7年ぶりのフルモデルチェンジ! 【現地レポート】新型ポルシェ・カイエンの詳細 三代目は7年ぶりのフルモデルチェンジ!
- 2017/08/30
- GENROQ編集部
スポーツカーメーカーが造るSUVとして話題となった、ポルシェ・カイエンの三代目がツッフェンハウゼンのポルシェ・ミュージアムにて正式に披露された。その模様を現地からレポートする。
PHOTO&REPORT◎藤原よしお(Yoshio Fujiwara)
現地時間2017年8月29日夜8時、ポルシェは3代目となるカイエンを発表した。2002年に“新しい形のスポーツカー”というコンセプトで登場して以来、通算76万台を世に送り出しSUVシーンの勢力図を塗り替えてきたカイエンは、いまやマカンと合わせるとポルシェの全生産台数の7割以上を占める、文字通りの旗艦車種へと成長を遂げている。
そんなカイエンの7年ぶりとなるフルモデルチェンジに注目が集まらないわけがない。発表会場となったツッフェンハウゼンのポルシェ・ミュージアムには、世界中から300人近いメディア関係者が多数集結。インターネットでのライブ中継も行われるなど、異様なまでの熱気と興奮に包まれたワールドプレミアとなった。
発表会場となったのは、カイエンの歴史を振り返る特別展が行われているポルシェ・ミュージアム屋上の特設会場。そこでダンサーたちのパフォーマンスが行われたあとで、オリバー・ブルーメCEO自らがドライブする新型カイエンが登場した。
「新型カイエンは、よりコンフォートで、よりスポーティで、最大限の効率化を達成した新世代のSUVです」とスピーチしたとおり、その中身は全てのおいて大きく刷新されている。
パッと見る限り、2代目と大きく変わらないように見えるボディは、全長4918mm、全幅1983mm、全高1696mmと、先代にくらべて全長で63mm、全幅で25mmサイズアップされている。一方、全高は9mmのマイナスとなっており、フロント周りの印象や、よりクーペライクとなったサイドシルエットも相まって、スポーティなイメージが強調されている。また直線基調のフロントバンパーラインやテールまわりの意匠が、718ケイマン&ボクスターやパナメーラとの共通性を感じさせるデザインとなったのも特徴といえる。
今回発表されたラインナップは、2995cc V6ターボのカイエンと、2894cc V6ツインターボのカイエンSの2種類のみ。まずカイエンは最高出力340ps/5300~6400rpm(先代比+40ps)、最大トルク450Nm/1340-5300rpm(+50Nm)を発揮。0-100km加速は6.2秒(スポーツクロノパッケージ仕様は5.9秒)、最高速度は245km/h。そしてNEDCモードの燃費は10.8~11.1km/ℓとアナウンスされている。
一方のカイエンSは最高出力440ps/5700~6600rpm(+20ps)、最大トルク550Nm/1800-5500rpmを発揮。0-100km加速は5.2秒(スポーツクロノパッケージ仕様は4.9秒)、最高速度は265km/h。そしてNEDCモードの燃費は10.6~10.8km/ℓとアナウンスされており、こちらも先代に比べ進歩を遂げている。
そんな新型カイエン最大の特徴は、なんといってもシャシーにある。土台となるのは、ベントレー・ベンテイガ、アウディQ7や新型トゥアレグにも使用されるMLBプラットフォーム。共用とはいえ100mmホイールベースを短縮するなど、ポルシェ独自の味付けが施されており、カーボンファイバーや高張力鋼板、アルミなど様々な素材を組み合わせることで剛性アップを図りながら、先代に比べ大幅な軽量化を実現しているという。お陰でカイエンの車両重量は1985kg、カイエンSの車両重量は2020kgと、いずれも3世代の中で最軽量となっているのである。
サスペンションは、フロント・ダブルウィッシュボーン、リヤ・マルチリンクの組み合わせで、コンピュータがリアルタイムで走行状況を分析しながら、すべての電子制御デバイスの相互作用を瞬時に最適化するポルシェ4Dシャシーコントロールを搭載。カイエンSにはPASMを標準装備とするほか、3チャンバー・エアサスペンション、スポーツクロノパッケージ、PDCC、リア・アクスル・ステアリングをオプションで用意することで「デイリーユースからレーストラック、ラフロードに至るまで、あらゆる環境、路面状況で最大限のパフォーマンスを発揮できる」と、ブルーメも胸を張る。
さらにインテリアも全面刷新。センターに12.3インチのマルチ・ディスプレイが位置するインパネは、オンライン・ナビゲーション、インテリジェント・ボイス・コントロール、WiFiホットスポット、ポルシェ・コネクト・サービスなどなど、各種装備が充実しインフォテイメント環境は遥かに向上した。またパナメーラにも使われているタッチパネル式のセンターコンソールや、シート、トリムの処理など全体的なクオリティもアップしている印象だ。
それでいながらラゲッジルームの容量が先代比で100ℓも拡大していたり、リヤシートの居住性が向上しているなど、実用面での使い勝手が損なわれていない(むしろ良くなっている)のも新型カイエンのトピックのひとつ。
このように全方位的にブラッシュアップされた新型カイエンが、スーパーSUV(あえてそう呼ぶ)シーンに新たな風を巻き起こすのは、どうやら間違いなさそうだ。これ以上の詳細に関しては、改めて解き明かす機会もありそうなので、情報が入りしたい逐一ご報告していく予定だ。
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