アコード、オデッセイ、インサイトが使うi-MMDのキモをじっくり見てみる 次期フィットにも搭載するホンダのi-MMD用セグメントコイルモーター
- 2019/07/26
- Motor Fan illustrated編集部

ステーター(固定子)に、一般的な銅の巻線ではなく角型断面としてピース状に束ねた部材を使うことで、小型化と軽量化を実現したセグメントコイルモーターは、多くの困難を乗り越えて量産体制を確立。今秋には新型フィットにも採用されることが発表された。
TEXT:MFi PHOTO:HONDA/MFi FIGURE:HONDA
エンジンは主に発電を担当し、走行の大部分でモーターが直接、タイヤを駆動するホンダのハイブリッドシステムがi-MMD(インテリジェント- マルチ・モード・ドライブ)である。発電にともなう電気伝達系の効率とエンジン熱効率が向上していけば、いわゆるシリーズ式ハイブリッドでも優位に立てる、との目標のもと開発を進め、2013年にデビューしたアコードハイブリッドで初めて採用された。
その後、16年にはミニバンであるオデッセイにもi-MMDが搭載されたが、ここで小型化と高出力化を実現すべく、モーターの構造が大きく変わった。それが本稿で紹介する「セグメントコイル」である。一般的な銅線を巻きつけるようにして製造するコイルではなく、角型断面とした銅線を束ねたものを分割(セグメント)して差し込み、反対側を溶接するという構造だ。角型の形状であれば丸断面の銅線よりも密着させることができるから、より小型化が可能。現在のホンダi-MMD用モーターは、角型断面の銅線を4本束ねた短い部品にして、これを片側からステーターコアに差し込むという製法を用いて生産されている。
セグメントコイルの採用にあたっては、i-MMDシステムの車種拡大という要求に応じるために小型化が必須とされていたのだが、量産に向けては数々の問題が発生した。複雑な形状に曲げられるコイル間の隙間の発生や、樹脂被覆の傷付き、溶接品質のバラつきなどの課題を、エンジニアと生産ライン、そして生産技術の研究/開発を行なうホンダエンジニアリングが連携することで解決。ステップワゴンやCR-Vなど順調に搭載モデルを増やしてきた。
そして量産にともない低コスト化もより推進し、今秋の東京モーターショーにワールドプレミアで出展される予定の新型フィットには、コンパクト化された新世代のi-MMDが採用されることがすでに発表されている。現行フィットはコスト面を考慮して充電/駆動をひとつのモーターでまかなうハイブリッドシステムを採用していたが、アコードやオデッセイといった中型車だけではなく、コンパクトカーにもふたつのモーターを用いるi-MMDが使われるようになったのは、大きな前進だ。ホンダは今後、このi-MMDをハイブリッドパワートレーンの中心に据え、電動化技術のコアとして展開していくことを明言しており、採用モデルが順次、拡大していくことは間違いないだろう。
現在、多くのホンダ・ハイブリッド車に使われているi-MMD用モーター。上の写真を見れば、4本の角型銅線をひとつに束ねた後に、複雑な加工が施されたユニットコイルの構造がわかるだろう。4本同時に曲げつつ捻って成形するという工程を、モーターの体格を小型化しながら成立させるには数多くの困難があったという。
2013年発表のアコードハイブリッドで初採用
エンジンとモーターがプラネタリーギヤを用いた動力分割機構でシームレスに連携する、トヨタのハイブリッドシステムTHS-Ⅱが高い燃費性能を誇示していた情勢のもと発表されたホンダi-MMD。同カテゴリーのカムリハイブリッドを上回るモード燃費を達成していた。このときのモーターは一般的な巻線タイプを採用している。
モーターの構造を刷新したi-MMD

新型フィット用の新世代ユニット

生産設備の共用を考えた設計

燃費性能を向上しつつFunな走りも実現

今後の需要増に備えてアライアンスを強化

|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費が劇...
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形往復...

日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に洗練...
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこそ光...
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4とリフ...
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計ってみた...
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ

フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chapter2...

マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善手法...

マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエンジン...

ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態

林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えてくだ...

マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレインだ...
3分でわかる! クルマとバイクのテクノロジー超簡単解説

3分でわかる! スーパーカブのエンジンが壊れない理由……のひとつ...

3分でわかる! マツダのSKYACTIV-X(スカイアクティブ-X)ってな...

スーパーカブとクロスカブの運転が楽しいのは自動遠心クラッチ付...

ホンダCB1100の並列4気筒にはなぜV8のようなドロドロ感があるのか...

ホンダ・シビック タイプRの謎、4気筒なのになぜマフラーが3本?

3分でわかる!アシスト&スリッパークラッチって何? 250ccからリ...
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報

ホンダ インサイト
EX 8インチインターナビ バックカメラ ナビ連動前後ドラレコ ETC ホンダセンシング LEDオートライト 前後パーキングソナー ブラインドスポットインフォメーション シートヒーター付きパワーシート
中古価格 248.2万円

ホンダ インサイト
EX・ブラックスタイル HondaSENSING 衝突被害軽減ブレーキ パワーシート サイドエアバック 純正メモリーナビ ブルートゥースオーディオ DVD CD シートヒーター LEDライト オートリトラミラー 喫煙車
中古価格 190.2万円

ホンダ インサイト
EX 純正ナビ ドラレコ Bカメラ Pセンサー ソナー 盗難防止システム 前席シートヒーター AAC 地デジ キーレス LEDヘッドライト パワ-シ-ト ナビTV スマ-トキ- パワーウインドウ 記録簿
中古価格 210.7万円

ホンダ インサイト
G Bluetooth・メモリーナビ・キーレスキー・ETC
中古価格 59.9万円

ホンダ インサイト
EX ソナー 盗難防止システム 前席シートヒーター AAC 地デジ キーレス LEDヘッドライト パワ-シ-ト オートライト ナビTV スマ-トキ- アクティブクルーズコントロール パワーウインドウ
中古価格 170.7万円

ホンダ インサイト
EX ソナー 前席シートヒーター AAC 地デジ キーレス LEDヘッドライト パワ-シ-ト ナビTV スマ-トキ- アクティブクルーズコントロール パワーウインドウ サイドエアバック ドラレコ
中古価格 241.4万円