NISSAN LEAF e+ Impression from Editor's room 新型 日産リーフe+登場の本当の意味、動力性能の向上にダマされるな!〈NISSAN LEAF e+ 試乗記〉
- 2019/01/19
-
MotorFan編集部
日産リーフのラインナップに、高性能バージョンの「e+」が加わった。バッテリー、モーターともに従来モデルよりも大幅にスペックが引き上げられ、航続距離が40%以上も伸び、加速性能も向上している。だが、新型バッテリーモジュールがもたらす恩恵はそれだけにとどまらない。その背後に、日産の壮大なEV戦略が浮かび上がってくるのだ。
REPORT&PHOTO◎小泉建治(KOIZUMI Kenji)
誰もが感じる圧倒的な動力性能の向上
今回の試乗はクローズドのサーキットで行われた。走り出してまず感じるのは、加速性能の圧倒的な向上だ。なにしろ標準モデルと比べて、最高出力で68ps、最大トルクで20Nmも引き上げられているのだ。
具体的に言うと、加速力の瞬間的な増大よりも、その持続力に驚かされる。アクセルを踏んだ瞬間の、巨人の手で背中を押されるような感覚は標準モデルでも味わえるものだが、これまではそれがスタート直後だけだったのに対し、e+は70km/hくらいまで持続するのである。
さらにそれ以上の速度域でのパフォーマンス向上も顕著で、日産によれば80km/hから120km/hまでの加速に要する時間は13%も短縮されているという。
日産が「e-Pedal」と呼ぶ、アクセル操作だけで完全停止までブレーキを掛けることができるシステムも熟成が進んでいる。
このシステムは、CMなどではアクセルだけで自在に加減速ができるという、そのイージードライブ性ばかりがアピールされているようだが、筆者は個人的にはe-Pedalがもたらすベクタリング効果のほうが大きな恩恵であると感じている。
このe-Pedalは単なる回生ブレーキにとどまらず、メカニカルブレーキも併用してくれるものだが、そのメカニカルブレーキも4輪を独立して制御してくれるのだ。これは、例えばコーナーの進入では、よりスムーズにノーズが入っていくようにブレーキを配分してくれるもの。その効果はコーナーがタイトになればなるほど顕著で、まるでスポーツカーのような身のこなしを披露する。
さらにe+は、室内空間を犠牲にすることなく大型化されたバッテリーを収めるため、全高を5mm上げつつ最低地上高を15mm下げることで天地方向に20mmのエクストラを稼ぎ出している。それが結果的に低重心化をもたらし、さらなる軽快な身のこなしに寄与しているのは興味深い。
e+はバッテリー性能も大幅に向上しており、航続距離を通常モデルと比較するとJC08モードで170km増えて570km、WLTCモードで136km増えて458kmとなっている。
その要因のひとつに、搭載しているセルを192セルから288セルへと、1.5倍に増やしたことが挙げられる。そこまで増やすと当然ながらスペースの問題が出てくるはずだが、日産が開発した新型モジュールはハーネスを排して基盤化し、レーザーで接合することで省スペース性を実現したのだ。
だが話はこれだけでは終わらない。
これまでのハーネス方式では、8セル単位でのモジュールしか作れなかった。ところがレーザー接合による新型モジュールは、自由にセル数を設定できるようになったのだ。
つまりデザインの自由度が増し、これまで以上にさまざまな車種に搭載することが可能となる。
今回登場したe+は、リーフの上位グレードということもあって、新型モジュールによるアドバンテージを加速性能や航続距離の大幅向上に充てている。そのほうが新技術の恩恵をカスタマーに理解してもらいやすいという側面もあるだろう。
しかしこの新型モジュールの本懐は、その汎用性の高さにある。たとえば航続距離や加速性能をほどほどにしておいて、もっと小さいクルマに搭載することも簡単になるということだ。
そういう意味では、新型モジュールによって日産のEV戦略はかなりの幅を持てるようになった。今後のモデル展開から目が離せなくなってきたのである。
Specifications
日産リーフe+ G
全長×全幅×全高:4480×1790×15405mm ホイールベース:2700mm 車両重量:1670kg 定格出力:85kW 最高出力:160kW(218ps)/4600-5800rpm 最大トルク:340Nm/500-4000rpm 駆動用バッテリー総電力量:62kWh 駆動方式:FWD 価格:472万9320円
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
自動車業界 特選求人情報|Motor-FanTechキャリア
株式会社AESCジャパン
新工場立上げのプロジェクトマネジメント ※管理職候補
年収
850万円〜1300万円
勤務地 神奈川県座間市広野台2-10-1
この求人を詳しく見る
日産自動車株式会社
戦略・企画立案業務
年収
400万円〜900万円
勤務地 神奈川県厚木市岡津古久
この求人を詳しく見る
株式会社AESCジャパン 新工場立上げのプロジェクトマネジメント ※管理職候補
年収 | 850万円〜1300万円 |
---|---|
勤務地 | 神奈川県座間市広野台2-10-1 |
日産自動車株式会社 戦略・企画立案業務
年収 | 400万円〜900万円 |
---|---|
勤務地 | 神奈川県厚木市岡津古久 |
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
日産 リーフ
X Vセレクション ナビ/ドラレコ/衝突軽減ブレーキ アラモニ LEDヘッドライト ドラレコ E...
中古価格 371.6万円
日産 リーフ
X Vセレクション ナビ/ドラレコ/衝突軽減ブレーキ アラモニ LEDヘッドライト ドラレコ ナ...
中古価格 386.2万円
日産 リーフ
e+ G 弊社試乗車 前後ドライブレコーダー プロパイロット ETC2.0
中古価格 425万円
日産 リーフ
e+ X ナビ/ドラレコ/衝突軽減ブレーキ レーダークルーズコントロール LEDヘッドライト E...
中古価格 457.5万円
日産 リーフ
X Vセレクション 40kwh・日産コネクトナビ・プロパイロット・寒冷地仕様・ETC2.0・スマ...
中古価格 232.1万円
日産 リーフ
G 12セグメント プロパイロット 純正ナビ フルセグTV ETC 全周囲カメラ LEDヘッドラ...
中古価格 205万円