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リヤエンジンの優位性 ルノー・トゥインゴをフィアット500、フィアット・パンダ、VW up!と徹底比較「ライバル車比較インプレッション」

  • 2019/09/05
  • ニューモデル速報
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8月22日、三代目トゥインゴがマイナーチェンジを受けた。そこでMotor-Fan.jpでは、この三代目トゥインゴの魅力を再検証すべく、前期型デビュー時のフランス本国取材や国内徹底取材を振り返る企画を数回に渡ってお送りする。第七回目の今回は、欧州にひしめく強力なライバルたちとの比較インプレッションをお届けしよう。

TEXT●佐野弘宗(SANO Hiromune)
PHOTO●宮門秀行(MIYAKADO Hideyuki)

※本稿は2016年7月発売の「ルノー・トゥインゴのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

すべてが5ナンバーサイズ

 ルノーの新型トゥインゴと同じA(もしくはサブB)セグメントのライバル輸入車を集めたら、それはなんとも新鮮な光景だった。なんと4台全車が5ナンバーなのだ。

 これが国産車を集めた企画であれば驚くことはない。しかし、トゥインゴよりひとつ上のBセグの輸入車はもはや大半が3ナンバー幅になっており、「輸入コンパクトカー特集」と銘打って欧州Bセグを集めても、今はこういう光景にはならない。あらためて調べてみたら、現在正規販売されている欧州Bセグで、5ナンバーボディはVWポロだけだ。

 さらに、今回の4台中、3台は本体価格200万円以下のプライスタグを提げることも、アラフィフの私にとっては新鮮……というか、なんとも懐かしい事実である。

 今から約20年前、初代トゥインゴが現役で、クラシックミニも健在だった頃だ。AだのBだのという細かいセグメントを問わず、コンパクトな輸入車は150万円前後が相場だった。なにせ、CセグのVWゴルフですら5ナンバーボディで、200万円以下のグレードがあった。

 それはともかく、今回の取材車の価格については、少しばかり補足が必要だろう。フィアット500についていえば、今回連れ出したキャンバストップの500Cは250万円超えで、この最上級のツインエア・ラウンジは270万円台となる。ただ、500でも標準ボディで最も安価なグレードを選べばギリギリ200万円を切る。またフィアット・パンダは今回のなかでは唯一200万円以下のモデルが用意されていない。だが、高性能なツインエアエンジンに低速自動ブレーキ標準装備という内容を考えれば、いたし方ない面もある。パンダはそんな充実内容で210万円台。額面では確かに200万円を切っていないが、実質は500より割安なのも事実である。

 そう考えると、VWのup!の価格設定はあらためて一頭地抜いている。今回の豪華版のHigh up!で180万円台。さらに派手に飾り立てたCross up!でも200万円を切り、最も安価な3ドアにいたっては150万円台! まさに20年前を思い出すようである。

 ……といったことを考えながら4台を眺めていた取材当日の時点で、実は日本仕様のトゥインゴの価格は知らされていなかった。

 兄貴分のルーテシアの価格(最も安価なゼン0.9ℓで208万円)を考えたら、200万円を切るのがスジだが、こうして新型トゥインゴの内容や装備、そしてライバルたちの相場を考えると、それはちょっと無理だろうな……というのが、当時の率直な印象だった。ちなみにトゥインゴの兄弟車といえるスマート・フォーフォーは、自然吸気1.0ℓで213万円〜234万円だ。

 だが、フタを開けてビックリ。新型トゥインゴは通常モデルで189万円。今回の電動キャンバストップですら199万円。執念の200万円切り! さらに限定車ながら1.0ℓ自然吸気モデルに至っては169万円である! これは率直にルノー・ジャポンの心意気をたたえたい。

