トヨタ・スープラSZ-R:乗り込んで気づくこと。エンジン始動前に感じること。そこに「GRのオーラ」はあるか?
- 2020/04/09
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世良耕太
トヨタ・スープラSZ-Rは、2.0ℓ直4ターボを積んでモデルで、3.0ℓ直6ターボ(RZ)と過給圧違いの2.0ℓ直4ターボ(SZ)の間にあたるグレードだ。トヨタとBMWの合作とも言えるFRスポーツ、スープラをモータリングライターの世良耕太が試乗した。
TEXT&PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)
せ、狭い……。室内が、ではなく、フロントウインドウが
地下駐車場の箱にバックで止まっている状態がスープラとの初対面だったので、長いノーズが真っ先に目に入り、そこそこのボリューム感を感じた。が、寸法を調べて見ると全長は4380mmで、カローラ・スポーツ(全長4375mm)と同等だ。さすがに全長は低く(カローラ・スポーツの1460mmに対してスープラは1295mm)、もぐり込むようにして車内に体を入れる。
ドライバーズシートに腰を下ろし、前方に目をやってたまげた。せ、狭い……。室内が、ではなく、フロントウインドウが。天地が狭く、まるで覗き穴から外を見ているようだ。あんまり狭さが印象的だったので測ってみたところ、天井からステアリングのトップまでが18cm、ルームミラーの下端からセンターディスプレイの上端までは10cmだった。ちなみに、VWゴルフ7は天井からステアリングのトップまで25cmである。
ルームミラー〜センターディスプレイ間は「隙間」と呼びたくなるような間隔だが、それで視界が不十分かというとそんなことはなく、ただ独特の視界に感動を覚えるのみだ。ダッシュボードは高く、着座位置は低くて、穴蔵にもぐり込んだようである。ステアリングはチルト&テレスコピック機構を備えており、自分がちょうどいいと感じる位置にステアリングホイールを置くことができた。試乗車は2.0ℓ直4ターボを積んだSZ-Rだったが、シートのスライドとリクライニングは電動で、前後位置、角度ともに、思うように調整ができる。
地下駐車場から表に出、歩道を横切って公道に出るためウインカーレバーを倒した。つもりだったが動いたのはワイパーだった。「普段輸入車に乗っているもんで」と、無意識に左側のレバーを倒したわけではない。倒したのは確かに右側のレバーだ。そうか、操作系はベースとなっているBMW Z4を受け継いでいるのだろうと想像した(予習するつもりで『新型スープラのすべて』を買ったが、充分な予習せず乗り込んだ。そして、満足に復習もしていない……)。
ATのセレクトレバーやコマンダーダイヤルの操作系を触ってみるに、これらもトヨタではなく、BMW M4のメソッドを受け継いでいるように感じる。トヨタ車であることはほとんど伝わってこない。目から入る情報や手足を含めて体で感じる情報からは、質が高く、しっかりしたクルマであることを感じるのみだ。
「いや、待てよ。これGRじゃなかったっけ?」と思ってステアリングホイールの中央を見たら、見覚えのあるトヨタのバッジが張り付けてある。こうなったら気になって仕方がない。クルマを駐車場に止めて前に回り込み、ノーズの先端にあるバッジを確かめてみることにした。
張り付けてあったのは、トヨタのバッジだった。「AMGはどうだったっけ?」と疑問に思ってパソコンを広げて調べてみると、フロントグリルにはスリーポインテッドスターが堂々と居座っていた。ステアリングホイールの中央にもスリーポインテッドスターが鎮座していたが、スポークの下辺にはAMGのロゴがあって、「スープラに足りないのはこれ?」と一瞬思ったが、そうじゃない。
AMGは佇まいで、「ひょっとしたらこのクルマ、AMGかも」と思わせるオーラを漂わせている。スープラには、「これGRかも」と思わせる仕掛けもムードも欠けている。GRヤリスの登場以来、GRのイメージを牽引しているのは、WRC参戦の知見を生かした小さなスーパースポーツだ。このクルマはほっぺたを鉄の爪で引っかいた痕のようなバンパーコーナー部を持っており、C-HR GR SPORTも同様の意匠を備えている。スープラは、こうしたわかりやすい特徴も備えていない。
血まなこになって(誇張です)GRの文字を探したら、リヤのナンバープレート脇にバッジが張り付けてあるのを発見した。よかった。これで安心して運転席に戻れる。いずれにしても、スープラを眺めてGRファミリーの一員と認識するのは難しい。
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