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すべてのスポーツカー好きに知ってもらいたい、スズキ・アルトワークスの魅力 久々の第5回(ECUチューン編)スズキ・アルトワークスでぶっとばせ!150万円で実現できる庶民のスポーツカーライフ

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おかげさまで大好評をいただいたこのアルトワークスの連載。
今や最初の記事は、満員の甲子園の阪神戦3試合分以上の方にご覧いただいており、びっくり!
初回の掲載は1年半も前だったが、相変わらず皆さんにお読みいただいいる。しかし、じつはこの連載で最も伝えたかったことのひとつ、コンピュータチューンを書かぬままになっていた。ここまで皆さんにご興味を持っていただいているとは、アルトワークスが大好きな担当者としてはこの上ない喜び。ということで、今回はぜひともアルトワークスオーナーと予備軍の皆様に知っていいただきたい
アルトワークスの潜在能力を引き出す方法をご紹介する!!

潜在能力を引き出し劇的に速くする!

 素のままも充分に速く、楽しいスズキ・アルトワークスではあるが、じつは潜在能力が有り余るほどあり、各部チューニングでそれを解き放つことで、堪らん面白さを発揮する!

 今まで4回に渡ってそれをお伝えしてきたわけだが、上にも書いたように、最も効果的でコストパフォーマンスの高いECU(エンジンコンピュータ)チューンを書きそびれていた。

 個人的見解として、誤解を恐れず言い切ってしまえば、ECUチューンは”出費以外のデメリットなし!”と思う。

 現実的なことをいえば、巷に溢れるインチキECUを使えばエンジンを壊す危険性はある。
しっかりとしたECUだとしても、ノーマルよりも馬力を絞り出すので厳密にいえば耐久性も落ちるかもしれないし、オイルや点火プラグの交換といったメンテナンスは気を使う必要も出てはくる。

 しかしメンテナンス関係はクルマ好きなら当たり前のレベルだし、エンジンの耐久性だって、元々持っているマージンの範囲でチューニングすれば、5万kmやそこら走ったレベルじゃあ、そうそう変わらない。

 ただし、あくまでもチューニングは自己責任の前提があるので、チューニングが原因で壊れたものは当然自動車メーカーの保証は効かないし、チューニングパーツメーカーやチューニングを施したショップにも故障に対する保証は求められない。

 ここがデメリットとして感じるならば、否定はできない。

 ただ、しっかりとしたショップやパーツ選びをしていれば、そうそうシリアスなことにはならないので、ご安心を。

ECU内のデータを書き換えるのが、いわゆるコンピュータチューン

オートプロデュース・ボスの藤岡代表は、ECUチューンで絶大な信頼のおけるチューナーの一人。長野のショップにECU本体を送って書き込みをお願いすることもできる。詳しくはお店へお問い合わせください。TEL026-266-6387

ECU本体はエンジンルームの右奥にボルト4本で留まっている。素人でも外す作業は簡単だ。
 やはりサスペンションやブレーキと違って、解説することが多く、前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題。

 筆者がアルトワークスのチューニングをはじめた、ワークスのデビュー当初はもちろんコンピュータチューンのメニューは出来上がっておらず、心待ちにしている状態だった。
 近年の新車は純正ECUの制御が複雑化しており、そう簡単にチューニングECUの開発は進まず、当時チューニングの依頼をしていた長野県のチューニングショップ「オートプロデュース・ボス」の藤岡さんから、完成の報告が来たのは一年後だった。

 と、ここでECUチューンとはどんなことをするかを説明しておくと、
 具体的には、純正のECUに書きこまれているデータの内容を、より馬力の出るデータへと書き換えを行うので、外観的な変化は一切ない。

 さらに書き換える手法としては、エンジンルーム内にある純正のECU本体を外してパソコンにつないでデータを書き換える方法と、HKSのフラッシュエディターのように、運転席の膝あたりにある故障診断(ODBⅡ)コネクタに専用の機器をつなげてチューニングデータを流し込む2通り。

 どちらも書き込むデータ次第で性能が変わるので、手法の違いによる性能の差はないが、フラッシュエディターは、接続機器も製品なので、自分自身の手でノーマルデータに戻すこともできるのがメリットだ。
(※さらに、サブコンピュータというデバイスを純正ECUの配線に割り込ませるものもあるが、オススメは前述のもの※)
 で、 オートプロデュース・ボスの書き換えは、前者のECUを外して書き込みを行うタイプ。
 早速長野へと出かけ、コンピュータの書き換えをお願いした。

ほんの数十分で劇的ビフォー・アフター!

