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火曜カーデザイン特集:新型フィアット500eの走行音に新たなトライ 人の声で走行音を出してる車って知ってる? 「それはEVの新型フィアット500e」なのだ!

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低速走行ではEVなど無音の車は車両接近警報を出さなければならず、フルEVのフィアット500eももちろんその例に漏れない。そこでフィアットが取った手は、なんと人の声で走行音を出すことだった!

車の走行音はEV、PHEV、ハイブリッド、そしてFCVなど内燃機関を動かさない低速領域では、全く気づかれない場合がある。その危険性に対応し、日本やEUでも規制がスタート。そこでとんでもないことが、起き始めているのだ。

EUでは、2019年7月以降に発売される新型電気自動車には、低速で走行するときに音を出す(車両接近警報)装置の装着が義務付けられた。この装置は12mph (約19km/h)で走行するときに、音を発しなければいけないというもの。
実はこのガイドラインは、日本でも国土交通省が2016年に設定していて、サウンドのON-OFFができるスイッチがある車に気がついた方もいるはず。そしてそれ以降、新型車では2018年3月から、現行生産車でも2020年10月から、義務付けとなってOFFスイッチは設置できなくなった。
現在、駐車場で聞くウィーンという音は、出ているのではなく出しているのだ。

ところが、フィアットはこれを逆手にとって、フィアットらしい走行音を採用することを考えた。

下の動画で、Synによる開発の経緯が語られている。最後にフィアット500eの走行音を再生。そういえばスタジオジブリの長編映画「風立ちぬ」でも飛行機のプロペラ音などを始め、多くのサウンドエフェクトが人の声で入れられていた。
Syn-Fiat 500e : Creating The Engine Sound (和訳付き)

開発を手がけたのは、Syn Musicという音楽製作会社。Synとはニック・ウッド氏、サイモン・ル・ボン氏らによって、様々なブランドやメディアに音楽を提供していく会社として1991年に設立された。そのヘッドクォーターは東京で、ロサンゼルスや北京などにもスタジオを構えている。

そしてこのフィアット500eのサウンド作りをするという事の発端は、フィアットブランド・グローバルのプレジデント、オリビエ・フランソワ氏から「フィアットの走行音を他の車と同じにするわけにはいかない」との依頼があったことから。

SynのCEO兼クリエイティブ・ディレクターであるニック・ウッド氏は、日本の「侘び寂び」という言葉から発想し、美しくも不完全であるということから、人の声はどうだろか? とのアイデアに至った。生身の声には個性や性格も存在する、これを利用できないかと考えたという。
そこで思いついたのが、ヘルシンキ(フィンランド)で活動をするルディ・ロック氏という人物。ボイスアーティストとして知られ、ディズニープロジェクトを一緒に行なったことで、ともに信頼を寄せていた。そこで、彼の声で走行音が創られることになったという。
狙いは、フィアット500のキャラクターと一致する、ユニークで刺激的なサウンドだったという。そのためにイタリアの文化を学び、多くの音楽を聞いて様々な音色やリズムを探ったという。

Syn CEOのニック・ウッド氏(左:京都にて)と、ボイス・アーチストのルディ・ロック氏(上)。

またさらに良いコラボレーションとなったのが、ミラノのレッド・ローズ・プロダクションのフラビオ氏で、彼の提案によってエンジン音とイタリアの伝統的音楽をブレンドするというアイデアが生まれた。

これによってフィアット500eは、そのエンジン音にイタリアの魂を与えられることになったのである。
ここに掲げたサウンドを聞いてみて、「フフッ」とニヤついてしまったら、もはやあなたはフィアット500eの虜だ。

下のフィアットインターナショナルページのサイトに飛んでも、フィアット500eの走行音が一般的なEVとの比較視聴できる。また、キーオン&オフ音も楽しいのでぜひ視聴を! 上のような表示が出るので、COMPARE SOUNDで走行音の比較を。左がフィアット500eで、右が一般的EVの音。 そしてNEW 500ではKEY ON / KEY OFF時のサウンドを聞くことができる。 

Fiat 500e インターナショナルページ

下はフィアット500eのプロモーションビデオの一つ。トリノにあるかつてのフィアット本社だったリンゴット工場も登場。大きな5階建ての長いビルで、下から部品を組み上げると屋上までに製品が完成。屋上にはバンク付きのオーバルコースがあり、走行試験をしたら螺旋状のスロープを下って地上に降りる、という画期的な工場だった。現在は全てがショッピングモールとして利用されているが、コースは自由に見学できる。知る人にとっては涙ものの演出だ。

フィアット500eプロモーションムービー

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