【注目キャンピングカー紹介】これぞキャブコンの王道。1人旅から家族旅行まで対応してくれる、理想の1台「AtoZ アンソニー」
- 2021/02/25
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山崎友貴
好きな人であれば、“キャンピングカーはこうあって欲しい”という理想があると思う。間取りや装備で、これぞ日本のキャブコンだ!と僕が思っているのが、AtoZの「ANTHONY(アンソニー)」だ。
TEXT●山崎友貴(YAMAZAKI Tomotaka)
使いやすい間取りがAtoZ アンソニーの人気の理由
AtoZはキャブコンでは業界の老舗で、すべてのモデルにAから始まる名前が付けられている。ラインナップのフラッグシップとなっているのが、このアンソニーである。同モデルは、トヨタのキャンピングカー専用車であるカムロードをベースにしている。
カムロードにはガソリン車とディーゼル車が用意されており、さらにディーゼル車には2WDと4WDが設定される。ライフスタイルによって異なるとは思うが、アクティブに使いたい人はやはりディーゼルに4WDをチョイスした方がいい。特に雪国に行く機会が多いならなおさらだ。パワー&トルクのスペックも、ディーゼル車が勝っている。
さて、なぜアンソニーが理想形なのかというと、その間取りだ。中央からエントリーすると、まず4人でくつろげるダイネット、そしてギャレーがある。
ギャレーはW1360×D490㎜と実用的なサイズで、シンクに蓋をすればかなり広い調理台になる。コンロはカセット式を使うのだが、設置型よりも自由が利くので、使いやすいと思う。
前方を見上げると、キャブコンのメリットのひとつであるバンクスペースがある。ここは荷物や衣服などを置けるので、実際に使ってみると重要なスペースだ。バンクは仕切り板を倒すとベッドになるが、W1700×D1950×H720という大人3名分の就寝スペース。大人2名なら余裕で寝ることができる。
ダイネットももちろんベッド化することが可能で、こちらはW1240×D1900㎜と大人2名分就寝スペースになる。アンソニーにはこの2か所の就寝スペースに加えて、車両の最後部に常設2段ベッドが設けられている。こちらはW1800×D650(750)×下段:H590 / 上段:H710mmというサイズだ。基本的には子供用となるが、大人でも十分に寝ることができる。
このアンソニーの間取りは、実際に使用してみると分かるが、長旅派やシルバーエイジには最適だ。
まずダイネットをいちいちベッドにするというのは、意外と面倒。くつろぐスペースと寝る場所は別々、いわゆる寝食分離の生活がキャンピングカーでは理想なのである。4人であっても、2人はバンク、2人は二段ベッドに寝れば、ダイネットを崩す必要がない。
これが2人ならもっと多様な使い方ができる。1人はバンク、1人は二段ベッドにいずれかに寝るパターン。2人でバンクに寝て、二段ベッドはマットを外して収納スペースにするパターン。2人で二段ベッドに寝て、バンクを収納にするパターンなどなど。使い方はいろいろだ。
マルチルームが付いているのも、アンソニーの魅力だ。その名の通り、多用途な部屋だが、収納かトイレにすることが一般的。トイレにしておけば、宿泊地になくても安心して寝泊まりすることができるだろう。
トピックスとしては、インテリアが3タイプから選べること。インテリアコーディネイターが考えた「橙香(とうか)」「朱夏(とうか)」「銀花(ぎんか)」3タイプのインテリアの中から好みを選ぶことができる。キャブコンは家みたいなものだから、やはり好みのインテリアが選べるのは嬉しい。特に、女性は特別なこだわりがあるようなので、家族を納得させるためにも、こういったメニューが大切だ。
ちなみに、アンソニーの兄弟車には「アンソニーLE」「アンソニー スペンド」という2モデルがある。
アンソニーLEはリアエントリーにして、家具を後部に集約。どちらかという2人旅向きだ。アンソニー スペンドがユニークなモデルで、アンソニーの2段ベッドとマルチルームの代わりに、大きなラゲッジルームが確保されている。このラゲッジルームには常設のベッドマットを置くこともでき、この場合も上はベッド、下は収納という使い方ができる。またリアに大型のハッチを設けることで、自転車などを車内に入れることができるのも魅力だ。
気になる価格だが、アンソニーは568万円から。これに欲しい装備を加えていくと600万円台にはなるが、ベースのままでも使えなくはない。標準装備を考えれば、キャブコンとしては買いやすい価格設定になっている。
キャブコンも様々なモデルがあるため、いざ買うとなるとどれを選ぶか迷うところだが、そんな時はまずアンソニーをチェックしてみてはいかがだろうか。多くの人の琴線に触れる1台なのではないかと思う。
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