自動車の任意保険とは？補償範囲や選び方について解説します

• 2025/09/01

• MotorFan編集部

  

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自動車の任意保険は、法律で加入が義務付けられている自賠責保険ではカバーしきれない幅広いリスクに備えるための保険です。事故による相手への賠償だけでなく、自分や同乗者のけが、車の損害まで補償範囲が広がります。
この記事では、自動車保険の任意保険について詳しく解説します。安全運転を心がけていても、万が一に備えて任意保険の加入は重要です。補償内容や保険料、サービス内容を比較し、自分に合った任意保険を選びましょう。

任意保険とは？

任意保険に加入していれば、運転中に万が一事故を起こしてしまった場合にも治療費や慰謝料、車の修理代など高額な賠償金を補償できます。ここでは、任意保険の補償内容や等級制度、加入の必要性について見ていきましょう。

任意保険とは？

自動車保険には「自賠責保険」と「任意保険」の2種類があります。自賠責保険は法律で加入が義務付けられており、交通事故の被害者救済を目的に、他人を死傷させた場合のみ補償される保険です。そして、任意保険は、自賠責保険では補いきれない幅広いリスクに対応する保険で、加入は個人の自由です。
自賠責保険の場合は、補償範囲は相手方の身体への損害に限定されており、死亡は最高3,000万円、傷害は最高120万円など、補償額にも上限があります。また、物損事故や運転者自身・同乗者のけが、車両の損害は一切カバーされません。そのため、自賠責保険だけでは、万が一の事故時に高額な賠償責任や修理費用を自己負担するリスクが高いといえます。
一方、任意保険の場合は、自賠責保険の限度額を超えた相手へのけがや死亡といった損害にも無制限で補償でき、車や建物など物の損害もカバーします。さらに、自分や同乗者のけがを補償する人身傷害保険や搭乗者傷害保険、自分の車の損害を補償する車両保険など、補償内容を自由に組み合わせることが可能です。
また、任意保険は事故対応やロードサービス、各種特典など、補償以外のサービスも充実しています。安心してカーライフを送るためには、自賠責保険とあわせて任意保険への加入が非常に重要です。

	自賠責保険	任意保険
自身への補償(けが・死亡)	×	⚪︎
自身への補償(車・モノ)	×	⚪︎
相手への補償(けが・死亡)	△(死傷のみ限度額あり)	⚪︎
相手への補償(車・モノ)	×	⚪︎
保険料	年齢・車種問わず一律	加入条件によって異なる

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等級制度について

自動車保険の等級制度は、ノンフリート等級別料率制度の略称で、契約者の事故歴に応じて保険料が割引・割増される仕組みです。等級は1等級から20等級までの20段階に分かれており、数が大きいほど保険料が安くなります。
初めて契約する場合は通常6等級からスタートするのが一般的です。1年間無事故であれば翌年は1等級上がり、割引率も高くなります。逆に、事故で保険を使うと等級が下がり、保険料が上がります。等級が高くなるほど保険料の割引率が大きくなるため、長期間無事故でいることが経済的負担の軽減につながるでしょう。
また、契約者の所有する自動車の総台数が10台以上の場合はフリート契約と呼ばれます。個人での契約はノンフリート契約の任意保険に加入します。

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任意保険加入の必要性

自動車の任意保険は、万が一の事故に備えるための保険です。自賠責保険では対人賠償しか補償されず、物損事故や自身・同乗者のけが、車両の損害には対応できません。そのため、多くのドライバーが経済的リスクを考慮し、任意保険に加入しています。
実際、損害保険料率算出機構のデータによると、2024年3月末時点で任意保険の普及率は75.5％に達しています。未加入の場合、高額な賠償責任を負うだけでなく、示談交渉も自力で行う必要があり、不利な条件を強いられるリスクもあります。安心してカーライフを楽しむためにも、任意保険への加入は非常に重要です。

任意保険にはどんな補償・特約やサービスが含まれる？

事故により多額の賠償金を支払うことになってしまったり、自身や相手のけがの治療費が必要になったりと車の運転にはリスクがつきものです。リスクをカバーするための任意保険について、ここでは、どのような補償・特約・サービスがあるのか見ていきましょう。

