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走って良し、聴いてよし。三菱エクリプスクロスPHEVは、ランエボ世代が2020年代を共に過ごすクルマにふさわしい 三菱エクリプスクロスPHEVはランエボXの再来? いや、ランエボXが進化したらこの方向だったと確信させる、よく曲がって楽しいクルマ。これ、本当にSUV?

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エクリプスクロスPHEV P 車両本体価格○447万7000円  メーカーop 70万4000円:有料色7万7000円、ルーフレール+電動パノラマサンフール15万9500円、本革シート+運転席・助手席・後席シートヒーター+運転席・助手席パワーシート+運転席・助手席シートバックポケット20万9000円 ミツビシパワーサウンとシステム(8スピーカー)9万3500円、三菱リモートコントロール5万5000円、電気温水式ヒーター11万円

三菱エクリプスクロスにマイナーチェンジで新たに設定されたPHEVモデルに試乗した。アウトランダーPHEV譲りのパワーユニットを搭載したエクリプスクロスPHEVだが、その走りは期待を大きく上回るものだった。これって、ほんとにSUV?
TEXT & PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

三菱自動車はクロスオーバーSUVのエクリプスクロスを一新し、PHEVモデルを設定して20年12月4日から販売を開始した。そのPHEVモデルに箱根周辺で乗ったのだが、驚いたのなんの。ランエボXの再来、いや、ランサーエボリューションX(2007年発売)が進化したらこの方向だったのではないかと確信させる、よく曲がって楽しいクルマに仕上がっている。これ、本当にSUVか?

一番上にあるライトはヘッドライトではなくなってデイタイムランニングライト。最低地上高:185mm トレッド:F1540mm/R1540mm 最小回転半径は5.4m。

まずはエクステリアから見ていこう。見てのとおり、「ダイナミックシールド」と呼ぶ三菱自動車の「顔」が大胆に進化している。一番上にあるライトはヘッドライトではなくなってデイタイムランニングライトになり、ヘッドライトはバンパー内に配置される。ふたつ並んだ上がヘッドライトで、下はフォグランプだ。

リヤは上下2枚ガラスからシングルガラスに変更された。ボディカラーはホワイトダイヤモンド

リヤもデザインを一新した。従来型のテールゲートは上下2枚のガラスで構成されていたが、新型はシングルガラスに変更。スリーダイヤをモチーフにしたようにも見えるリヤコンビネーションランプが(とくに点灯時に)目を引く。パールのような輝きと陰影を持ったホワイトダイヤモンドを新色として用意した。

室内長×幅×高:1890mm×1490mm×1190mm(サンルーフ装着車は1185mm)
本革のカラーはライトグレー。

フロントウインドウ寄りがラウンドしたダッシュボードにシルバーの加飾を組み合わせた構成に変更はないが、新型はより上質になっている。視線移動が少なくて済むインパネ中央上部に配置されるディスプレイ(スマートフォン連携ナビゲーション)が8インチの大型になったのも朗報だ(PHEVモデルは最上級の「P」に標準装備)。

エンジン 形式:2.4ℓ直列4気筒DOHC 型式:4B12MIVEC 排気量:2359cc ボア×ストローク:88.0×97.0mm 圧縮比:12.0 燃料供給:PFI 最高出力:128ps(94kW)/4500pm 最大トルク:199Nm/4500rpm 燃料:レギュラー 燃料タンク:43ℓ

フロントモーター 型式:S61 最高出力:82ps(60kW) 最大トルク:137Nm リヤモーター 型式:Y61 最高出力:95ps(70kW) 最大トルク:195Nm
プラグインハイブリッドのパワートレーンは、アウトランダーPHEV譲りである。これをエクリプスクロス専用にチューニングした。エンジンはガソリン2.4ℓ直4自然吸気(最高出力128ps(94kW)/最大トルク199Nm)を搭載するが、あくまで脇役だ。基本的にはバッテリー(総電力量13.8kWh)に蓄えた電気エネルギーでモーターを駆動して走り、電気エネルギーがなくなるか、強い加速を要求したときにエンジンの力を借りるスタンスだ。

モーターはフロントかリヤ、どちらか一方に積んでいるのではなく、両方に積んでいるのが三菱自動車製PHEVの特徴だ。フロントに最高出力82ps(60kW)、リヤに95ps(70kW)のモーターを積んでいる。リヤの出力がフロントより高いのは、走りを意識してのことだ。

ボディ左サイドに充電口がある。左が普通充電、右が急速充電(CHAdeMO)用。
バッテリー容量は13.8kWh。200V15Aで満充電に4.5時間、急速充電では80%まで25分かかる。

「電池がなくなったときにエンジンがかかると安心するはずなんですけどね」と、開発を担当するエンジニアは話し始めた。「アウトランダーPHEVのときに経験したのですが、なぜかみなさん、エンジンがかかるとがっかりするんですよ」と、笑みを浮かべながら説明する。

その気持ちならわかる。モーターがもたらす走りがあまりに気持ちいいので、エンジンがかかると、ノックもなく部屋に騒がしい人が乱入してきた気分なのだ。本当は助けてくれているのに。

「そこでアウトランダーの19年モデルから、エンジンがかかっても回転をなるべく上げないように、上げるにしても加速に合わせて上げるようにしました。なるべく遠いところでエンジンがかかっているようにし、気にならないようにしています」

インテリアの質感は大きく向上している。

バッテリー残量が充分に残っているときは、よほど強くアクセルペダルを踏まないと、エンジンはかからない。登坂車線があるような上り勾配の高速道路で前に遅いクルマが立ちはだかったとき、追い越しをかけようとアクセルペダルを踏み増す状況でも、エンジンを始動させずにモーターの力だけで反応良く、スムーズに追い越しが完了してしまう。エンジンがかかっても静かなのは、遮音材や吸音材を追加した効果も大きいようだ。

「ノーマル」「ターマック」「スノー」「グラベル」の4種類のドライブモードを用意する。最終減速比はエンジン3.425 モーターF9.663/R7.065

ドライバーの指示に応えて、エンジンがスタンバイする場面もある。エクリプスクロスPHEVは「ノーマル」「ターマック」「スノー」「グラベル」の4種類のドライブモードを持っている。このうち「ターマック」はPHEV専用モードで、ほかの3つは1.5ℓ直4ターボエンジン(最高出力150ps(110kW)/最大トルク240Nm)を搭載するガソリンモデルにも設定されている。ドライブモードは、セレクターレバー右横のトグルスイッチで切り替えが可能だ。箱根の山道に向かう際、おすすめに従って「ターマック」に切り換えた。

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