だがフル装備時の価格は350万円弱 〈試乗記:日産ノートe-POWERニスモS〉走る・曲がる・止まる+運転支援のすべてが丁度良い塩梅。25%増しのパワー・トルクで操る喜びもさらにアップ!
- 2019/06/03
-
遠藤正賢
2018年度の登録車No.1の座を獲得するなど日産の国内販売を支えるBセグメント5ドアハッチ「ノート」。そしてモータースポーツ直系コンプリートカー「ニスモ」の大黒柱にもなっているシリーズハイブリッド「e-POWER」搭載車に2018年9月、高性能バージョン「ニスモS」が追加された。この最新の電動ホットハッチに、神奈川県・東京都・埼玉県内の首都高速道路および一般道で試乗した。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu)
PHOTO●遠藤正賢/日産自動車
ノートには従来、HR12DDR型エンジン搭載車をベースに内外装とボディ・シャシーを強化した「ニスモ」と、専用チューンのHR16DEエンジンを心臓部とする「ニスモS」、e-POWER搭載車に「ニスモ」と同様のチューニングを施した「e-POWERニスモ」の計3種類が設定されていた。
そこに昨年9月、第四のモデルとして「e-POWERニスモS」が追加されたのだが、従来の「e-POWERニスモ」に対する変更点は、パワー・トルクともアップし、新規の走行モード2種類が設定されたパワートレインに集約される。つまり、空力やボディ・シャシーの強化メニューは「e-POWERニスモ」とまったく変わらない。
EM57型モーターの最高回転数を10000rpmから11000rpmに高め、インバーターの内部素子を強化。VCM(車両コンピューター)および駆動用リチウムイオンバッテリーコンピューターも専用チューニングとすることで、最高出力を109psから136ps、最大トルクを254Nmから320Nmへと、それぞれ25%以上増強した。
発電機として用いられるHR12DE型直列3気筒エンジンも同様に、最高回転数を5400rpmから6000rpmに高めることで、最高出力を3kW高い61kWへとアップ。これらの性能向上に対応するため、減速機のベアリングも強化している。
以上の変更内容は端的に言えばセレナe-POWERのユニットを移植したこととほぼ同義なのだが、ノートe-POWERニスモSでは新たに、アクセルオフ時の回生ブレーキを強める「B」レンジ走行時にも、スポーツ走行向けにアクセルオン/オフに対する加減速を最大限強めた「S」モードと、低μ路向けに加速レスポンスを最も弱くした「ECO」モードを設定。
Sモード&Bレンジではさらに、エンジンが極力停止しないよう制御することでアクセルオン時の加速レスポンスを最大限確保しながら、アクセルオフ時の回生量も最大とすることで発電量を強化する制御を新たに採用した。
車重1700kg超に及ぶセレナで過不足ない性能を持つこのハイブリッドパワートレインを、1200kg前後のノートに移植した効果は絶大で、ノーマルでも充分以上の加速性能が、ノートe-POWERニスモSではさらに上乗せされ、それが加減速のコントロール性をより一層高める効果につながっている。
発進したその瞬間から最大トルク320Nmを発生する(実際には電子制御でごく初期の過渡特性がマイルドにされているが)うえ変速もなくシームレスに加速していくモーターだから、というのは当然だが、高い速度域でも加速が頭打ちにならないのが、ノートe-POWERニスモSならではの美点。25%ものパワー&トルクアップは伊達ではなく、その恩恵は誰もが体感できるものだった。
また、アクセル操作のみでの減速・停止を可能にした回生ブレーキも、Sモード&Bレンジの際は他のモードの最大0.15Gに対し強められている(数値は非公表)というが、リーフがe-Pedalオンの時に発生する最大減速度0.2Gよりは弱めの、流れに沿って走行するうえでは丁度良い塩梅。
そして、回生協調ブレーキを採用したため、e-Pedalオンではアクセルオフ後にブレーキペダルを踏んでも0.2Gを超える領域まで深く踏み込まなければ減速力が上乗せされないリーフに対し、ノートのフットブレーキは単純にメカニカルブレーキのみをコントロールする仕様になっている。そのため、リーフのようにブレーキペダルを踏んだ直後の空走感に恐怖することもなかった。
- 1/2
- 次へ
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
自動車業界 特選求人情報|Motor-FanTechキャリア
日産車のエンジンやマニュアルトランスミッションを製造する日産グループの中核企業
生産技術
年収
400万円〜700万円
勤務地 三重県松阪市松阪工場へ配属予定です。
この求人を詳しく見る
トヨタバッテリー株式会社
分析・解析<電池材料・部材>
年収
480万円〜880万円
勤務地 静岡県湖西市岡崎20番地,静岡県湖西市...
この求人を詳しく見る
日産車のエンジンやマニュアルトランスミッションを製造する日産グループの中核企業 生産技術
年収 | 400万円〜700万円 |
---|---|
勤務地 | 三重県松阪市松阪工場へ配属予定です。 |
トヨタバッテリー株式会社 分析・解析<電池材料・部材>
年収 | 480万円〜880万円 |
---|---|
勤務地 | 静岡県湖西市岡崎20番地,静岡県湖西市... |
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
日産 ノート
1.2 X ナビ・プロパイロット・LEDヘッドライト
中古価格 214.3万円
日産 ノート
1.2 X ナビ AVM ETC2.0 ドラレコ 衝突安全ブレーキ 360°カメラ TVナビ レー...
中古価格 219万円
日産 ノート
1.2 X ナビ ドラレコ ETC AVM LED 衝突安全ブレーキ 360°カメラ TVナビ 車...
中古価格 221.1万円
日産 ノート
X 純正大型ナビ(Bluetooth&レコーダーリンク)★バツクモニター★LEDライト★ハイビームア...
中古価格 223.5万円
日産 ノート
X 純正大型ナビ(Bluetooth&レコーダーリンク)★バツクモニター★LEDライト★ハイビームア...
中古価格 228.6万円
日産 ノート
1.2 X NissanConnectナビ アラウンドM 衝突安全ブレーキ 360°カメラ TVナ...
中古価格 231.2万円