任意保険で受けられる補償・特約

任意保険で受けられる補償は主に以下の4つです。

補償	内容
対人賠償保険	他人を死傷させた場合の賠償を補償 自賠責保険の上限を超える部分もカバー
対物賠償保険	他人の車や建物など物への損害を補償 高額な物損事故にも対応
人身傷害補償保険	契約車両搭乗中や歩行中の事故による自分や同乗者のけが・死亡を補償
車両保険	自分の車の事故・盗難・自然災害などによる損害を補償

上記の補償に加え、特約を付けて補償の内容を充実させられます。必要に応じて特約を選び、自分に合った手厚い補償にカスタマイズしましょう。

特約	内容
弁護士費用特約	事故時の弁護士相談・訴訟費用などを補償
ファミリーバイク特約	原付バイク事故での補償を追加
他車運転特約	他人の車を運転中の事故も補償
日常生活賠償特約	自動車以外の日常生活での賠償責任も補償
対物超過特約	相手車両の修理費が時価額を超えた場合の超過分も補償

保険のプランによっては、任意保険で受けられる4つの補償に加え、自動で付帯されているものもあります。なお、特約をつけるほどに保険料は高くなるため、必要かどうかをきちんと検討することが大切です。

任意保険で受けられる主なサービスは？

任意保険に加入すると主に以下のようなサービスが受けられます。

保険によって受けられるサービスが異なるため、基本を押さえておき必要なものを厳選するようにしましょう。

事故対応サービス

事故対応サービスとは、交通事故が起きたときに保険会社がすぐにサポートしてくれるサービスです。事故現場でどうしたらいいか分からないとき、電話やLINEなどから相談ができます。多くの保険会社が24時間365日いつでも対応してくれます。
保険会社の担当者が相手方との示談交渉や修理工場の手配、病院への連絡、保険金の手続きまでしっかりサポートしてくれるので、初めて事故に遭った場合でも安心です。難しい交渉や書類のやりとりもプロが対応してくれるため、精神的な負担が減ります。自分一人では対応が難しい場面でも、事故対応サービスがあれば心強い味方になるでしょう。

ロードサービス

ロードサービスは、車が故障したり事故で動かなくなったときに、保険会社が手配してくれる救援サービスです。バッテリーが上がってエンジンがかからないときや、タイヤがパンクしたとき、鍵を車内に閉じ込めてしまったときなど、さまざまなトラブルに対応しています。
また、ガス欠で動けなくなった場合は燃料を届けてくれたり、車が動かせない場合はレッカー車で修理工場まで運んでくれたりします。旅行先や夜間でも連絡一本で駆けつけてくれるので、困ったときにとても頼りになるサービスです。保険会社によってサービスの範囲が異なるため、ライフスタイルに合わせて選択すると良いでしょう。

特典や優待サービス

自動車保険には、事故や故障時以外にも利用できる特典や優待サービスが付いていることがあります。提携しているガソリンスタンドでの給油の割引や、レンタカーやホテルの利用料金が安くなる会員特典などです。
また、テーマパークやレストランでの割引、カー用品の購入特典など、日常生活やレジャーでお得に使えるサービスもそろっています。保険選びの際は、こうした付帯サービスも比較してみるとよりメリットを感じるでしょう。

任意保険の選び方

自賠責保険だけではカバーしきれない損害やリスクに備えるために重要な任意保険は、さまざまなタイプがあります。では、どのように選んだらよいのでしょうか？
自分に合った自賠責保険を見つけるためには、いくつかのポイントを抑えておく必要があります。

代理店型かダイレクト型を選ぶ

任意保険には、保険代理店を通して加入する「代理店型」とインターネットを通して直接加入する「ダイレクト型」の2種類があります。ここでは、2つの違いをメリットやデメリットを通して解説します。自分に合っているのはどちらなのかを把握するのに、参考にしてください。

	代理店型	ダイレクト型
契約方法	保険会社の代理店を通して加入する	インターネットや電話で保険会社と直接契約する
保険料	ダイレクト型と比べて手数料などが発生するため、高くなる	代理店を通さないため安くなる
補償内容の決定	担当者に相談しながら決める	自分で決める
事故対応	保険会社もしくは担当者とやりとり	保険会社と直接やりとりする

