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【毎日更新・人生最高の3台(瀨在仁志編)】第3位:日産スカイラインGTS-t/第2位:ユーノス・ロードスター/第1位:三菱ランサーエボリューションVIII 【私の人生最高国産車・ベスト3】異次元のコーナリング! 三菱がもっとも輝いていた時代に生まれたランエボVIII(瀨在仁志)

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これまでの人生において、所有したり試乗したりした国産車の中からベスト3を業界人に選んでいただく本企画。スーパー耐久の優勝経験もある瀨在仁志さんは、ドライビングプレジャーにあふれた3台をセレクト。その中で1位になったのは、ハイテクを投入して「曲がる四駆」を実現した三菱ランサーエボリューションVIIIだ。

TEXT●瀨在仁志(SEZAI Hitoshi)

第1位:三菱ランサーエボリューションVIII(2003年-/CT9A型)

第2位:ユーノス・ロードスター(1989年-/NA型)

第3位:日産スカイラインGTS-t(1989年-/R32型)

ランエボVIIIとの出会いは、人生最高の体験

試乗に際しては先入観をなくしてドライブすることを心がけている。最小限の車両知識をもって接することは当然としながらも、アタマでっかちになりすぎてしまうのも、全体の魅力がぼやけてしまう。第一印象をもって、そこから掘り下げていったり、データを基にその訳を検証することで、クルマの魅力をどんどんと広げて、本質に迫っていくことができるのだ。

そんな経験のなかで、もっとも勉強させられたクルマ、つまり印象深くて、人生最高の出会いとなったのが、ランサーエボリューションVIII。もちろん、初代から年々アップデートされていったそれまでのランサーエボリューションも、サーキットからワインディングまでを走りその進化の課程を見続けてきた。

最初のモデルはギャランVR4からダウンサイジングしたことで、走りは確かに軽快になったものの、小さなボディと大きなエンジンの組み合わせはフロントヘビーで、195サイズのタイヤではいわゆるヨンクならではのプッシュアンダーが強く、ラリーシーンのようにボディ全体を振り回していかないと曲がらないクルマだった。

これを起源に、ランサーエボリューションはいかに曲げるかが開発課題となって進化。エボVIIからはアクティブヨーコントロール(AYC)に加え、アクティブセンターデフ(ACD)を新たに組み合わせることで、4輪の駆動力をより積極的に制御できるようになり、曲がるクルマとして大きなステップを踏んだ。試乗会が行なわれた筑波サーキットでは、タイヤの限界を超えずにコントロールさえしていれば、正にレールの上を走っているかのような感覚を味わせてくれて、その駆動システムに関しては大いにアタマを悩ませ、勉強させられたものだ。

さらにエボVIIIになると、AYCはスーパーAYCへと左右駆動力配分量が大きくなり、曲がり具合が一層アップ。4WDモデルながらリア左右輪の駆動力移動によって向きが変わることを理解した上で攻めていくと、いままで経験したことがないほどの旋回力と速さの両立がみられた。

しかも、いま主流となっているオンデマンド4WDなどとは異なり、駆動力がつねに4輪へ伝達されているうえに、左右輪の動きを積極的に制御することでパワーオンのみならず、オフでも駆動力配分が途切れない。レールの上を走る感じはパワー伝達と左右駆動力配分が常時行なわれている結果であり、オフでの安定感と旋回力を両立させていることもエボVIII(以降)が特別である所以だ。

熟成された4G63エンジンは滑らかな吹け上がりと、伸びのあるパワーによって、リアの動きを助け、ステアリングは行きたい方向に向けてさえいれば、後はパワーでクルマの自転を容易にコントロールできる。このエンジンフィールもエボXではなくエボVIIIが感動的だった大きなポイントでもある。

タイヤの限界を超えてしまったら、一度ステアリングをセンターに戻して再度切り込めば再び自転を開始するなど、後にも先にもエボVIII以降のモデルでしか味わえない、異次元コーナリングを満喫させてもらった。三菱がもっとも輝いていた時代であると同時に、三菱でしかできないハイテクを経験できたことはとても貴重で、こんな出会いはこれからもきっと限られているだろう。

対して、クルマの素性が良くて、スッと身体になじんだのが、初代NAロードスター。ヒラリヒラリと前後左右に動くボディは決してスタビリティが高いとは言えないものの、4輪Wウィッシュボーンサスと軽量FRボディは身体と一体となって限界付近を行ったり来たりでき、クルマをコントロールする楽しさを気軽に味わえた。丁寧な扱いと限界付近の動きを体感するうえでは、ドライビングバイブルとして最高の一台だった。

この扱いやすさに速さを加えて、ドライビングのレベルアップに効果的だったのが、同時期にデビューした、R32スカイラインGTS-t。ロードスター同様に採用された前後Wウィッシュボーンサスは剛性感が高く、限界付近での動きが穏やかで、速さをギリギリのところで切り出していく扱いやすさを発揮。RB20DETユニットも直6ならではの素直さで、リアの滑りコントロールを自在に行なうことができた。

この3台の走りはいまも脳裏に強く焼きついているのに、一番新しいエボVIIIでもすでに20年近くも昔。各メーカーが凌ぎを削って走りを磨いていた当時を思うと、いまは良いクルマは多いけど、印象に残らないのは少々寂しいところ。

原点回帰したロードスター同様に、肥大化したクルマをもう少し見直して、いま一度走りの楽しさを身近な存在にしてもらいたいものである。

選者:瀨在仁志(せざい・ひとし)

【近況報告】
最近はあまりの暑さに散歩を諦め、プール通いの日々。例年なら街は真っ黒に日焼けした子ども達であふれかえっているはずも、今年はまったく見かけない。そういう自分も40年以上毎年恒例であった夏の海旅行はなく、気がつけば台風の季節に...。海でビール、ではなくプールとラーメンという『特別な夏休み』すぎて、すでに来年の夏が待ち遠しい今日この頃です。

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