火曜カーデザイン特集:トヨタ・センチュリーってどんなクルマ? トヨタ・センチュリー2000万円の価値に迫る! コンセプトから違ったそのデザイン
- 2020/10/13
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CAR STYLING編集部 松永 大演
最近注目されているトヨタ・センチュリーについて、どうも話題が2000万円以上というその価格に集中している。しかし、中身についてはあまり知られていないようなので、コンセプトやデザインについてちょっと解説をしてみようと思う。前置きとして、この記事はセンチュリーを買った自治体を擁護するものでもなく、また批判するものでもなく、単にセンチュリーの説明をするだけなので、極めてフラットな目線でお読みいただければ幸いだ。
ショファードリブンのクルマは、実は少ない
言わずと知れたトヨタ・センチュリーは、日本を代表する高級車だ。ショファードリブンと呼ばれるカテゴリーのクルマで、運転手が運転をする後席を重視したクルマだ。この点では、ロールス-ロイス、ハイエンドのキャディラック、またハイエンドのメルセデス・ベンツに加え現在は新型の登場が待たれる、マイバッハなどがそのカテゴリーに属すると言えるだろう。また中国の第一汽車が有するブランドの赤旗も元々は高官のためのクルマで、現在は一般ユーザー用のモデルの方に裾野を広げている。
また、日産にはプレジデントという、センチュリーと双璧をなす高級車があったが、3代目から専用設計をやめてインフィニティQ45をベースとしたり、4代目ではシーマをベースとして製作されたが2010年にブランドが途絶えている。また、三菱にもデボネアという車がそのカテゴリーにあった。



レクサスやBMWはドライバーズカー
いやいや、まだあるでしょう! と思われるかもしれない。BMWにもアウディにも、それこそレクサスやクラウン(今はないがセドリック、グロリアだって…)、同じカテゴリーのクルマが存在するはずと思われるかもしれない。しかし、それらのクルマはドライバーズカーとしての資質も多く持ちあわせているので、後席には人を乗せるクルマとしての広い空間は持っていても、考え方が異なってくる。プライオリティを前席に置くか、後席に置くかの違いになってくる。
クラウンにしても、かつてはタクシー需要も含めて進化してきた経緯はあるが、現在ではジャパンタクシー (JPN TAXI) という専用車が生まれたことによって、後席に人を乗せるクルマとしての姿勢は薄まってもきている。現在はドライバーズカーである、レクサスやクラウンを公用車として使っている、という例が多いようだ。


さらに現在では、アルファードなどのミニバンやSUVのような、背を高くすることによって生まれた空間の広さを利用して、人を乗せるクルマとして使っている例もかなり多い。ミニバンでは、お付きのスタッフも同乗しやすい点、SUVであればテロなどにあっても、高い走破性によって安全性を確保できる可能性が高い点が採用の理由になっているようだ。
ところで、レクサスやクラウンとおんなじセダンでありながら、センチュリーとは何が違うのか? コンセプトが違うとはどんなこと? という疑問が生まれてくるはずだ。
センチュリーには様々な深い話があるのだが、ここではポイントをかいつまんで紹介しよう。
後席は仕事の場、必要なのは適度な緊張感
大きなセダンにとって必要な後席の条件とは?と考えたときに、想像されるのは乗り降りのしやすい大きなドア、そして足運びのしやすい低いサイドシル、ゆったりとした安楽なシート。快適な音響システム、静かな空間。となるはず。当然センチュリーでもそれらの要素は考えられているが、一番異なるのが「適度な緊張感」を維持することが考えられているということだ。
センチュリーでの移動は、「会社」から「会社」への移動であったりと、クルマでの移動はリラックスの空間ではなく、ビジネスの空間と捉えられている。さまざまな戦略を練り、重大な決断をする企業のトップが仕事のために移動する空間なのだ。その中で、緊張を緩めてしまわないことに、開発者、デザイナーは配慮した。
そのためのシートの高さであり、シートバックの角度、そして柔らかさ、そして素材なのだという。

また、センチュリーの開発に当たっては、運転者の意識も深い調査を行なっている。そこで出されていた要望についても、対応が行われた。特徴的なものは、「運転者の行なう様々な操作が後席に気づかれないようにしてほしい」というものだったという。
運転者としては、できるだけ黒子に徹し執務の邪魔になってはいけない、との思いが強い。それだけに、ラジオの操作、エアコンの操作のひとつにも気を遣うのだという。
センチュリーでは、操作系をシートバックで見えない位置に低く設定し、さらに手を伸ばして届く位置として操作の最中にも運転手の肩が動かないようにも配慮した。
また、後席の窓枠は顔を出したときにお顔が綺麗に見えるように桟との位置関係に配慮がなされている。これは、かつてのクラウンでも意識されていたことだ。さらにセンチュリーでは、窓枠を鏡面ではないつや消しのシルバーとしている。初代モデルが波打った形のアルミ素材を用いており、新型の開発当初にはその理由がわからなかったということだった。しかし調べていくうちに、撮影などでのストロボの光を反射させないための配慮と気づいたという。
さらに、ドアは乗る人が写り込んでも変にゆがんで見えないように、フラットな造形を意識したという。
望まれる「人を載せるため」の専用開発モデル
こうして、通常の自動車とはかなり異なる配慮によって生まれたのが現在の3代目センチュリーだ。2代目モデルが登場したのが1997年、そして現行の3代目が登場したのが2018年。先代モデルがハイエンドということで、V型12気筒5リットルエンジンを搭載していたことから、環境保護の観点からハイブリッドモデルのあるクラウンやレクサスに買い替えたという自治体もあった。
しかし3代目はV型12気筒エンジンをやめて、V型8気筒5リットルエンジンながら、ハイブリッドとなったことでセンチュリーへ戻るという意識も生まれていたようだ。
しかしながらこうして考えてみると、それならば最適なフォーマルな後席重視のセダンはあるのか? というと存在しないのが現状。ならばアルファードか? と言われると、ちょっとフォーマルとは言えないデザインでもある。ジャパンタクシーは割といい位置にいるが、後席はどちらかというと観光仕様のソファー的なシートが気になる。日産のNV200は商用車からの派生で、狙いが異なるプロダクトだ。
ハイヤー車両なども意識して、400-500万円くらいで、より堅実でリーズナブルな人を乗せるためのショファードリブンが登場してほしいと、つくづくと思ってしまう。今や後席重視の真っ当なセダンがないのが現実だ。

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