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モデル末期のホンダ・フィットRSは買いか?L15B&6速MTは「ホンダミュージック」が堪能できる望外に官能的なパワーユニット モデル末期のホンダ・フィットRSは“買い”か“待ち”か?…三代目後期にしてようやく辿り着いた完成形。新型での継続設定は期待薄、今すぐ“買い”だ!

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フィットRSのL15B型1.5L直4直噴DOHC i-VTECエンジン
 とはいえ市街地や高速道路を走っただけで、これだけの楽しさや洗練度を感じさせてくれたフィットRS、ここでそのステアリングから手を放すのは余りにも惜しい。その楽しさをより一層堪能すべく、箱根のワインディングへと持ち込んだ。

 上りのタイトコーナーが続くセクションでは、先ほど絶賛した1.5Lエンジンが132ps&155Nmというスペック通りの実力であることがよく分かる。昨今のダウンサイジングターボエンジンのようなパンチはなく、ギヤ比が高くも低くもない6速MTの相乗効果もあり、加速力も絶対的な速度も決して高くはない。むしろ遅いとさえ言っていい。

 だがその分、性能を余す所なく使い切れるので、楽しさは抜群。サスペンションもこういう場面ではややソフトに感じられるが不満や恐怖感を抱くレベルではなく、タイヤのグリップも高すぎないので、免許取り立ての初心者がスポーツドライビングを学び楽しむのには打って付けだろう。

ABCペダルはアルミ製だが滑りにくく、フットレストも適切なサイズ
 なおペダル類は配置・サイズ・滑りにくさとも適切で、こうした場面でも左足はしっかり踏ん張れ、ヒール&トーや微妙なアクセル&ブレーキ操作もしやすかったことを付け加えておきたい。

185/55R16 83VのダンロップSPスポーツ2030を装着
 ただしブレーキは、効き方こそリニアでコントロールしやすいものの、絶対的な制動力は不足気味。下りの高速コーナーを主体としたワインディングでは、外気温が30℃を超えていたこともあり、タイヤ共々早々に熱ダレの兆候を見せていた。ワインディングやサーキットでスポーツドライビングをせずとも、安全性向上の観点から強化品への交換は必須だ。

フロントシートも形状に他グレードとの違いはなくスポーツ走行には役不足
 また着座位置が高く、体感するロール量が多くなってしまうのは、センタータンクレイアウトの宿命。座面のサイドサポートが物足りないうえサブマリニングも起きやすいフロントシートもその印象に拍車をかけており、かつてディーラーオプション設定されていたレカロ製セミバケットシートが欲しいと思わずにはいられなかった。

「ホンダセンシング」のミリ波レーダーをHマークの奥に備えたフロントグリル
 最後に、MT車ながら標準装備されている、ミリ波レーダーと単眼カメラによる予防安全技術「ホンダセンシング」についても、高速道路で試したので触れておきたい。

 ACCはやや車間を取り過ぎる傾向にあるものの、速度が大きく上下すればシフトチェンジをしなければならないMT車ということを考慮すればむしろ適切。車線中央を維持するLKASは、コーナーのRが小さくなるほど操舵アシストが不足しがちで、実用的なのはほぼ直線に限られるのが気になったものの、これらの機能があるおかげで、高速クルージングは望外に快適だった。

 とはいえ横風にはあおられやすいため、特にトンネルの出口や橋の上、トラック・バスのサイドスリップを抜けた直後は、しっかりステアリングを握っておくことを強くオススメする。

ホンダ・ブリオRSのインドネシア仕様。新型フィットの外観はこれに近いテイストになる?
 さて、「モデル末期のホンダ・フィットRSは“買い”か“待ち”か?」、この問いに対する答えは“買い”としたい。なぜなら、新型には以下の不安要素があるからだ。

1.新型にも「RS」は設定されるのか?
2.新型にもL15B型エンジン&6速MTは設定されるのか?
3.新開発プラットフォームによる走りの進化は?
4.デザインはどうなる?
5.センタータンクレイアウトは継承されるか?

 率直に言って1.と2.に関しては、少なくともデビュー当初は希望薄と言わざるを得ない。ホンダ広報部によれば、2019年4~6月のフィットのタイプ別販売比率は下記の通りとなっている。

・1.3Lガソリン車…54.6%
・1.5Lハイブリッド車…42.3%
・RS…2.1%(うち6速MT車85%、CVT車15%)
・15XL…0.9%

 また、日本自動車販売協会連合会の発表によれば、2019年4~6月のフィットの販売台数は、2万1979台。これに上記の販売比率を掛け合わせると、概算では下記の通りとなる。

・1.3Lガソリン車…約1万2000台
・1.5Lハイブリッド車…約9300台
・RS…約500台
・15XL…約200台

 上記の通り現在の国内販売の主力は安価な1.3Lガソリンモデルと低燃費な1.5Lハイブリッドで、1.5Lガソリン車の販売比率・台数は極めて少なく、新型ではプラットフォーム一新に伴いこの2本に絞られると思われる。なお後者のハイブリッドは、1モーター&7速DCTの「i-DCD」から2モーターの「i-MMD」に変更されると考えてよいだろう。

 3.に関しては、現行シビック以降のホンダ車はどれも並外れたシャシー性能の持ち主ばかりという傾向を信じれば、新型で劇的に進化すると期待できる。一方で4.は、各スクープ記事が一様に報じているテストカーの写真と予想CGを見る限り、ASEAN向けの「ブリオ」に近いものになる可能性が高いだろう。

 5.に関しては歴代フィットが堅持してきたコアバリューの根幹をなすものであり、これを棄てることはないと信じたいが、プラットフォームが一新されれば、これすら可能性はゼロではないのだ。

 新型フィットのワールドプレミアはズバリ10月23日、東京モーターショーのプレスデイ初日。日本仕様の正式な発表・発売は11月になるだろう。そこから逆算すれば、すでに現行型の生産が終了していてもおかしくない時期。買うならもう迷っている時間はない。

【Specifications】
<ホンダ・フィットRSホンダセンシング(FF・6速MT)>
全長×全幅×全高:4045×1695×1525mm ホイールベース:2530mm 車両重量:1070kg エンジン形式:直列4気筒DOHC 排気量:1496cc ボア×ストローク:73.0×89.4mm 圧縮比:11.5 最高出力:97kW(132ps)/6600rpm 最大トルク:155Nm(15.8kgm)/4600rpm JC08モード燃費:19.2km/L 車両価格:205万920円

ホンダ・フィットRSホンダセンシング

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