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マツダが開発する直列6気筒SKYACTIV-Xエンジンが狙いは逆転の発想。ライバルはBMW、メルセデスの2.0ℓ直4ターボだ マツダのFR+直6SKYACTIV-Xエンジン「CX-5以上はすべてFR+スカイアクティブ直6が標準エンジンに」

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 畑村博士は、こう続けた。

「メルセデス、BMWは、もともと3.0ℓ直6自然給気に代えて、2.0ℓ直4ターボのダウンサイジングを導入したわけです。ダウンサイジングしたことで、NEDC燃費が良くなることと低速からのトルク増大で圧倒的によく走るというのが狙いでした。直6NAから直4ターボでコストは若干高くなっていたはずです」

かつての自然給気のBMW 3.0ℓ直列6気筒エンジン。パワースペックはN52型3.0ℓ直6DOHC 最高出力218〜272ps/最大トルク270〜315Nm

 たしかに、BMWでいえばかつての3.0ℓ直6NAエンジンN52型は
N52型3.0ℓ直6DOHC 最高出力218〜272ps/最大トルク270〜315Nm
 だった。
 その代替だった2.0ℓ直4ターボエンジンのN20型、B48 型は
N20型2.0ℓ直4ターボ 最高出力184~245ps/最大トルク270~350Nm
B48型2.0ℓ直4ターボ 最高出力184~258ps/最大トルク290~400Nm

 となっている。つまり、現行のメルセデスやBMWの3.0ℓ直6ターボは、4.0ℓV8自然給気の代替エンジンなわけだ。

 畑村博士は続ける。

「マツダの場合はその逆で、4気筒ダウンサイジングターボの市場に殴り込む6気筒です。スーパーチャージャーが付くので走りに関しては対抗できる。好みによって昔ながらのトルク特性が好きな人も大勢いる。ターボラグのない走りは強い商品力になる」

 つまり、直6SKYACTIV-Xのライバルは、BMW、メルセデス・ベンツの2.0ℓ直4ターボなのだと博士は言う。

マツダSKYACTIV-X 3.0ℓ直6 270ps/336Nm
BMW B48 2.0ℓ直4ターボ 258ps/400Nm(BMW330i)
メルセデス・ベンツ2.0ℓ直4ターボ 258ps/370Nm(E300)

 とほぼ拮抗する。しかも、直6SKYACTIV-Xは、振動特性が直4より優れる。機械式スーパーチャージャーでターボラグはない。フィーリングではライバルに勝る。

 畑村博士は
「SPCCIの高コストはいずれ許容レベル(通常DI+α)に低下する。その分はCAFE対応コストとして処理する。競合他社は電動化とディーゼルでCAFE対応するので、コスト的にも勝目はある。マツダは、世界シェア2%の企業なので、走りの向上に対してスーパーチャージャー分の価格上昇を認める人も充分な数存在する」

と言う。

 同じ直6同士で比較して、ターボ過給のメルセデス、BMWに勝てないと考えるのではなく、マツダの直6は2.0ℓ直4ターボの対抗なのだ。博士が言う

「4気筒ダウンサイジングターボの市場に殴り込む6気筒」

 逆の発想なのだ。そう考えれば合点が行く。

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