【このキャンピングカーが欲しい!】キャブコンの弱点を解消! NV350キャラバンがベースだから軽量で走りがいい|バンテック・アストラーレ CC1
- 2021/05/25
-
山崎友貴
高いユーティリティと引き換えに、動力性能で不利な面があるキャブコン。バンテック・アストラーレ CC1はベース車に日産NV350キャラバンを用いることで、居住性と走りを高度に両立することに成功した。
スタイリッシュでドライブフィールにも優れたキャブコン、バンテック・アストラーレ CC1
キャブコンは高いスペースユーティリティと快適な居住性が魅力だが、弱点がないわけではない。ドライブフィールという点では、やはりどうしても我慢を強いられるシーンもある。
キャブコンは投影面積が多く、それだけ空力的には不利だ。高速道路では、風を受けてフラつくこともある。さらにベース車両がカムロードやキャンターなどのトラックシャシーの場合、ラダーフレームで頑丈な反面、車重が重くなってしまう。
しかし、車両後部に家さながらの“箱”を背負っているのだから、それも仕方がないと言える。だが、諦めるのは早い。今回紹介するバンテックの「アストラーレ CC1」は、そうした弱点を解消したキャンピングカーと言えるのだ。
まずご覧いただくと分かるが、ベース車両は日産・NV350キャラバンなのだ。この車種はバンコンに使われることが多いのだが、ハイエースも含めてキャブコンのベースになった例がないわけではない。NV350の車両後部を切り取って、そこにキャンパーシェルを載せているわけである。
シェル部分は一般的なキャブコンのそれに比べるとルーフが低く、フロントウインドウからのラインがそのまま後部に伸びたスタイリッシュな形状が特徴だ。Vモーショングリルをコアとしたフェイスデザインも、スポーティな印象を与えるだろう。また見た目から、一般的なキャブコンより空力面でも有利なことが分かる。後輪以降のオーバーハングも一般的なキャブコンより短い。これは小回りがきくことを意味している。
さらにNV350キャラバンはモノコックボディのため、車重も軽量だ。トラックシャシーベースのキャブコンに比べると、かなりの軽量化を実現している。ラダーフレームでないため、剛性を心配する人もいると思うが、アストラーレ CC1はシェル部に4本のサブフレームを内蔵。バンテックのスタッフによれば、同社の他のキャブコンよりも剛性感が高いと感じるということだった。
動力性能面でカムロードと比較すると、ガソリン、ディーゼルともスペックでは若干劣るが、軽さが補って余りある。運転席の着座位置も、カムロードベースに比べると自然で、普段使いの乗用車とさほど変わらないのも美点と言えるだろう。
さて、気になる居住部分だが、同社の人気キャブコン「ZiL」シリーズに劣らず豪華で快適だ。まずエントリー助手席後ろにあるドアから行うが、ワンボックス車ベースという利点とも言える、スライドドア式となっている。ウッド調パネルとファブリックというシンプルなカラーアレンジの室内は、長く乗っても飽きが来ないものだ。室内レイアウトは一般的で、エントランスのすぐ前にダイネット、その対面にギャレーがインストールされている。
前方を見ると、バンク部にはサラウンドシステムが埋め込まれている。普通ならここにバンクベッドがあるのだが、同モデルは運転席上のシェルを低く設計しているため、人が寝られるほどのスペースは確保できない。そこで、スピーカースペースとして活用しているわけだ。
ダイネットの後部はクローゼット、ギャレーの後ろは冷蔵庫&電子レンジを設置し、さらなる利便性の向上を目指している。そして最後部には常設2段ベッドを設置。ダイネットは1名分のベッドになるので、計3名の就寝が可能というわけだ。理想的なのは二人での使用で、ダイネットはくつろぎのスペース、寝るのは二段ベッドにすれば、寝食分離スタイルの生活がおくれる。
下段ベッドの下はラゲッジルームに当てられており、オーバーハングを短くしたことを補っている。この空間は外からのエントリーが可能なので、荷物も出し入れも容易だ。
ちなみに価格は979万円〜となっており、ZiLシリーズの方が安いグレードが存在する。しかし、FFヒーターやパーキングクーラー、ソーラーパネル、リチウムサブバッテリー、そして車両の安全装備を考えれば、決して高い買い物とは言えない。
さらにスタイリッシュで、ドライブフィールもいいとなれば、キャンパーとしては十分に魅力的だと言えるだろう。ひと味違ったキャブコンを...という人は、選択肢のひとつに入れていただきたい。
【このキャンピングカーが欲しい!】ベースは軽パネルバン。本物のウッドパネルが暖かい雰囲気の軽キャンパー|三島ダイハツ・クォッカ
新型コロナ禍において、ますます注目を集めているキャンピングカー。興味が出てきたら、まずは手頃な軽キャンパーから楽しん...
【このキャンピングカーが欲しい!】目からウロコの室内レイアウト! 適度な距離感で2人がくつろげる|レクビィ・プラスMR
4月に開催されたジャパンキャンピングカーショーで見つけた注目のキャンピングカーをご紹介しよう。レクビィ・プラスMRは、大...
【このキャンピングカーが欲しい!】安く、早く手に入れたいならリノベーションキャンパーはいかが?|U-BASE湘南・U-BASE ONE
U-BASE湘南(横浜トヨペット)とトイズファクトリーが手を組んで送り出した、U-BASE ONE。車両自体の魅力はもちろんだが、「...
【このキャンピングカーが欲しい!】いま、軽トラックがベースの簡易型キャンパーが熱い!|コイズミ・かるキャン ナゲット
世情によって、ますます活況を呈しているキャンピングカー市場だが、昨今あるムーブメントが見え始めている。それは「軽トラ...
【このキャンピングカーが欲しい!】女子力高めの軽キャンパー。モザイクタイルがおしゃれな雰囲気|ダイレクトカーズ・AMAHO
ハイエースをベースにしたキャンピングカーを得意とするダイレクトカーズが軽キャンパーを投入した。注目の第一弾はモザイク...
【このキャンピングカーが欲しい!】憧れのキャブコンが身近に。コスパよし、使い勝手上々なニューモデル! |ダイレクトカーズ・伊勢志摩
バンコンや軽キャンで満足できなくなったら、キャブコンが視野に入ってくるだろう。そんなとき、キャブコンの第一歩を踏み出...
【このキャンピングカーが欲しい!】畳や障子が織り成す「和」の空間でゆったり過ごせる軽キャンパー|岡モータース・ミニチュアクルーズ 遍路
やはり日本人は和室!と再認識させてくれるのが、岡モータースのミニチュアクルーズ 遍路だ。「四国八十八カ所を巡るお遍路に...
【このキャンピングカーが欲しい!】日本の道路事情にもドンピシャリ。牽引免許不要のキャンピングトレーラー|エフェクトメイジ・Xキャビン 300
ヘッド(クルマ)と切り離せるため自由度が高く、居住空間も広いなど、バンコンにはないメリットがたくさんあるキャンピング...
【このキャンピングカーが欲しい!】4ナンバーにダウンサイジングで機動力を増したミリタリールックの新バンコン|レクヴィ・ホビクル オーバーランダーIV
男心をくすぐるミリタリー調のキャンピングカーとして大きな注目を集めたホビクル・オーバーランダー。そのテイストはそのま...
【このキャンピングカーが欲しい!】ファミリーにおすすめ! オートキャンプにも普段使いにも「ちょうどいい」|オーエムシー・ツアーズ ワイド SGL
数多くのキャンピングカーをラインナップするオーエムシーだが、ファミリー向けのキャンピングカー選びで迷ったらこれ、とお...
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー