安全運転支援システムも進化したセレナe-POWERは、大ヒットが約束された完成度の高さ セレナe-POWERの「ワンペダル」は、ノートe-POWERを越えた!!【ミニバン専用e-POWER 体験試乗】
- 2018/02/28
- MotorFan編集部 西内 辰夫
同乗者にも優しい乗り心地を実現した専用チューニング
ガソリン車に対して遮音性能を高めたことで、静かな室内空間も得ている。遮音フィルムをガラスで挟む高級車仕様のガラスやセンターカーへットを4層構造にするなど、じつに25アイテムが遮音仕様となっている。その結果、競合ライバルを上回る「50km/hでも美術館並の静けさ」を実現した。
ノートe-POWERとのパワートレイン比較では、その味付けを大きく変えたことが大きい。スペックは前記したとおりだが、ノートe-POWERでは70km/h以上で最大減速Gを固定化していたのに対して、セレナe-POWERでは高速道路での走行で自然な減速を実現するため、速度が上がるにつれて最大減速Gを緩やかに落としている。これにより、アクセルを緩めた時にも違和感のない減速と乗員への負担を軽減させる効果もある。高速走行時の減速も抑えているのは、高速道路を使って大人数で帰省するなど、長距離を運転することが多いミニバンならではの配慮なのだ。
試乗後、日産自動車株式会社の企画・先行技術開発本部 技術企画部 主任の江上真弘氏に聞いた。
最初に尋ねたのが、試乗時に感じたSモードやECOモードのスイッチをシフトレバーに移設することについて。
江上氏「ノーマルモードよりも、SモードやECOモードに固定して乗ってほしいと考えていますので、運転中に解除したりする必要はないと考えています。その理由としては、ノーマルモードはブレーキを踏まないと減速しないので、エネルギーを回収することなく捨てることになります。つまり、燃費で損をしてしまううので、走りやすさもあるSモードやECOモードで乗って頂きたいと考えています」
次に、マナーモード時の制御、つまりマナーモードであってもエンジンが始動する点について聞いた。
江上氏「マナーモードであっても、フルにアクセルを踏み込むとエンジンがかかります。これは、バッテリーとエンジンの両方から電流が流れるためで、逆に言えば、フル加速するときは両方から電気を流す必要があるのです。通常モードでは、バッテリー残量がいっぱいある状態であれば、アクセル開度が80%までエンジンがかかりませんが、残量が少ないときにはアクセル開度40%でエンジンが始動します。しかし、マナーモードのときには、いずれの状態でもアクセル開度が80%までエンジンがかかりませんが、アクセルを踏み込むとエンジンがかかるわけです。これは、車速によっても変化する制御になっています」
最後に、今回の試乗では体感できなかった、1名乗車と7名乗車で乗り味はどう変化するかを尋ねた。
江上氏「モーターのトルクを調整して、クルマの重量増に対応しています。回生の力が強くなりますが、同じような減速をするので、基本的な走りは変わりません。また、例えば上り坂と下り坂でも“減速度”を目標値にして制御していますので、ドライバーがひとりでも7人乗車であっても、いつでも同じ感覚で運転することができます」
【結論】 扱いやすさではノートe-POWERを越えた
セレナe-POWERには、進化した「踏み間違い衝突防止アシスト」が搭載された。ソナーに加えてカメラで検知することで、離れた位置のクルマや歩行者に対応し速度も25km/hまでOKだ。従来仕様はソナーだけの検知で、約10km/h以下という極低速、近距離のクルマや壁のみの対応だったので、かなり大きく進化した。高速道路の同一車線自動運転技術「プロパイロット」も搭載し、家族の安心・安全にも寄与するミニバンに仕上がっている。
7人乗りで燃費が良く、静かで、乗り心地が良いミニバン……。なによりも力強い加速と高い静粛性が嬉しい。一度乗れば、アクセルペダルだけで意のままにクルマを操ることができる気持ちの良さは、ほかでは味わえないe-POWER独自の世界。セレナのためにチューニングされた「ミニバン専用e-POWER」により、家族で出かけるシーンでの扱いやすさではノートe-POWERを越えた。
それにしても、この新感覚のドライビングはクセになりそうだ。
モーター駆動が気持ちいいセレナe-POWERは、弱点「静と動のギャップ」をどう克服したか?
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