Impression from Editor's room VW ARTEON TSI 4MOTION Elegance アルテオンの放つ妖艶さ、549万~の価格は高コストパフォーマンスなのか?
- 2019/07/03
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MotorFan編集部 鈴木慎一
VWのフラッグシップたる最上級のアルテオンのセールスが好調だ。2018年10月に登場した新グレード「Elegance」に試乗してみた。長距離試乗で、売れている理由を探る。
TEXT&PHOTO◎鈴木慎一(SUZUKI Shin-ichi)
フラッグシップとは、いうまでもなく旗艦である。艦隊の司令官が座乗する艦ということだ。かつては戦闘能力に優れた戦艦がその任に当たっていたが、現在は戦闘能力より指揮・通信能力が重視されるらしく、すでに旗艦に求められる能力は後方の陸上にあるそうだ。
なんて小噺は置いておいて、VWブランドの最上級モデルという意味でのフラッグシップは、かつてはパサートCC、そしてフォルクスワーゲンCC、そして現行のアルテオンとつながる。日本ではパサートCCもフォルクスワーゲンCCも販売的に成功を収めたとはいいにくい。しかし、最新モデルのアルテオンは、目標以上に「売れている」という。その理由を探るべく試乗した。
選んだグレードは2018年秋に追加された「Elegance」。
当初はよりスポーティなRライン4モーションアドバンス(599万円)とベーシックなRライン4モーション(549万円)でスタートしたが、Rラインより落ち着いて上品なスタイル、そして内外装を選ぶことのできるEleganceが追加になったのだ。
EleganceはRライン4モーションアドバンスと同じく599万円だ。アルテオンのセールスの特徴は、上級グレードの方が売れる、ということだそう。メーカー、インポーターにとってはうれしいモデルだろう。
そのアルテオンだが、欧州ではガソリンエンジン(150ps)を積むFFモデルや2.0ℓディーゼルを搭載するモデルも設定があるが、国内に導入しているのは、ガソリンの最上級モデル(280psでAWD)だけだ。Eleganceの599万円は、実質日本で買えるVWのもっとも高価なクルマである。
高価なだけでなく、もっとも大きなモデルでもある。
パサート(全長4785mm)、シャラン(4855mm)よりも長い全長×全幅×全高:4865×1875×1435mmという堂々とした体躯である。
アルテオンの最初の試乗会での印象は、「フォルクワーゲンなのに(失礼!)スマートでかっこいいな。ちょっと妖しいし」というものだった。夕暮れ時に走り去るゴールドのボディカラーのアルテオンは大層素敵に見えた。乗り込んでみると、アンビエントライト(もちろんカラーはいろいろ変えられる)も妖しいムードを演出していて、好印象だった。
「怪しい」ではなく「妖しい」雰囲気を纏うフォルクワーゲンがどう受け入れらるかに注目していたのだが、予想どおり、一定以上の支持を受けたということだろう。
これまで謹厳実直、質実剛健、合理的な思考と行動してきた人が、功成り名遂げて収入も増えたときに、急にアルファ ロメオだのジャガーだのを選ぶのは抵抗があるだろう。うまくやらないと、「なんだかちょっと怪しい」と思われてしまう。ところが、アルテオンなら「ちょっと妖しくて素敵」を演出できそうだ。強力な2.0ℓ直噴ターボエンジン、最新のハルデックスカップリングを使うAWDシステム、4ドアクーペみたいに見えるけれど使いやすく巨大なラゲッジスペース、スムーズさに定評のある7速湿式DCT……と、選ぶ理由には事欠かない。
自信をもって「ちょっと妖しい」を選べるのだ。パサートCCやフォルクワーゲンCCでは、こうはいかなかった。(何度も「妖しい」と書いているけれど、これ、本当に褒め言葉です。なかなかその境地にいけませんから)
しかも、価格もリーズナブル。VWではもっとも高いけれど、ライバルはもっとプライスタグが重いのだ。
アウディA5スポーツバックはFFのエントリーモデルこそ546万円だが、AWDであるクワトロになると675万円。エンジンパワーも252psに過ぎない。
BMW 420iグランクーペはFRで606万円。AWDなら636万円だ。しかもエンジンはアルテオンほど強力ではない。
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