中古車価格が5000万円まで急騰! 総生産台数199台の希少車、ケンメリGT-Rの極上車【富士見自動車博覧会】
- 2021/05/06
-
増田満
旧車価格が高騰して久しい。なかでも歴代スカイラインGT-Rは人気の的で、世界中から引き手あまたな状況にある。特にケンメリGT-Rは200台以下と生産台数が少なかったこともあり、5000万円の値を付ける中古車もあるほどだという。4月25日に長野県の富士見パノラマリゾートで開催された富士見自動車博覧会には数台のスカイラインGT-Rが参加していたが、その中から最もオリジナルに近いと思われる希少なケンメリGT-Rを紹介しよう。
生産台数が197台とされている希少車がケンとメリーのスカイラインGT-R。1972年にフルモデルチェンジすると「ケンとメリー」というキャッチコピーが付けられた4代目スカイライン。先代の「ハコスカ」と呼ばれた3代目で追加設定されたS20型直列6気筒DOHCエンジンを搭載するGT-Rが、この4代目にも1973年に追加された。ところがS20型エンジンの数が少なく、当時発表された資料では197台しか存在しないとされていた。
余談だが筆者は過去に歴代スカイラインの専門店である「プリンスガレージかとり」の協力を得て、この台数を検証してみたことがある。市販されたケンメリGT-Rは車台番号が判明しており、KPGC110-000051から000245までの195台。カタログ撮影用として日産が保管してある2台を含め197台なのだが、ほかにも000011や000023、さらに000018と000021、さらには『旧車人』という本で取材したケンメリGT-Rはメーカー自ら車台番号を打ち替えて市販した事実を確認している。
余談が長くなってしまったが、それほど台数が少ないためケンメリGT-Rの中古車価格は暴騰とも呼べるほど上がり続けている。現在では5000万円(!)ともいわれるほどで、もはや現実味のない価格になってしまった。そのケンメリGT-Rが富士見自動車博覧会の会場には数台が参加していた。なかでも今回紹介する個体はオリジナル状態を保ち続けている奇跡的なコンディションにある。
前オーナーが高齢になり運転することが減ったタイミングでtanaさんが譲り受けたため、その履歴は確かなもの。譲り受けた時点での走行距離が3万キロほど。現在は5万8000キロまで伸びたが、それでも6万キロ未満。しかも新車からガレージ保管なので、ほぼ劣化がない状態をキープしているのだ。
入手当初はレース用部品だったマグネシウムホイールにワイドタイヤを履かせていた。ただレース用とはいえ14インチサイズだから今となっては小径だし、スポーティなタイヤが選べなくなってきた。
そこで試しにノーマルのスチールホイールに175/70R14タイヤを履かせてみた。これが大正解でケンメリGT-Rにはパワーステアリングが装備されていない。ワイドタイヤ時代は非常に重かったステアリング操作が劇的に軽くなり、運転がとてもラクになったという。それに今見るとオーバーフェンダーの奥に引っ込んだスチールホイールは逆に新鮮で、古いクルマらしい風情があると思えないだろうか。
ところが最近、本調子ではなくなってきたそうで、試しにキャブレターを昨年オーバーホール。さらに点火系へフルトランジスタを追加していたが、これを別の製品に交換してみた。するとようやく調子を取り戻せたそうだ。
それ以外でオリジナルでないのはサスペンション。フロントのアッパーマウントをピロ方式に変更しつつ、ダンパーをカヤバ製にしてある。ただローダウンしたり無闇に締め上げるようなことはされていないので、純正に近い乗り味を保っているといえるだろう。
標準のGT系だと青いセンターパッドでホーンがスポークの間に配置されているが、GT-Rには赤いホーンボタンが装備されるのが特徴だった。ただ、メーターパネルの左端は本来時計が装備されるのだが、ここに油温計を取り付けているのが変更点。
純正でもシワがあるくらいだから仕方ないが、普通の内装業者で張り替えると大抵シワや垂みが生じる。ところが須藤自動車工業はシワひとつない仕上がりで、運転する人の体格に合わせてスポンジの厚みや強度まで変えてくれる。この個体のフロントシートをご覧になれば、それが嘘ではないと思っていただけるだろう。
これだけのケンメリGT-Rを見る機会はそうそうないはず。目の保養をさせていただいた。

S30Z、ハコスカ、サバンナ、フェラーリ、ポルシェ...国産旧車からスーパーカーまで名車が勢揃い!【富士見自動車博覧会】
長野県の富士見パノラマリゾート第3駐車場で開催された「第1回富士見自動車博覧会」。国内外の往年の名車たちが勢揃いして盛...
スーパーチャージャーが回転! 映画史上、最も人気の劇中車「インターセプター」登場【 富士見自動車博覧会】
4月25日に長野県・富士見パノラマリゾートで開催された富士見自動車博覧会。会場には年式を問わず内外の名車が集まったが、今...
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
最新自動車テクノロジーレポート2021

鍵は机上でのシミュレーションと実車の走行テストの間にある...
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー

【SMT】解析モデル作成の効率向上と機能拡充でよりパワフルに
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー

【不二越】カーハイドロリクス&軸受:油圧制御で培われた技...
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー

【シェフラー】コア技術を最大限に生かす次世代技術への取り組み
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー

【アンシス】電動化への数々の課題を解決する設計·開発プロセ...
- PR
- 2021/06/15
- テクノロジー
水平対向と星型とロータリーエンジン特集

1.8ℓ直噴リーンバーンターボ! 次期スバル・レヴォーグから始...
- 2020/05/15
- コラム・連載記事

いま再びマツダの水素ロータリーエンジンへの期待「REは水素...
- 2020/08/24
- コラム・連載記事
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
ステージごとにみっちり計測! これが本当の実燃費
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
ルノー・キャプチャーで一気に1200km走ってリアルな燃費を計っ...
- PR
- 2021/03/31
- インプレッション

〈ホンダ・シビック タイプR & ルノー・メガーヌR.S.カップで妻...
- 2019/06/22
- インプレッション
ディーゼルと4WDで実燃費はどうなる? フォルクスワーゲン・パ...
- 2019/11/16
- インプレッション
意外? 予想通り? フォルクスワーゲン・アルテオンで250km走...
- 2019/11/12
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報

日産 GT−R
プレミアムエディション
中古価格 898万円

日産 GT−R
ニスモ
中古価格 ASK

日産 GT−R
プレミアムエディション
中古価格 2500万円

日産 GT−R
ピュアエディション
中古価格 1548万円

日産 GT−R
プレミアムエディション
中古価格 1777.7万円

日産 GT−R
プレミアムエディション
中古価格 900万円