 この上級トリムグレード「インテンス」で189万円というトゥインゴの価格設定が、up!の上級モデルHigh up!を意識したものであることは明らかだ。トゥインゴにはup!のように自動ブレーキの類は残念ながら用意されないが、逆にオートエアコンや雨滴感知ワイパーなど、同価格のHigh up!にはない装備がつく。さらにup!よりパワフルなターボエンジン、そして価格帯としては明らかに贅沢なデュアルクラッチなども考慮に入れれば、トゥインゴはup!に劣らぬインパクトある価格といっていい。

際立つトゥインゴの洗練度

 見た目には、かのサンク ターボを彷彿とさせる新型トゥインゴではあるが、最初に感銘を受けたのは、なんとも洗練された乗り味だった。なによりトゥインゴは静かである。今回は全車が非4気筒で、良くも悪くもエンジンの存在感は大きい部類に入るが、トゥインゴの静粛性が際立つのは、やはり、運転席とエンジンの物理的距離が遠いリヤエンジン(RR)という理由が大きいだろう。

 私は同じエンジンを積むルーテシアを個人的に所有しているが、純粋な静粛対策ではより入念なはずのルーテシアと比較しても、トゥインゴのほうが体感的なエンジンノイズは小さい。まあ、後席に座ればその印象は逆転してしまうのだが、このクラスをあくまで前席優先のパーソナルカーだと割り切れば、RRであるメリットは小さくない。

 それに加えて、トゥインゴはフィアット勢のツインエアに劣らないトルクを、シリンダーがひとつ多い3気筒で提供し、かつこの価格帯としては明らかに贅沢な6速デュアルクラッチを組み合わせている。

 ツインエアはうまく扱えば2気筒とは思えないスムーズなマナーを見せるのだが、パワーバンドを外すと一気に震動が高まるのも事実。また、フィアットとVWが使うロボタイズドMTはこのタイプでは熟成が進んでいて、相応のコツをつかんで、車速と負荷を先読みしたアクセルワークを心がければ、デュアルクラッチに劣らないスムーズさで走ることも可能ではある。ただ、ふと気を抜いてしまうと、ギクシャクしてしまうクセが皆無ではない。

 その点、トゥインゴは震動面で有利な3気筒に、アクセルをあまり踏み込まずに済むターボパワーも備わる。しかも変速機は回転域をより細かく刻んでくれる6速にして、変速ラグが小さいデュアルクラッチ。コツを必要としない扱いやすさでアタマひとつ抜けており、そこに前記のRRならではの利点も加わるわけだ。

 トゥインゴはシャシー面でも非常に洗練されて快適である。高速では、up!やパンダも印象的なほどの小ささを感じさせない重厚な高速フラットライドを披露する。だが、トゥインゴはそこにフワリとした柔らかさがプラスされるのは、クラス最長級のホイールベース効果だろう。現代的な小型RRの前例には歴代スマートや三菱i(アイ)があるわけだが、それらに見られた後輪を軸にフロントが上下する特有のクセも、トゥインゴではほとんど感じられない。ルノーならではのアシづくりの上手さに、共同開発相手であるスマート(=ダイムラー)の知見も活かされているのかもしれない。

 インテリアの仕立てについては、2台のイタリアンのセンスが光る。500は素直に手間ヒマとコストがかかっていそうな質感表現が光り、パンダの「丸四角」モチーフをリフレインするデザインテーマや、ダッシュ表面に「panda」のロゴを敷き詰めるセンスとアイデアは、今なお新鮮である。トゥインゴのインテリアもグローブボックスの大きさやコンソール周辺の余裕にはフロントにエンジンを置かないメリットをきちんと表現しているが、意匠そのものはup!と並んであくまでシンプルでオーソドックスだ。

 ただ、シートのデキはトゥインゴとup!がフィアットの上をいく。ともにシートサイズそのものは特別に大きいわけでもないのに、小柄な体格ではない私でも、しっとりと包みこむような着座感が心地よい。高速での安定性は4台とも文句なし(強いていえば500は少しだけ上下動が大きめ)だが、トゥインゴとup!にさらにひとクラス上級重厚感が加わるのは、このシートの優秀さも効いているはずである。

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