意識を日本全体に植えつけたのがトヨタ最大の功績と思う。おかげで、今では日本のパッケージレイアウト技術は世界トップだ。
第1位:トヨタ・カローラレビン(1972年-/TE27型)
「GT-Rや2000GTよりも欲しくなったのはこのクルマ」
旧いクルマを積極的に取り上げる自動車雑誌の編集部に在籍していたころ、1960〜70年代の「名車」と呼ばれる日本車に触れる機会も多かった。で、幸運なことに実際にステアリングを握らせていただくことも少なくなかったが、乗れば乗るほどに、同世代の欧米車とはハードウェアの技術レベルにまだ圧倒的な差があったことを痛感するのも事実だった。
ただ、そうしたなかで「このクルマだけはほしい」と思えたのは、日産スカイラインGT-Rでもホンダのエスでも、あるいはトヨタ2000GTでもなく、初代レビン/トレノだった。
このクルマも同世代欧州車と比較すれば、ボディ剛性もヤワヤワだったし、高速ではチョロついた。それでも、この時代の日本車はそれこそ1年ごとに大きく進化していて、70年代の国産車は60年代後半のそれより明確に新しかった。それに、なにより小型軽量なボディにパワフルエンジンという率直な組み合わせが、素直に痛快そのものだった。
今から思い返すと、2T-Gエンジンは当時の高性能エンジンとしては中低速トルクが豊かで、ステアリングはノンパワーでも重くなく、軽快かつメカニカルに決まる5MTのタッチも気持ちよかった。これと比較すると、当時の日産車は良くも悪くも手応えのカタマリ。メーカーならではの個性(というよりクセ?)が今よりずっと濃厚な時代だった。
選者:佐野弘宗
【近況報告】
甘いもの大好きオッサンの私にとって、この夏のヒットは、セブンプレミアムゴールド「金の最中あずき」。コンビニアイスとしては超高額ですが、同じセブンのホットコーヒーと一緒に食すと、至上のシアワセです。
【プロフィール】
カー・マガジンやオート・エクスプレスなどの専門誌編集記者を経て独立し、自動車系ウェブサイトや専門誌、週刊誌などのクルマ記事で活動。自家用車はルノーを3台連続で乗り継ぎ中。
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