超低全高パッケージと基本メカニズムの多くを三代目より継承 【コスパ抜群! 一世代前の狙い目モデル】四代目ホンダ・オデッセイ(RB3・4)…スポーティな走りを徹底的に追求したミドルラージミニバン
- 2020/12/31
-
遠藤正賢
中古車は世代が古く低年式なモデルほどお買い得かと言えばさにあらず。生産終了から年月が経つにつれ残存台数が減り、希少価値が上がることで相場が高騰することは珍しくない。
また本体価格が安かったとしても程度の良い個体が少ない、あるいは部品代が高いどころか一部の重要保安部品が生産終了していて入手困難なため維持そのものが困難、というケースも多々見られる。
そこで狙い目なのが、流通台数が多く故障や部品の心配も少ない、また燃費を含めた動力性能や安全性能の面でも大きく見劣りしないためコストパフォーマンス抜群な、現在新車販売されている世代よりも一つ前のモデルだ。
今回は、2008年10月に国内デビューしたホンダのミドルラージミニバン「オデッセイ」の四代目をご紹介しよう。
TEXT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●本田技研工業
1990年代初頭のホンダはバブル経済崩壊後のRVブームに乗り遅れたことで危急存亡の秋を迎えていた。だが、アコードのプラットフォームと生産設備を流用しなければならない大きな制約の中で開発され、低めの全高とヒンジドアを持つ乗用車感覚のミニバンとして1994年に生を受けた初代オデッセイが大ヒットとなり、ホンダ自身を窮地から脱出させる救世主となった。
1999年デビューの二代目はボディ・シャシー性能を大幅に引き上げ、2001年のマイナーチェンジでスポーティモデルの「アブソルート」を追加。2003年デビューの三代目はプラットフォーム・パワートレーンとも一新し、FF車の全高を立体駐車場に入庫可能な1550mmに抑えることで、スポーティな性格をより一層強めていった。
そして2008年10月に発売された四代目オデッセイは、三代目の正常進化版と言えるもので、プラットフォームおよびパワートレーン、超低全高パッケージなどの基本設計は変わらず。だがAピラーの細径化、リヤドア上部開口部の拡大、2列目シート下・バック形状の変更による3列目の空間拡大などで、超低全高パッケージとトレードオフになっていた視界と乗降性、居住性が細部にわたり改善されている。
エンジンは標準仕様がレギュラーガソリン対応、「アブソルート」がハイオクガソリン指定のK24A型2.4L直4NAで、組み合わされるトランスミッションは標準仕様のFF車がCVT、それ以外が5速ATという点も変わらない。だが標準仕様のK24Aは173ps/6000rpm&222Nm/4300rpm、「アブソルート」用は206ps(4WD車は204ps)/7000rpm&232Nm(同230Nm)/4300rpmに、いずれも性能がアップ。ボディ・シャシー剛性も全面的に強化された。
では、そんな四代目オデッセイがどのように進化していったのか、モデルの変遷を以下に記す(価格はいずれも発表時点のもの(当時の税率における消費税込み))。
【2008年10月16日発表、10月17日発売】フルモデルチェンジ
グレード構成および価格は下記の通り。
M(FF・CVT/4WD・5AT)…259万円/284万円
L(FF・CVT/4WD・5AT)…291万円/314万円
Li(FF・CVT/4WD・5AT)…338万円/361万円
アブソルート(FF・5AT/4WD・5AT)…289万円/314万円
【2009年9月3日発表、発売】一部改良
廉価グレード「M・ファインスピリット」を追加するともに、「アブソルート」のエアロパーツやフォグライト、本革巻ステアリングホイールおよび専用ブラック内装をパッケージオプションとした「エアロパッケージ」を「M・ファインスピリット」と「M」に設定。HDDインターナビやマルチビューカメラシステム、12セグ/ワンセグTVチューナーなどをパッケージオプション化した「マルチナビパッケージ」を全タイプに設定した。
また、「M」に16インチアルミホイールおよびコンフォートビューパッケージ(親水/ヒーテッドドアミラー+熱線入りフロントウインドウ+フロントドア撥水ガラス)、「アブソルート」にはコンフォートビューパッケージを標準装備している。
そのほか、全タイプに新ボディカラーのプレミアムナイトブルー・パール、「アブソルート」にチェスナットブラウン内装を設定。グレー内装のインパネ木目カラーを変更した。
グレード構成および価格は下記の通り。
M・ファインスピリット(FF・CVT/4WD・5AT)…239万円/264万円
M・ファインスピリットエアロパッケージ(FF・CVT/4WD・5AT)…249万円/274万円
M(FF・CVT/4WD・5AT)…265万円/288万円
M・エアロパッケージ(FF・CVT/4WD・5AT)…275万円/298万円
L(FF・CVT/4WD・5AT)…291万円/314万円
Li(FF・CVT/4WD・5AT)…338万円/361万円
アブソルート(FF・5AT/4WD・5AT)…291万円/314万円
【2011年10月6日発表、10月13日発売】マイナーチェンジ
