パワートレーンの躾良し。アイサイトの制御も感涙もの 新型スバル・フォレスターのパワートレインに嘆息 2.5ℓ直噴ボクサーを試す
- 2018/08/29
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MotorFan編集部 萬澤 龍太
新型フォレスターに乗る機会を得た。Premiumグレードだから、2.5ℓ+CVTのパワートレインだ。タイヤサイズは225/55R18、指定空気圧はフロント230kPa/リヤ220kPa。銘柄はブリヂストン・DUELER H/Pである。車重は1560kgで900kg/660kgという前後重量配分(58:42)。駆動方式はAWDだ。
第三京浜から走り出してみた。玉川ICから入ると交通量が結構多く、三車線ともに埋まっている感じなので、周りのクルマと同じペースで走らせてみる。FB25型水平対向エンジンはほぼすべての部品を刷新したという力作で、エンジン回転が増減しても車室内への騒音侵入は非常に少ない印象。縦置きだけにアクセルのOn/Offにともなう振動も伝わりにくく、80km/h程度の巡航ではとても心地よい。ちなみに平地における80km/h時のエンジン回転数は1100rpm。ウチのクルマ(1980年代のフランス車)の冷間アイドル回転より低い。
しばらく走ると保土ヶ谷料金所の手前から道が混んでくる。あれよあれよといううちに前走車がハザードをたき始め、完全に流れはストップ。大渋滞である。何かあったに違いない。走っては停まりの繰り返しを余儀なくされるが、こちらはアイサイト装着車。全車速追従式ACCを作動させれば痛くも痒くもない。前のクルマがちょっとよそ見をして発進が遅れ、車間を取り戻そうと急加速してもフォレスターのACCは嫌みなく加速、もたもたしているうちにヒョイッと割り込みされてしまうなんてこともなく、まことにドライバーの気持ちに沿った制御で感動である。
渋滞を抜けて横浜横須賀道路に入ると道はガラガラに。バビューンと走ると屋根から赤いグルグルを回すクルマに呼び止められるのでそこそこでとどめ、加減速を試してみた。ご存じこの横横道路は登降坂が多くて、加減速が頻繁。なんとなく、これまでのCVT搭載のスバル車は一定速度をキープするのが難しく、結果として始終クルマがふわふわ走ってしまうという印象があったのだが、新型フォレスターのパワートレインは加速のツキが非常によろしく、登坂ステージに入りアクセルを操作しても一瞬のラグという感想は一切ない。
とくに感心させられたのが降坂時の制御。かつてのCVTはアクセルを離すとコースティング対応のためにすぐに変速比を高速モードに切り替えて転がり抵抗を低減していたが、新型フォレスターはギヤ比をステイ。つまりエンジンブレーキを効かせて速度調整が可能で、無用なブレーキランプの点灯を防ぐことができる。このあたり、CVTながらステップ制御をしているリニアトロニックの特長なのかもしれない。
2.0ℓターボにリニアトロニックという組み合わせも可能だったとは思うが、スバルのターボエンジンはどちらかというとダウンサイジングというより出力追求型の印象。よってターボラグが生じるような制御がこれまでに多く、するとCVTの変速時のラグとかけ合わさり加速時に間隙が生じてしまう。2.5ℓの自然吸気エンジンという排気量の持つもともとのトルク感とNAならではのレスポンス、そしてステップ制御によるCVTのメリットが働き合い、良好なドライブフィールを生み出していると感じた。
229kmを走行し、満タン法で10.14km/ℓ。車載の燃費表示では10.6km/ℓを示していたことをあわせてお伝えしておこう。
スバルは新型フォレスターについて、2.0ℓ+モーター+CVTのAdvanceグレードを用意している。こちらの登場は秋以降で、彼らは「燃費をはじめとしたハイブリッド特性というより、走行特性を重視したらモーターになった」という言い方をしており、こちらの仕立ても非常に楽しみである。
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