でも20年後のこれ見たら、逆にV8の音に泣いてしまうかも フォード・マスタング・マッハEもアリだ！と思えてくる動画がこれ

• 2021/06/19

• CAR STYLING編集部 松永 大演

  

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ここに紹介するのはフォードのオフィシャル動画。かなりの検索数で、すでにご存知な方も多いかもしれない。EVモデルとして登場するマスタング・マッハEの "マッハE 1400" という、ドリフト仕様のプロトタイプだ。RTRがフォードモータースの協力を得て開発したという。動画の中で最新のEVマシンは様々なマスタングのモータースポーツ仕様と対決。さすがエンターテインメントの国。やっぱり動画を作ると、本当にエキサイティングだ。とにかくそれぞれ異なるV8の音がいいのだが、その中でいつしかマッハEもいいのかも、と思わせてしまう力がある。

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この2021年夏にデリバリーされる予定なのが、マスタング・マッハEだ。ところが、すでに発表されているそのエクステリアを見ると、マスタングフリークにとっては失望の声も出ている。

まず、2ドアでないこと。SUVであること、そしてEVであることだ。
1964年の誕生以来、V8の２ドアクーペ、それがマスタングだ。途中、V６があったり今や直４もあるが、それではなんかマスタングに乗っている気がしない。メーカーとしても、真のマスタングという意味でGT以外にはやや異なる味付け＝乗り安さ、マイルドさの感じられる味つけにしてきたという経緯もある。

なので、４ドア＋ハッチバックのSUV、しかも電気自動車がマスタングだと言われても、すぐに納得できるわけがない。しかも北米だけを考えても大陸は大きく、都会はまだしも大半の地域では、環境保護と言ってもピンとこないどころかV8神話はまだまだ生きているという。

とは言え、フォードのマーケティング的にいうと世の中ハイパフォーマンスSUVが人気となっている。もちろんフォードにも多数のSUV&トラックはあるし、ブランドとしても強い存在感がある。ただし、多くがトラック由来のヘビーデューティ系であったり、コンパクトカーのFF由来のものであったりと、BMWやポルシェのSUVのようなロードカーとしてのハイパフォーマンスが主張しにくい。

そこで生まれたアイデアが、マスタングのSUV化だと考えられる。マスタングはスポーツイメージが強い一方で、世界的な知名度も高い。また、初代発表当時には、新たなライフスタイルを提案したモデルでもあり、フロンティアスピリットにもちょっと繋がるようなイメージもある。

とはいえ、このSUV的フォルムとパワーユニットではマスタングの持つスポーツイメージとは繋がりにくい。そこでフォードは様々な戦略でスポーツイメージを高めている。その一環がこのプロモーションビデオだ。
マスタング・マッハE 1400が登場し、NASCAR仕様とのハイスピード対決、Shelby GT350Rとハンドリング対決、RTR仕様とのドリフト対決、そして最後はケン・ブロックが操る1965年の初代モデルをベースとしたHornicorn RTR V2とのジムカーナ対決を映像化。

その映像に登場する様々なV8サウンドに心酔し、マッハEの狂気的なEVサウンドに魅了されてしまう。そんな中で、本当のマスタングEの狙いに気がついていくという構図だ。
見終われば、なるほど、マスタングEもこれならアリなんじゃないか。あるいは、現状の当然の流れだよな、と思わせてくれる１本になっている。
でも２ドアだったらいいのにな、は筆者の本音。（もちろんマーケティング的にNGでしょうけど…）

だけど、20年後にこの動画が見られたのならば、内燃機関の暴力的ともいえる魅力に懐かしさを感じ、きっと心が揺さぶられてしまうのだろうな。

量産型　フォード・マスタング・マッハE