代理店のメリット・デメリット

代理店型の自動車保険は、ディーラーや保険仲介業者などの保険代理店を通して対面で契約をする保険です。保険について詳しいスタッフと相談をしながら、適切な保険を選べます。そのため、専門的な知識がない方でも、自分に適した保険を選ぶことができるでしょう。手続きやトラブルの際も担当者がサポートしてくれる安心感がメリットです。
一方、代理店型の保険料はダイレクト型と比較すると保険料が高いというデメリットがあります。店舗維持費や人件費を踏まえて、ダイレクト型の保険より10〜30％高い傾向です。

ダイレクト型のメリット・デメリット

ダイレクト型の1番のメリットは低価格なところです。インターネットで直接契約を交わすため、人件費や店舗維持費といった中間コストがかからない分、保険料が安くなります。加えて、スマートフォンやパソコンがあれば、いつでもどこでも加入できる手軽さもあります。時間や場所を選ばないため、忙しい方にぴったりです。
ただし、ダイレクト型は保険に詳しいスタッフとのやりとりが少なく、自分で適切なプランを選ぶ必要があります。知識がないと必要以上のプランを選んでしまったり、つけるべき保険をつけ忘れたりする可能性があります。ダイレクト型のなかには、AIとのチャットや専任サポーターと電話でプランを決める方法もあるため、プラン選びに迷ったら活用するのも良いでしょう。

ライフスタイルや環境に合わせたプランを検討する

任意保険を選ぶ際は、自分のライフスタイルや車の利用環境に合わせたプラン選びが重要です。例えば、通勤やレジャーなどで頻繁に運転する方や長距離を運転する方は、事故や故障時に備えたロードサービス特約や代車費用特約が役立ちます。
家族や子どもを乗せる機会が多い場合は、同乗者の補償が手厚いプランを選ぶと安心です。また、使用頻度が少ない方は走行距離に応じた保険料設定を活用することで、コストを抑えられます。
家族が増えるときや使用目的が変わる場合などは、保険を見直すタイミングです。警視庁の統計によれば2024年度の交通事故発生件数は290,895回です。自身や家族を守るためにも、必要な補償を厳選し、無駄なく自分に合った保険を選びましょう。

補償以外のサービス内容も要チェック！

任意保険を選ぶ際は、補償内容だけでなく、付帯するサービス内容も必ず確認しましょう。多くの保険会社では、24時間365日の事故受付や現場急行サービス、レッカー無料搬送、宿泊・帰宅費用のサポートなど、万が一の際に役立つサービスが充実しています。
ただし、保険会社によってロードサービスの対応範囲や事後発生時のサービス内容は異なるため、いざというときのためにどのようなサービスが必要か厳選しましょう。また、事故対応の満足度やサポート体制は、実際の利用者の口コミやランキングも参考に比較することが大切です。

保険料を複数社で見積もり比較をする

任意保険に加入する際は、複数社の見積もりを比較して検討しましょう。保険会社によって、同じ補償内容であっても価格に差がでます。さらに、所有している車の年式や走行距離や運転者の年齢などの条件によって保険料の相場は異なります。複数社で見積もりをすると、保険料の相場がつかみやすくなり、より適切な保険を選ぶ目安になるでしょう。
なお、一括見積サービスを利用すれば、一度の入力で複数社の見積もりを取り比較検討ができます。オンラインからいつでも行えるため、忙しい方にぴったりです。最適なプランを見つけることで、年間数万円の保険料を節約できたケースもあります。

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この記事では、任意保険について解説しました。任意保険は、法律で加入が義務付けられている自賠責保険ではカバーしきれないリスクを補うための保険です。自賠責保険は対人賠償のみが対象で、補償額にも上限があるため、物損事故や自分・同乗者のけが、車両の損害などは補償されません。また、任意保険の加入は「対人賠償」「対物賠償」「人身傷害」「車両保険」の4つの基本補償に加え、特約で必要な補償を追加できます。
任意保険を選ぶ際は、複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容や保険料、サービスの違いを比較することが大切です。自分に最適なプランを選び、安心してカーライフを送りましょう。