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オペルとの開発がスズキのクルマの走行性能に劇的な進化を与えた スイフトスポーツを始めとするスズキの走りの源流はスプラッシュにあった!

  • 2018/09/04
  • MotorFan編集部 石川 亮平
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2008年に発売されたスズキ・スプラッシュ

スズキ・スプラッシュというコンパクトカーを覚えているだろうか? やや地味な印象のAセグメントモデルだったが、その走りは爽快感極まる素晴らしいものだった。実は現在のスズキの走りの良さは、スプラッシュの開発によって培われたと聞いたら、信じてもらえるだろうか。

 スズキの走りの原点はスプラッシュにあった! このように書くと、まずスプラッシュってなんだ? と言われそうだ。スプラッシュはハンガリーのマジャールスズキ社が製造し、2008年10月に日本で発売されたAセグメントのコンパクトカーである。二代目スイフトのプラットフォームを採用し、1.2Lエンジン+CVTを組み合わせた実用的なコンパクトモデルだった。スタイリッシュなスタイリングだったが、知名度はいまひとつ。月間目標台数も500台と控えめな扱いで、2014年8月にひっそりと販売を終了している。

楕円形をモチーフとしたシンプルなインパネデザインを採用していた。
アップライトなシートポジションを採用したことで2列目の見晴らしも良好だった。

 というように、やや影の薄いクルマであったが、その走りは一級品だった。当時スズキの経営には2008年までGMが資本参加しており、実はスプラッシュの開発にはGM傘下のオペルも携わっていたという。ちなみにオペルからはOEMモデルの「アギーラ」という車名で販売されていた。
 
 当時スズキの開発者から聞いた話だが、スプラッシュの足まわりの開発において、オペルからの性能要件は相当厳しいものだったという。小型車でありながら、圧倒的なスタビリティ、高速安定性、快適な乗り心地、NVHなど、オペル側の要求する性能値を満たすため、スズキのテストドライバーと開発者は相当な努力を求められた。その結果、スプラッシュは当時の日本製コンパクトカーでは得られない爽快な走りと快適な乗り心地、下りであればスポーツカーさえもカモれる性能を手に入れたのである。このオペルとの共同開発はスズキに大きな宝物をもたらせた。欧州車に負けない足まわりのセッティングやボディ剛性などの膨大なノウハウをスズキは得たのである。

スプラッシュの走りのノウハウが生かされた2代目スイフトスポーツ。
こちらも走りが好評を得ているイグニス。

 その後、スズキが発売するクルマの走りが軒並み好評なのが、スプラッシュでの経験があったからであろう。二〜三代目スイフトスポーツ、イグニス、ワゴンR、アルトワークス…etc。欧州仕込みの走りの原点はこんなところにあったのだ。

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