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【海外試乗:メルセデスAMG A45 & CLA45】世界最強の2.0リッタースポーツは震えるほど面白い!

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ベースモデルのフルチェンジに伴って、新型となったメルセデスAMG A45&CLA 45シリーズ。注目のポイントは沢山あるけれども、抑えておくべきは3点だ。分かりやすいのはエクステリアデザインで、次に肝心カナメのエンジン&トランスミッション、そして今回さらに重要な役割を担っているのが4WD駆動システム(特にリヤアクスルまわり)、である。スペインはハラマで開催された国際試乗会からレポートする。

REPORT●西川 淳(NISHIKAWA Jun)

スペインのハラマサーキットを疾走するメルセデスAMG A45 S。

“世界最強2.0L” 421psのM139型エンジン

 まずスタイリングに関しては写真を見てもらえばもう一目瞭然で、先に発表されたAMG A35とはまるで違ったツラ構えを見せる。特にグリルのデザインと前フェンダーの膨らみが凄まじい。CLA45も同様だが、そもそもノーマルモデルでも前トレッドの広いCLA45ではフェンダーの膨らみはA45ほど強調されていない。いずれも最新のAMGテイストでまとめられており、A45とCLA45とでもバンパーまわりのデザインが違っている。

 次にエンジン。AMG35用がノーマルシリーズに積まれたM260型2.0L直4ターボのパワーアップ版であったのに対し、AMG45用には新開発のアファルターバッハ御謹製M139型を用意した。このM139型、ボア×ストローク(83mm×92mm)に関していえば、M260型はもちろん、前世代のM270型や旧AMG45用のM133型とも同じ、けれども、中身やシステムはまるで別物。内容を見ればAMG63用現行4.0L V8エンジン「M178型」の半分、に近い。

 スペックは2種類。45S用が最高出力421ps&最大トルク500Nmで2.0Lエンジン世界最強となった。45用でも387ps&500Nmで、それでも先代AMG45用M133型より、パワー、トルクともに引き上げられている。ただし日本市場へは45Sのみの導入になる予定だという。

 このスペックを得るために、メルセデスAMGのエンジニアは大型ボールベアリングターボチャージャーと燃料デュアル噴射(直噴+ポート噴射)の採用という、割とシンプルな手法を採った(もちろん、それ以外にも沢山の技術的積み重ねがあった)。

 ただし工夫も必要だった。AMG35やノーマルモデルと同様にノーズ側へ大型のタービンを配置しようとすると新型Aクラスの低いノーズに収まらない。かといってノーズをむやみに高くしたくない。そこで、AMG35の補機類配置を180度回転させ、タービンをフロントバルクヘッド側に持っていくことを思いつく。

 熱対策が問題となったが、空気の採り入れ方を工夫することで解決し、むしろ以前より効果的なインテーク側およびエキゾースト側へのエアフローを確保。重量バランス的にもプラスに作用した。コペルニクス的転回、と言わないまでも、結果的にはAMGらしい解決策だったと言っていい。

 組み合わされたトランスミッションもまた新開発のAMGスピードシフトDCTの8G(8速)である。

 最後に4WD駆動システム。メルセデスの4マチックシステムそのものは変わらないが、AMGトルクコントロール(=左右のドライブシャフト上に電子制御多板クラッチ)を備えたリアアクスルを新たに採用している。

 AMGパフォーマンス4マチックは基本的にFF状態(前100:後0)から、フロント〜50、リア〜50の割合まで連続的に駆動力を配分している。AMGトルクコントロールとは、リアへの配分(最大50分)をさらに左右輪に向けてアクティヴに各々0:100まで分割伝達するというもの。たとえばタイトベントでは外側の後輪により多くのトルクを配分すればより素早く内側へと切り込んでいける、というわけだ。さらに積極的に活用すれば、4WDドリフトも比較的容易にできる。

 そう、新型AMG45には流行りのドリフトモード(Sに標準装備、AMGダイナミックプラスパッケージにも装備)も用意されていた。ドライブモードをレースにセットし、ESPを解除、手動のギアシフトを選んで、左右両パドルを同時に引けば、いわゆるドリフトモードに入る。

 これだけのハイパワー&ビッグトルクを与えたからには当然、ボディの補強も徹底された。エンジン真下に巨大なアルミニウム製補強プレートを入れたほか、ダイアゴナルストラットやストラットタワーバー、ショットガン、などなど床面やメンバーにも念入りな補強が施されている。

 国際試乗会はマドリード近郊のハラマサーキットを起点に行なわれた。

 サーキットに到着するなり、XLサイズのヘルメットを被って派手なイエローのA45S 4マチック+に乗りこむ。

 インテリアの印象はA35のそれとさほど変わらない。専用のディスプレイ(三種類のモードがある)やS標準のパフォーマンスステアリング(ドライブモード選択機能付き)、本格レザーバケットシートが目立っている。

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