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日産 新型ルークスとホンダ・N-BOX、ダイハツ・タント、スズキ・スペーシア 新世代として揃い踏みを果たした4モデル、その性能と使い勝手を徹底解析する

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最大の注目は居住性とフレキシブルな使い勝手

 ここからは、スーパーハイト系軽自動車ならではのチェックポイントを項目ごとに比較していこう。

 まずは前席の居住性。新型ルークスはベンチタイプのシートが基本で、「ハイウェイスターGターボプロパイロットエディション」にのみセパレートシートをオプション設定。実際に着座してみるとシートサイズは4台中、最もたっぷりしていて、なおかつ上級感のある分厚いクッション感とともに、ごく自然な着座姿勢が取れるのが美点。ミニバン並みの着座位置の高さは、車体前方直下の視認性の良さにも直結する。

 運転席に着座すると、目線に対して相対的にインパネが低く、メーターフードなどの上方向の出っ張りは最小限。他車よりパノラミックな視界が特徴的だ。クラス唯一の電子パーキングブレーキの採用による足元の広々感でも大きくリードする。

 N-BOXの前席はベンチタイプが基本で、助手席が570㎜スライドするスーパースライドシート仕様はセパレートシートとなる。カスタム系はクッションの厚み感とともに、シート表皮の質感、デザイン性の高さに見るべき点がある。タントとスペーシアの前席はベンチタイプのみだが、タントはお尻部分がじわりと沈み込み、体重で心地良いサポート性が得られ、背もたれも背中を優しく包み込むような快適感が特徴だ。スペーシアの前席はやや平板。着座の落ち着き感で物足りない印象だ。
 スーパーハイト系軽自動車は子育て世代に圧倒的に支持されるクルマ。ゆえに後席の乗降性は見逃せないポイントだろう。スライドドア部分のステップ高は新型ルークス約350㎜、N-BOX約350㎜、タント約310㎜、スペーシア約345㎜。いずれも段差のないワンステップフロアだから数値の差こそあれど全車、足を運びやすいことは間違いない。

 むしろ、子どもを抱いた母親にとって注目すべきはスライドドアの開口幅と開口高。新型ルークスはBピラーの前出しによって幅650㎜×高さ1235㎜。N-BOX同640×1240㎜。タントの助手席側ミラクルオープンドア同600×1200㎜(幅は助手席を筆者の運転席ドライビングポジションにスライドさせた数値)、スペーシア同600×1250㎜。子どもの抱き方(角度)に自由度をもたらす幅方向では、なるほど、新型ルークスに優位性がある。

 後席の広さは4車ともに呆れるぐらい広い。身長172㎝の筆者がドライビングポジションを決めた背後に着座すると、頭上/シートスライド後端の膝まわり空間は新型ルークスが260㎜/400㎜、N-BOX250㎜/420㎜、タント270㎜/355㎜、スペーシア270㎜/330㎜。微差はあるものの、繰り返すが、後席スライド最後端位置だと広過ぎるほど広い。

 むしろ注目すべきは掛け心地と立ち上がり性(降車性)。その点で褒められるのは新型ルークスだ。理由は快適性にこだわったシートの掛け心地の良さに加え、フロアからシート前端までの高さヒール段差が高く、椅子感覚で着座できるからである。

 ただし、後席シート後端位置での立ち上がり性(降車性)に優れるのはN-BOX。シート下が空洞で、足が引きやすいのがその理由。新型ルークス、タント、スペーシアはシート下に燃料タンクがあり、シートスライド最後端位置では足が引けない。が、シートスライドを前出しすれば、足引き性(降車性)は解決する。

 後席の快適度、それも暑い時期に限定すれば、エアコンの冷風を後席にもまんべんなく届かせることができるシーリングファン/スリムサーキュレーターを用意する新型ルークスとスペーシアが有利になるはずだ。

 ラゲッジの使い勝手はどうか。軽自動車の場合、限られた全長のため、後席使用時のラゲッジスペースの奥行きは最小限。が、後席シートスライドによって奥行きを拡大できるから心配無用。ところで、スーパーハイト系軽自動車は前後シートのスライド機構にこだわりがある。タントは運転席540㎜のロングスライドを助手席380㎜スライドとともに用意。助手席側スライドドアから子どもを後席に乗せた後、車外に出ることなく運転席に移動できるミラクルウォークスルーパッケージを実現した。N-BOXは助手席570㎜のスーパースライドシートを前席セパレートシートとセットで設定。両車は、後席の子どもに(愛犬もそう)、前席の親が近付く考え方と言える。

 一方、新型ルークスは逆で、後席320㎜ロングスライド(N-BOX190㎜、タント240㎜、スペーシア210㎜)で後席の子どもの方を近付ける発想だ。その利点は前寄りにスライド量を増やしたことでラゲッジスペースの奥行をより広げられること。具体的には、後席最後端位置のラゲッジ奥行は新型ルークス290㎜、N-BOX410㎜、タント260㎜、スペーシア310㎜。それが、後席を大人でも着座できる最前端位置にセットすると、奥行は新型ルークス675㎜、N-BOX600㎜、タント485㎜、スペーシア600㎜まで拡大。つまり、4人乗車で大荷物、という場面での新型ルークスの積載力は断トツだ。

 重い荷物の出し入れに関わるラゲッジの開口部地上高はN-BOXの480㎜が最も低く、新型ルークス490㎜、スペーシア540㎜、タント590㎜の順になる。しかし、新型ルークスが偉いのは、N-BOX並みのフロアの低さを実現しつつ、クラスで唯一、〝使える〟床下収納を備えていること。ちなみに後席格納時のフロアのフラット度ではスペーシアに軍配が上がる。

HONDA ・N-BOX Custom G・EX TURBO Honda SENSING

先進安全や使い勝手に隙のない、スーパーハイトの絶対王者。パッケージの特徴は助手席のスーパースライドだ。
助手席前のトレーに加え、ステアリング前の蓋付ボックス内にも薄型ティッシュがすっきり収納できる。ちなみにボトルホルダー横にペットボトルの蓋が置ける(本来はキー置き)アイデアもなかなか。
N-BOXの後席は後ろ寄りにセットされている。センタータンクレイアウトによりシート下が空洞のため、シートスライドがどの位置でも足が引け、立ち上がり性が抜群なのはうれしい。

直列3気筒DOHCターボ/658㏄ 
最高出力:64㎰/6000rpm 
最大トルク:10.6㎏m/2600rpm
WLTCモード燃費:20.2㎞/ℓ
車両本体価格:199万6500円

DAIHATSU TANTO CUSTOM カスタムRS

圧倒的な乗降性の良さを発揮するミラクルオープンドアに運転席ロングスライドシートが追加され、ウォークスルー性が向上したタント。
ティッシュボックス置き場は、残念ながら生活感が出る助手席前トレーのみ。ステアリング前の蓋付ボックスには薄型でも入らない。ただし、ボックスなしのティッシ ュを用意すれば解決する。
タントの後席を最後端位置にセットするとライバル車より足元の出 っ張りが大きく、足を引きにくく、立ち上がり性で不利だ。とはいえ、シートスライドを前出しすれば問題は解決する。

直列3気筒DOHCターボ/658㏄ 
最高出力:64㎰/6400rpm
最大トルク:10.2㎏m/3600rpm 
WLTCモード燃費:20.0㎞/ℓ
車両本体価格:178万2000円

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