輸入Dセグメント・ステーションワゴン「伯仲の三つ巴」 ボルボV60 × メルセデス・ベンツCクラス × アウディA4「ライバル比較インプレッション」
- 2019/02/10
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青山 尚暉
際立つそれぞれの個性───決めるのはアナタだ
AUDI A4 Avant 1.4 TFSI Sport
▪全長4735×全幅1840×全高1435mm
▪ホイールベース2825mm
▪トランク容量505~1510l
▪1.4lDOHCターボ+7速DCT
▪150ps/250Nm
▪FWD
▪544万円
しかもV60のラゲッジスペースは、 ラゲッジフロアを前後に仕切れるパーティションボードがあるから便利だ。例えば、荷物と愛犬を前後に分けて安全に乗せたりすることが可能なのだ。ちなみに後席の分割が4:2:4で、中央部分のみを倒せるのはCクラスとA4である(V60は6:4)。
先進安全支援機能についてもV60に見るべきものがある。歩行者対応 &ステアリングサポート付き自動ブレーキを始め、全車速追従ACC(アダプティブクルーズコントロール)、車線維持機能、BLISと呼ばれるブラインドスポットモニター、クロストラフィックアラート、360度カメラ、縦列・並列駐車支援機能、 ライバルにない自車線・対向車線正 面衝突対策機能など完璧。ちなみにCクラスの先進安全支援機能=レー ダーセーフティパッケージはAMG を除きオプション扱いとなる。価格は万1000円。価格比較の際は、車両本体価格にそれをプラスする必 要があるのだ。
V60 T5 インスクリプションは標準のインチタイヤとオプションのインチタイヤ装着車に試乗した。ズバリ言えば、どちらもスポーティな走行性能が身の上で、乗り心地は洗練されていながらも比較的硬めで、インチはXCに近い繊細な乗り味、インチではより骨太な乗り味を示してくれた。エンジンは低速域ではごく穏やか。しかしアクセルを 深く踏み込めば、伸びやかで気持ちのいい加速感が味わえ、柔軟性、扱いやすさも文句なしである。
インスクリプションにはFOUR-Cと呼ばれるアクティブパフォーマンスシャシーがオプション装着可能だが、スポーツにセットすると乗り心地までかなりハードになる一方、ボク好みのエコモードを選択すれば 素晴らしくマイルドで心地よい乗り味に激変。従来のボルボ・エステー トオーナーや愛犬とドライブするためにV60を選択するならFOUR-C付きがベターだろう。
新しくなったCクラスのステーションワゴンは、非ランフラットタイヤになったC180+ADSとC220dのアバンギャルドを対決させたが、低重心感覚、山道を含む安定感・安心感はさすがにハイレベル。 乗り味は220dのほうが重厚かつ骨太で、クリーンディーゼルの振動、音を感じさせるのは出足のほんの一 瞬。そこからはガソリン車と変わらない伸びやかでトルキーな加速力が気持ち良く、車内は想像以上に静か。 C180はより爽やかでウルトラスムーズなエンジンフィール、しなやかでキツイ段差もしなやかにいなす上質な乗り心地、エンジンが300 0rpm以下での高い静粛性、C220d同様の高速、山道を問わない高い安定感に惚れ惚れさせられた。
アウディA4はとにもかくにも、いつもの道にカーペットが敷かれた かのようなスムーズさ極まる乗り心地と、ガソリンターボにしてまるでハイブリッドに乗っているかのようなモーター的加速感、圧倒的な静かさが美点。
加速力は1.4Lターボでも2ペダルマニュアルのSトロニックによってパワー、豊かなトルクを最大限に引き出せるため、加速性能に不満が出ることはまずない。もっとも、驚異的な静粛性を存分に味わえるの は2.0Lターボのほうだ。
こうして、日本でも扱いやすいサイズと言えるDセグメントの輸入ステーションワゴン3台に乗ってみると、それぞれのキャラクターの違いが浮き彫りになってくる。Cクラスは万人向けであらゆる点で満足度が高く、A4はその未来感覚溢れるバ ーチャルコクピットに代表される新鮮味、電動車キラーと言えるほどの走行性能に感動できるに違いない。
そして新型V60は上質なスポーツ性能に加え、洗練を極めたインテリアデザインや後席の空調を含む快適性、ラゲッジスペースの使い勝手の良さ、北欧の良心と言える、世界最高峰の先進安全支援機能の充実ぶり、さらにはPHEVまで揃えるパワーユニットの選択肢などに、ワゴンのヘビーユーザーほど共感できるに違 いない。
最後にひとつ付け加えるならば、ボルボV60の保証は5年間!走行距離無制限だから安心である。
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