スイスポ進化論ボディ編① この時代に970kgのボディという偉業を成し遂げたのがZC33Sだ!【連載|スズキ・スイフトスポーツを愛しすぎた加茂からのラブレター⑤】 スズキ・スイフトスポーツ進化論 その⑤ 強靭であり軽量であることを旗印に、1t切りの軽量ボディに挑む【GW短期集中連載!】
- 2021/05/04
-
加茂 新
ゴールデンウィーク短期集中連載「スイフト博士カモ?」の加茂 新氏解説で贈るスイスポ丸ごと講座・5日目。今日と明日はボディ編です。プラットフォームから一新されたZC33S。今回のボディは新たな設計思想を採用して、この時代に900kg台のコンパクトスポーツを世に放つことに成功した革新的ボディなのだ!
TEXT:加茂 新(KAMO Arata)
スズキ・スイフトスポーツ進化論 その④ トルクウエイトレシオでは34.6kg/kgm。これはWRX STIの35.6kg/kgmにも勝る数値だ!【GW短期集中連載!】
「オレってスイフト博士カモ?」の加茂 新氏の解説で贈るスイスポ丸ごと講座・4日目。エンジン(後編)。ターボ車ならではの...
「強靭であり、軽量であること。すべてはドライビングのために。」がキャッチフレーズの970kgボディ
なぜ軽量ボディが実現できたのか!?
歴史、エンジンと解説を重ねてきましたが、今日明日はボディ編です。
コンパクトスポーツとか、ホットハッチのような呼ばれ方をしてきたこのジャンル(ヴィッツやフィット、マーチ、そしてスイフトスポーツ)。
初代と2代目スイフトスポーツであるZC31S/ZC32Sはほぼ同じスペックで、1050kg程度の車重に130psくらいの自然吸気(NA)エンジンを搭載していた。それでも充分に軽快だったが、3代目となるZC33Sは大きく進化してきた。それは1400cc+ターボエンジンになったこともだが、なんと車重が1tを切ったことが大きなトピックだ。
近年は衝突安全性を高めるためであったり、そもそもボディの大型化が進められており、スイフトスポーツもZC33Sからは全幅が広がり3ナンバー化された。それでいて80kg近い軽量化を可能にしたのはボディの進化だ。
目からウロコで、コロンブスの卵が「ハーテクト」
ZC33Sでは新設計プラットフォームのHEARTECT(ハーテクト)を採用。新発想から生まれたボディで、ボディの骨格をなめらかに接合する設計だ。
これまでで言えば、ボディを横から見たとき、フロントフレームとキャビンは「乙」や「Z」の字のように、キャビンから90°近い角度でフロントフレームが出ていた。その部分を強化するスジガネなんとかとか、そういう補強パーツもあるほどその部分の剛性は重要だし、最近のクルマはストック状態でフロントフレーム接合部にナナメに補強が入っていることが多い。
ハーテクトではそこの取付角度をなめらかに変更。フレームからの入力は浅い角度でキャビンに伝えられる。手を伸ばしてドアを押せば力が入れやすいが、肘を90°にしてドアを押すと肘が曲がる方向に力が逃げやすい。それと同じようなイメージだ。
人間でいうと肘の部分が折れ曲がる方向へ力が逃げにくいので、補強を減らしてボディをシンプルにすることができる。また、サスペンション部品も骨格の一部として使うことで、補強部品の削減に貢献。そうした努力の結果が970kgという軽量ボディを可能にしたのだ。さらに高張力鋼板や超高張力鋼板を使用して、軽量化とボディ剛性を両立させているという。
軽量化にも空力にもこだわる100万円台スポーツ……
メーカーとして軽量化対策として謳っているのはハーテクトだが、ほかにも随所に努力の跡が見られる。
例えばシート。運転席、助手席のシートがZC33Sからヘッドレストが一体構造になった。ヘッドレストの高さ調整はなくなるが、そのぶんステーなどがなくなり軽くできると思われる。実際は純正シートとしてはかなり軽量だ。
またマフラーやフロントパイプのつなぎ目などのフランジは肉抜きされたものを採用。HKSのマフラーでいうと軽さが売りの「ハイパワースペックL」と同様の構造なのだ。アフターパーツ並みの努力を純正で重ねているとは驚きである。
そして、フロア形状のZC33Sのハアハアポイント!!
アンダーパネルが先代よりはるかに大きくフロアを覆うようになり、リップから運転席下まではほぼフルフラット。ちょっとお高い欧州車ならともかく、200万円以下のコンパクトカーとしては感動さえ覚えるレベルでフラットになり、空力的に改善されているのだ。
たしかに、東海地方のミニサーキットに行くと、ちょこちょこスズキの車両開発をしている人に会うことがある。それだけ好きな人が作っているんですから、そりゃこだわりますわ!【明日に続く】
スズキ・スイフトスポーツ進化論 その⑥ もはやここまでくると「浜松の奇跡」と呼ぶしかない【GW短期集中連載!】
昨日に続いてボディ編(後半)です。今回はその装備に注目してみよう! 安かろうシンプルであろう……などということはなく、現...
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
スズキ スイフトスポーツ
ベースグレード 新品7型ナビ取付渡し スマートキー プッシュスタート シートヒーター 衝突軽減ブ...
中古価格 197.9万円
スズキ スイフトスポーツ
スポーツ 6AT 4型 全方位モニターPKG 当社試乗車 衝突被害軽減ブレーキ 誤発進抑制機能 ...
中古価格 224.1万円
スズキ スイフトスポーツ
ベースグレード 9型ディスプレイオーディオ MT車 衝突軽減システム ブラインドスポットモニター...
中古価格 207.9万円
スズキ スイフトスポーツ
ベースグレード サイドエアバック エマブレ リアカメラ 点検記録簿 セキュリティ テレビ アクテ...
中古価格 221.1万円
スズキ スイフトスポーツ
ベースグレード ベースグレード(5名) 6速MT 社外ナビTV Bカメラ Bluetooth ド...
中古価格 190.9万円
スズキ スイフトスポーツ
ベースグレード プッシュスタート・スマートキー/全方位モニター/シートヒーター/社外ディスプレイ...
中古価格 199.9万円