シャシーダイナモでパワーチェック中。

 作業時間といえば、書き換えだけであればECU本体を外す作業を含めても、ものの數十分で終了。

 シャシーダイナモで馬力を測ってみれば、あっという間にノーマルの実測60.8psに対し18psアップの79.0psと劇的にアップ!
 トルクも全域に渡って高まり、どの回転域からでもアクセルひと踏みでググッと力強さが高まった!

 あっという間の書き換えを終えて試乗に出かければ、軽い車体に30%も馬力がアップしているので、もうニヤけが止まらないほどご機嫌な走りになる。
 さらに、全域に渡ってトルクもアップしているし、高回転域までギュンギュン加速してくれるので、どんなアルトワークスオーナーでも感激すること間違いなし!

 これぞチューニングの醍醐味!
 本当に数多くの人に味わってもらいたいと常々思っている、感動体験だ。

赤い線がノーマルで、緑色がチューニング後。そして左のグラフがトルク、右がパワー。全域でノーマルを凌駕するが、特に実用域の400rpmからのトルクアップと、高回転域でのパワーアップと伸びが顕著だ。
ターボの加給圧はノーマルの1.08kg/cm2から1.25kg/cm2へと引き上げられている。

コスパ最高のECUチューン。是非とも体験してほしい。

これがHKSのフラッシュエディター。アルトワークス以外にホンダのS660でも人気のパーツだ。ノーマル復帰も自分でできるのが便利だ。
ブリッツのチューニングECUもECU本体を送付して、書き込みを行う。量販店のフェアなどがあれば、現場で書き込んでもらえることもある。

 もう少しこのECUチューンについて説明を加えると、この時に書き込んでもらったデータは使用するガソリンをハイオクにする仕様のデータ。
 アルトワークスは、スポーツモデルといえども軽自動車だけに、ガソリンがレギュラー指定だが、ハイオク仕様のデータにコンピュータを書き換えることにより、よりチューニングの伸び代が増える。

 どうしてもレギュラーが使いたいというならレギュラー仕様での書き換えも可能(ピークパワーはハイオク仕様よりも下がる)ではあるが、書き換え工賃は変わらないので、燃料代のランニングコストは上がるが、折角なのでハイオク仕様をおすすめする。

 このECUチューンはアルトワークスのようなターボ車の方が自然吸気の車種よりも効果が高い。というのも、ターボの過給圧次第でパワーが大きくアップする。
その過給圧をより高めるために、ハイオクガソリンが有効なのだ。

 さて、ここまで効果的なECUチューンのお値段だが、筆者がお願いした オートプロデュース・ボスの書き換え料金は11万2000円。
 前述のHKSフラッシュエディターは税込6万6千円、ブリッツのチューニングECUが税込5万5千円となっている。

 これらチューニングパーツメーカーの製品であれば、オートバックスなどのカー用品量販店でも購入できるので、チューニングショップに馴染みのないオーナーも手を出しやすいだろう。

 特にブリッツのチューニングECUはヤバい。市販データでありながら「スペシャルECUプログラム」という仕様が選べ、オートプロデュース・ボスのECUに迫るパワーアップが獲得できるという、価格破壊系の逸品だ。


 さらにさらに、ECUチューンは事前に用意されたプリセットデータのインストールの上に、チューニングショップにおいて、個々の車両に合わせてセッティングを詰める「現車合わせ」というメニューも存在する。

 奥が深くて、コスパ最高なECUチューニング、絶対にオススメです!

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