待望のルノー・カングー リミテッド ディーゼル MTが日本上陸! ベルランゴやリフターよりかなり安いけれど中身はどうなの?〈初乗りインプレッション〉
- 2021/07/02
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ニューモデル速報 小泉 建治
タフな道具感を求めるなら、これが最後のチャンス!
カタログモデルの1.2Lガソリンターボと比べて最高出力は1ps高い……つまりほぼ同等だが、発生回転数は750rpmほど低い3750rpmで、最大トルクは70Nmも上回る260Nmを発生する。当然だがその走りは断然力強く、速い。
そしてエンジン回転数でパワーを稼ぐのではなく低回低域のトルクがもたらす速さだから、タウンスピードでも高速巡航でも扱いやすい。「とくに飛ばすような走りをしていないのに妙に速い」のはいかにもフランス車らしい。荷物を満載にして突っ走るというカングーのキャラクターにも合っている。
ちなみにトップギヤの6速での100km/h巡航時のエンジン回転数は1800rpmだ。今回の試乗は短時間だったので計測はできなかったが、これなら燃費にも大いに期待ができそうだ。
面白いのは、ガソリン仕様のMTとはギヤ比が微妙に異なるからなのか、1速から2速のつながりが良く、発進直後からダイナミックかつスムーズな加速ができることだ。
その一方で、アクセルを踏んだ直後にちょっとしたトルクデリバリーのタイムラグを感じる場面もあった。ディーゼルならではの豊かなトルクのおかげでついついシフトアップが早めになってしまい、トルクバンドを外してしまったのだ。シフトアップした後に1500rpmを下回ってしまうようだと、アクセル操作に対してひと呼吸、いや、1/2呼吸ほどのラグを感じることになる。
いや、もちろんそんな低い回転数でつないでいった自分が悪いのだけれど、トルクフルなエンジンのおかげで、ついやってしまう人は少なくないはずだ。同じディーゼルながら8速ATと組み合わせるプジョー・リフターやシトロエン・ベルランゴでは起こりえない現象だが、むしろMTを操ることでそうした部分を補えることに悦びを見出す好事家も多いだろう。
それにしてもつくづく思うのは、二代目カングーの走りの奥深さである。これはディーゼルに限った話ではないけれど、高速巡航時の大型客船のような直進安定性、首都高速のランプを駆け抜けるときのステアリングの正確さ、そして目地段差をまろやかにいなすサスペンションのしなやかさなど、どれをとっても「これぞルノー」と快哉を叫びたくなる。
いま、初代カングーってどうなの?『Renault Kangoo 1st Generation』
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ライバルであるリフターやベルランゴよりも大幅にお手頃な282万円という価格を引っ提げて登場したディーゼル MTだが、世代が古いだけにアダプティブクルーズコントロール(クルーズコントロールのみ装備)や衝突被害軽減ブレーキといったADASは備わらない。インテリアなどの仕立てもチープだ。さらに6速MTのみのラインナップというのは、今どき大いに乗り手を選んでしまう。
しかしカングーは、商用車を出自に持つこのカテゴリーならではの「道具感」が色濃い。ガンガン使い倒せるタフさに満ちている。MTであることもそれに拍車をかける。
そして2022年頃の日本への導入が期待される三代目カングーはリフターやベルランゴを大いに意識しており、かなりの上質感を備えた仕上がりになっていると聞く。つまりカングーにタフな道具感を求めるなら、今が最後のチャンスと言うわけだ。
二代目カングーのフィナーレを迎えるこのタイミングで、その「らしさ」を最も強く感じさせるディーゼル MTを導入してきたインポーターの見識にはさすがと唸らざるを得ない。
ルノー・カングー リミテッド ディーゼル MT
全長×全幅×全高:4280mm×1830mm×1810mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1520kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
排気量:1460cc
ボア×ストローク:76.0mm×80.5mm
圧縮比:15.1
最高出力:85kW(116ps)/3750pm
最大トルク:260Nm/2000rpm
トランスミッション:6速MT
駆動方式:FF
サスペンション:Ⓕマクファーソンストラット Ⓡトレーリングアーム
燃料:軽油
燃料タンク容量:60ℓ
燃費:WLTCモード 19.0km/ℓ
市街地モード15.9km/ℓ
郊外モード:19.1km/ℓ
高速道路:20.0km/ℓ
タイヤサイズ:195/65R15
車両本体価格:282万円
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価格:¥2200(本体 ¥2000+税10%)
発売:2021年5月31日(月)
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