マツダ SKYACTIV-XとSKYACTIV-D1.8をアップデートしたMAZDA3を発表 Xは最高出力180ps→190psへ 既存ユーザーもアップデート検討中
- 2020/11/19
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MotorFan編集部
マツダは、2019年5月に発売したMAZDA3の商品改良を行なった。改良点は多岐にわたるが、注目はSKYACTIV-XとSKYACTIV-D1.8のアップデートだ。このアップデートはハードウェアの変更ではなくソフトウェアの変更で行なわれた。SKYACTIV-Xについては、既存のユーザーへの無償アップデートも検討中だという。
SKYACTIV-Xのアップデート
MAZDA3でデビューしたSKYACTIV-Xエンジンは、「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」という画期的な燃焼方式を採用した極めて先進的なエンジンである。
従来型と新型のスペックの違いは下の表の通りだ。
今回の改良は、ハードウェアの変更ではなくソフトウェアのアップデートによって行なわれたことに注目したい。「制御技術によるハードウェアの価値の進化」とマツダは説明する。
今回の改良のテーマは「自在感」だという。
そのため、「予測」「制御」技術を緻密化(高精度化)」させて狙いの燃焼の実現を目指した。
予測については、気筒毎の空気・燃料・混合気状態を予測し、狙いの燃焼を実現する技術の緻密化→燃焼コントロール
制御については、アクセルの踏み方でドライバーの意図を予測する制御技術の緻密化→出力コントロール
ということだ。EGRの推定制御の精度を高め、従来型より多くの空気をシリンダーに加え、トルクと出力を向上させた。これは、マツダが高応答エアサプライと呼ぶ機械式スーパーチャージャーの過給圧を上げた、という意味なのだろう。
また、シリンダープレッシャーセンサーによる燃焼フィードバック制御の精度を高め、応答性を向上させたという。予測についてもドライバーのアクセルペダルの踏み込み方(量やスピード)でドライバーの意図をよりきめやかに適切に予測し、より速やかに過給する。さらにトランスミッションとも協調し、より速く変速(つまり変速スピードが上がった)するようにして、加速性能を向上させた。
内燃機関超基礎講座 | マツダのSKYACTIV-Xがアップデート「SPIRIT 1.1」へ 10ps/16Nmアップ!搭載モデルユーザーも無償アップデートを検討中
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ソフトウェアのアップデートによって性能を向上させたのが今回のSKYACTIV-Xの進化のポイントだ。ハードウェアの変更はないので、既存のユーザーもソフトウェアのアップデートによって今回の改良の恩恵を受けられる。
マツダは、今回のSKYACTIV-Xのソフトウェアのアップデートを既存ユーザーに対して無償で行なうことを検討している。出力や燃費性能が変わるので国交大臣の許可が必要になるが、現在関係当局と交渉中とのことだ。
新SKYACTIV-X搭載のMAZDA3の燃費データは、未公表だ。
SKYACTIV-D1.8の進化
Xの進化とともに、SKYACTIV-D1.8もソフトウェアのアップデートによって性能を向上させている。
最高出力が116ps/4000rpm→130ps/4000rpmへと向上した。最大トルクは270Nmで変更はない。SKYACTIV-Dは燃料噴射制御の最適化によって出力を向上させ、高回転まで力強さを持続したという。アクセルの踏み方に応じたEGRの緻密な制御によって応答性を向上させて思い通りの加速を実現した。
SKYACTIV-Dについて現在のところ、既存ユーザーへのソフトウェアのアップデートの提供は行なわない方針だ。
シャシーの進化
シャシー系ではサスペンションのスプリングの特性の変更、ダンパーの減衰特性変更、フロントバンプストッパーの特性変更などで車両応答の質感を向上させた。当初「硬い」と言われた乗り心地の改善のためもあるだろうが、開発陣によれば「当初フラット感が足りないという課題があった。CX-30やMX-30で得られた知見をフィードバックしてしっかりフラットに走るように改良した」とのこと。
ボディ系の変更はない。
今回の改良でSKYACTIV-G2.0搭載モデルで6速MTが選べるようになったのもニュースだ。
また、追従走行機能とステアリングアシスト機能により、高速道路や自動車専用道路の渋滞時等に運転疲労軽減をサポートするCTS(クルージング&トラフィック・サポート)の作動上限車速を55km/hから高速域まで引き上げている。
MAZDA3 FASTBACKの価格はエンジンがアップデートされた
SKYACTIV-X搭載グレード
X PROACTIVE 2WDで319万8148円(改良前も同価格)
SKYACTIV-D1.8搭載グレード
XD PROACTIVE 2WD 279万741円(改良前も同価格)
で価格変更はない。
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