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マツダMAZDA2 上質な内装に相応しい乗り味。MAZDA2には「サムシング」がある。選ぶべきはガソリンかディーゼルか?MAZDA2 XD White Comfort

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ブレーキはFベンチレーテッドディスクRドラム

 定評のあるマツダのディーゼルエンジン、SKYACTIV-Dのボトムラインを支えるのが1.5ℓ直4ディーゼルターボのD1.5である。最大トルク250Nmというのは、このクラスでライバルを圧倒できる数値だ。

 地下駐車でMAZDA2のキーを渡されてエンジン始動して走り出したときは、ディーゼルらしい振動や音を感じなくてガソリンエンジン車かと錯覚してしまった。目の前のタコメーターを見ると、5000rpmからゼブラ、5500rpmからレッドゾーンとなっている。ディーゼルにしてはよく回るエンジンなのだ。前日まで乗っていたCX-3の1.5ℓガソリンエンジンモデルのそれは、ゼブラが6500rpm、レッドが7000rpmだからもちろん、ガソリンの方が高回転まできれいに回るのだが、1000rpmしか差がないのには驚く。
 SKYACTIV-D1.5は相変わらずとてもいいエンジンだった。高速道路での追い越しも右足にちょっとだけ力を入れればいい。一回、このフィーリングを味わってしまったら、「ああ、やっぱりディーゼルはいいな」と思う。

ボンネットフードを開けると、こうなっている。
ご興味のある方は少ないと思いますが、これがエンジンカバー。
裏側はこうなっている。
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ エンジン型式:S5-DPTS(SKYACTIV-D1.5)型 排気量:1498cc ボア×ストローク:76.0mm×82.6mm 圧縮比:14.8 最高出力:105ps(77kW)/4000rpm 最大トルク:250Nm/1500-2500rpm 過給機:ターボチャージャー 燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射(DI) 使用燃料:軽油 燃料タンク容量:44ℓ

 SKYACTIV-Dは、D1.5、D1.8、D2.2の3機種がある。現在、D1.5を積むのはMAZDA2だけだ。D1.8は、D1.5の代替の役割がある。この場合の排気量+300cc(正確には258cc)は、出力ではなく排ガス対策に使われている。

排気量258ccアップ。マツダCX-3が積むSKYACTIV-D1.8はなぜ排気量を大きくしたのか?

■ S8-DPTS "SKYACTIV-D1.8” シリンダー配列 直列4気筒ディーゼル 排気量 1756cc 内径×行程 79.0×89.6mm 圧縮比 14.8 ...

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リヤサスペンションはこのクラスのスタンダードであるトーションビーム式。
フロントサスペンションは、マクファーソンストラット式。

 となると、いつかわからないが次期MAZDA2には、ディーゼルエンジン搭載車がなくなってしまうかもしれない。コンパクトカークラスで1.8ℓディーゼルというのは、税制面(販売面)で不利になるから、なかなか載せにくい。将来的にはMAZDA2はガソリンエンジン+電動化技術(欧州仕様のガソリンモデルは24VのM-Hybridが採用されている)で対応するはずだ。だから、いまあえてディーゼルを選んでおくのも、アリかもしれない。

 ちなみに、今回190kmほど走った燃費は21.0km/ℓだった。デミオ時代に800km走った際の燃費も20.9km/ℓだった。モード燃費は
WTLCモード燃費:21.6km/ℓ
 市街地モード18.1km/ℓ
 郊外モード21.3km/ℓ
 高速道路モード23.8km/ℓ
 だから、ほぼWLTCモードの燃費性能があると言っていい。

 一方のガソリンエンジンは、前回、G1.5を400kmドライブした際の燃費は17.9km/ℓだった。こちらのモード燃費は
WTLCモード燃費:19.0km/ℓ
 市街地モード15.2km/ℓ
 郊外モード19.4km/ℓ
 高速道路モード20.9km/ℓ
 
 ガソリンエンジン搭載の15S White Comfort(FF)の価格は216万6700円だから、G1.5とD.15の価格差は32万4500円にもなる。

 この価格差は燃料代では埋め切れない。ディーゼルのトルキーな走りに抗いがたい魅力を感じ、そして年間、相当な長距離を走るユーザーはD1.5を選ぶ価値はあるが、そうでないならガソリンエンジン車を選ぶ方がいい。30万円あれば、楽しい旅行、おいしい食事にたっぷり使える。

トランスミッションは、マツダ自製の6速AT。ギヤ比は、1速:3.552 2速:2.022 3速:1.452 4速:1.000 5速:0.708 6速:0.599 後退:3.893 最終減速比:3.389
トランクは深さがありボディサイズの割に容量がある。
フロアをめくると下はこうなっている。パンク修理キットが収納されている。

 燃費だけを考えれば、いま新型トヨタ・ヤリスハイブリッドに勝てるモデルは存在しない。ヤリス・ハイブリッドの最上級グレードZ(FF)の価格は229万5000円だ。

 最近試乗したヤリスZ(コンベのガソリン仕様)の車両価格は192万6000円だったが、MAZDA2 ホワイトコンフォートと同程度の装備にしようとオプションをつけていけば、価格はほぼ同程度だろう(ヤリスZの広報車は、HUD/ブラインドスポットモニター/パノラミックビューモニター/合成皮革+ツイード調ファブリック/AppleCarPlay+Android Autoなどのオプションがついて254万2000円だった)。

 だから、MAZDA2の15S White Comfort(FF)の216万6700円という価格は充分競争力がある。

 ヤリスの1.5ℓ+CVTモデルで同じコースを走った際の燃費が18.4km/ℓだったから、MAZDA2のG1.5は、ヤリスのエンジン車に勝てないまでも燃費では近い線まではいけるはず。

190kmほど走った際の燃費は21.0km/ℓ。高速道路での走行が多かったこともあって、WLTCモード(21.6km/ℓ)の97.2%を達成。
 当然のことだが、クルマを選ぶ基準は、燃費だけではない。乗り心地、ハンドリング、質感、そして内外装のデザイン……つまり、なにかそのモデルならでは「サムシング」が重要なのだ。
 MAZDA2がヤリスやフィットと同じショッピングリストに載って、さらに選んでもらうためのサムシングはあるか?
 ホワイトコンフォートに乗って、ある、と感じた。「ビジネスユース感」がないパーソナルな、私だけの上質なクルマ、サイズがたまたま小さいだけで、いわゆる「安いコンパクトカー」がほしいわけではない、という層は一定数存在するはずだ。
 MAZDA2の賞味期限はまだまだ続いている。

クラスを超えた上質感があるインテリア。ヤリスやフィットではない選択肢として有力だ。

マツダMAZDA2 XD White Comfort
全長×全幅×全高:4065mm×1695mm×1525mm
ホイールベース:2570mm
車重:1150kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式 Rトーションビーム式
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
エンジン型式:S5-DPTS(SKYACTIV-D1.5)型
排気量:1498cc
ボア×ストローク:76.0mm×82.6mm
圧縮比:14.8
最高出力:105ps(77kW)/4000rpm
最大トルク:250Nm/1500-2500rpm
過給機:ターボチャージャー
燃料供給:コモンレール式筒内燃料直接噴射(DI)
使用燃料:軽油
燃料タンク容量:44ℓ
駆動方式:FF
WTLCモード燃費:21.6km/ℓ
 市街地モード18.1km/ℓ
 郊外モード21.3km/ℓ
 高速道路モード23.8km/ℓ
車両価格○249万1500円

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