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マツダMX-30”REX” ロータリーエンジンの予想は330ccで16kW、バッテリー搭載量28.4kWh もうじき出てくる発電用REはどんなクルマ?・後編

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【写真5】

【写真5】 奇瑞「REEV(リーブ)」とは、RE(ロータリーエンジン)EV(電気自動車)という意味なのだろうが、すでに発売されていた日産リーフから見れば紛らわしい名前だったに違いない。

2011年のオート上海に中国の民営自動車メーカーである奇瑞汽車が参考出品した「REEV」【写真5】は発電用REを積むレンジエクステンダーBEVだった。取材を申し込んでも「詳しいことのわかる担当者はいない」と言われ、「市販する予定」とだけ聞いた。AVLが開発したREなのかも不明だったが、Bセグメントのハッチバックに少量のLiBと燃料タンクと発電REを積む方法に、すでに中国の新興メーカーがチャレンジしていたことが興味深かった。ボンネットフード内には、ちゃんとRE発電機が収まっていた【写真6】【写真7】。

【写真6】

【写真7】

【写真6】【写真7】 「エンジンルーム内を見たい」とリクエストしたらボンネットフードを開けてくれた。2010年のオートチャイナ(北京モーターショー)以降、中国メーカーはかなりフレンドリーになった。このクルマは、ボディ下を覗き込んだらサスペンションアームなどが汚れていた。ちゃんと自走してきたのだ。しかし、量産されて市販された形跡はない。

日本でBEVが大量普及したら、ゴールデンウィークにはあちこちで充電待ち渋滞が発生するだろうか。それがイヤでレンタカーのICE車を借りる人が増えるだろうか。もともとBEVは遠出には向いていない。テスラはロサンジェルスからラスベガスまでの街道沿いにテスラ車専用の充電スポットを何カ所も作り、セールスポイントのひとつにした。「テスラでラスベガスへ行ける」と。

EUはほとんどの国で家庭に220V(ボルト)以上の電圧で電力供給されており、家庭でのBEV充電設備に高価な投資をする必要がない。EU以外でも、ノルウェーは一般家庭の車庫にブロックヒーター(冬場にエンジンオイルが凍らないように温める電気ヒーター)用電源が普及しており、この点がBEV普及を助けた。しかし、日本の家庭用電源は100V。充電設備には投資がいる。

ちなみに、安倍政権時代に市中の充電スポット増設のための予算措置が講じられたが、日本では急速充電器設置にだいたい600万円かかった。そのうち半分の300万円は「重たい充電設備のための基礎工事代金」であり、建設業界にもお金が流れるようになっていた。

現状のLiBだろうが、将来の全固体LiBだろうが、化学電池の充放電寿命は約1500回と言われる。それと急速充電は化学電池にとって「からだに悪い」行為であり、しょっちゅうやると電池は早死にする。全固体だろうが半個体(リチウムポリマー電池としてソニーが開発し初期のアップルiPodに使っていた)だろうが「大して変わらない」と電池の研究者諸氏は言う。

レンジエクステンダーBEVは「いきなり電欠」の予防と、電池に負担をかける急速充電の回数を減らすというメリットがある。発電用ICEはCO2を排出するが、発電から消費まで、わずか1m程度の電線で済む点は大きなメリットである。発電所から昇圧変電設備を経て5万V(ボルト)程度以上の高圧で送電され、消費地の手前で減圧変電され、電柱の間を這う電線に送られ、充電設備を経て車載LiBに充電するという何重ものロスから解放される。

変電設備に使われる電磁鋼板には高効率高価格から低効率低価格まで何タイプもの種類があり、鉄鋼メーカーからの出荷実績を調べてみれば、日本の変電設備には最高ランクの電磁鋼板は思ったほど使われていないことがわかる。発電所から家庭用コンセントまでの間のロスは、日本国内の平均では20%以上あるのでは、と思う。専門家の協力を得ながら手計算すると、そういう結果になった。

最高効率のCNG火力発電設備は熱効率約65%。ここから二度の変圧を経て最終消費地まで届けられ、BEVに充電された時点で22%がロスすると仮定して(この数字は友好的である)、トータルの熱効率は約43%。石炭火力だと実効値でここから10%近く落ちると専門家諸氏は言う。さらにBEVへの充電でもロスが発生する。これがレンジエクステンダーBEVではゼロになる。

発電エンジンの熱効率が40%だとしても、ほぼイーブンになる。原子力と太陽光など再生可能エネルギーなら発電・送電の勝ち。相手が火力なら、原油輸入〜ガソリン精製〜運搬を含めても現時点でほぼイーブンもしくはレンジエクステンダーBEVの辛勝だろう。あれ、レンジエクステンダーBEVも外部から充電するんだよなぁ……。

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