全車でフロントグリルおよびリヤコンビランプのデザインを変更。さらにリヤコンビランプ左右をつなぐガーニッシュを追加することで、ワイド感を強調した。また、メーター内の照明色の変化でエコドライブ度をお知らせするコーチング照明+ECONスイッチ、全席3点式ELRシートベルト&ヘッドレスト、VSA(車両挙動安定化制御システム)を標準装備している。
そのほか、グレード構成を変更し、各グレードに下記の装備を採用している。
<M・S(FF・CVT/4WD・5AT)…242万円/267万1000円>
・グレージュ内装
<M(FF・CVT/4WD・5AT)…272万円/295万1000円>
・グレージュ内装
・スマートキー2個
・新デザイン16インチアルミホイール
<Mエアロパッケージ(FF・CVT/4WD・5AT)…276万円/299万1000円>
・ブラック内装
・新デザイン16インチアルミホイール(標準装備)
・パドルシフト
・新デザイン18インチアルミホイール(メーカーオプション)
<Li(FF・CVT/4WD・5AT)…412万500円/435万1500円>
・HDDインターナビ+リンクアップフリー
・グレージュ本革内装
・新デザイン16インチアルミホイール
・パドルシフト
<アブソルート(FF・5AT/4WD・5AT)…292万円/315万円>
・新デザイン18インチアルミホイール
・スモークタイプの専用リアコンビネーションランプ(LEDストップランプ&LEDテールランプ)
・専用リアライセンスガーニッシュ(ダーククロームメッキ)
・アブソルート専用ブラック内装
・ソフトウィーブ&グランスムースシート表皮
【2012年7月5日発表、発売】追加モデル
HDDインターナビ+リンクアップフリー、フロアカーペットマット、木目調リアドアパネルなどを標準装備した新グレード「MX」と、そのエアロ仕様で18インチアルミホイールを標準装備する「MX・エアロパッケージ」を追加した。グレード構成および価格は下記の通り。
M・S(FF・CVT/4WD・5AT)…242万円/267万1000円
M(FF・CVT/4WD・5AT)…272万円/295万1000円
M・エアロパッケージ(FF・CVT/4WD・5AT)…276万円/299万1000円
MX(FF・CVT)…292万円
MX・エアロパッケージ(FF・CVT)…306万円
Li(FF・CVT/4WD・5AT)…412万500円/435万1500円
アブソルート(FF・5AT/4WD・5AT)…292万円/315万円
■ホンダ・オデッセイ・アブソルート(FF)*2008年10月発表モデル
全長×全幅×全高:4800×1800×1545mm
ホイールベース:2830mm
車両重量:1630kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:cc
最高出力:151kW(206ps)/7000rpm
最大トルク:232Nm/4300rpm
トランスミッション:5速AT
サスペンション形式 前後:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ 前後:225/45R18 91W
乗車定員:7名
車両価格(当時):289万円
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
自動車業界 特選求人情報|Motor-FanTechキャリア
本田技研工業株式会社
電動車の車体設計<二輪/EV>
年収
400万円〜900万円
勤務地 埼玉県朝霞市泉水3-15-1
この求人を詳しく見る
日系完成車メーカー系列の社内ベンチャー
AIまちづくりに向けたモビリティ・ロボットのためのAI・制御技術開発<行動計画領域>
年収
561万円〜1200万円
勤務地 茨城県常総市,東京都千代田区勤務地希...
この求人を詳しく見る
本田技研工業株式会社 電動車の車体設計<二輪/EV>
年収 | 400万円〜900万円 |
---|---|
勤務地 | 埼玉県朝霞市泉水3-15-1 |
日系完成車メーカー系列の社内ベンチャー AIまちづくりに向けたモビリティ・ロボットのためのAI・制御技術開発<行動計画領域>
年収 | 561万円〜1200万円 |
---|---|
勤務地 | 茨城県常総市,東京都千代田区勤務地希... |
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
ホンダ オデッセイ
アブソルート 追突軽減ブレーキ アイドリングSTOP PWシート ベンチシート ワンオナ バック...
中古価格 328.8万円
ホンダ オデッセイ
アブソルート・ホンダセンシング ワンオーナー メモリーナビ ETC フルセグ リアカメラ 電動シ...
中古価格 239.9万円
ホンダ オデッセイ
G・エアロホンダセンシング ACCフルセグナビLEDヘッドRカメラETCサイドカーテンエアバッグ...
中古価格 246.9万円
ホンダ オデッセイ
アブソルート・ホンダセンシング 認定中古車 純正ナビ ETC バックカメラ スマートキー クルー...
中古価格 288.4万円
ホンダ オデッセイ
アブソルート・EXホンダセンシング 純正9インチナビBluetoothドラレコETCRカメラワン...
中古価格 289.2万円
ホンダ オデッセイ
アブソルート・EXホンダセンシング 純ナビ ドラレコ ETC ACC Wパワスラ Pセンサー B...
中古価格 309.9万円