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排気干渉を考える:BMW・V8ターボの場合 | 各種のエンジンの特質と動作を構造から考えてみる。V型エンジンの基礎知識最終回

  • 2020/05/10
  • Motor Fan illustrated編集部
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BMW・S63 M5/M6 等に搭載される4.4ℓV8エンジン。シリンダーヘッドからターボまでの距離が非常に短く、ターボに高熱の排気を導けるので過給効率が上がり、搭載性もよくなるという発想の妙。ターボV8 の理想的ソリューションといえるだろう。

自動車用のエンジンとして、非常に数多くの種類が生み出されてきた。
その理由は動力性能の追求、搭載性の都合、生産と設計の共通化など、さまざまである。
それらを踏まえ、現代まで生き残ったものがあり、消滅していったものがある。
ここでは各種のV型エンジンを、機械的な構成から紹介していこう。
最終回はV8の排気干渉についてだ。
TEXT◎MFi

90度スローV8に不可避な弊害を抑え込む逆転の発想

 V8の記事や点火順序の記事で解説した通り、クロスプレーンV8のようなケースでは、否応なく排気干渉が発生する。これを解消するためにフラットプレーンにするという手段もあるが、今度は振動がネックに。問題は排気管を片側バンクだけで集合させようとするところにあるのだが、この二律背反を一気に解決する手法が存在する。

BMW S63型の場合

BMW・S63の エキゾーストマニフォールド

BMW・S63の エキゾーストマニフォールド | 吸排気を上下逆転させ、V バンク内にターボを配置。相対するバンクからまたぐ形で排気管を集合して2つのターボチャージャーに等間隔で排気を導いている。点火順序と振動特性はクロスプレーン、排気の流れはフラットプレーンと同じになる。
ベースエンジンのN63 は、S63 のような複雑な取り回しはせずに片バンク集合で済ませている。Mシリーズのような高回転・高出力がいらないからだろう。排熱の冷却損失が低い点は変わりなく、熱効率面のアドバンテージは高い。

バンク内過給+ツインスクロール!——BMW S63/N63

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