スイスポエンジン論① 1400cc+ターボエンジンのお味は?【連載|スズキ・スイフトスポーツを愛しすぎた加茂からのラブレター③】 スズキ・スイフトスポーツ進化論 その③ さすがスズキ! と言わしめる圧縮比9.9/ブースト圧1.0kg/㎠!のエンジン【GW短期集中連載!】
- 2021/05/02
-
加茂 新
ゴールデンウィーク短期集中連載として、スイフトスポーツシリーズの進化を辿る3日目。今日と明日はエンジン編!直噴ターボ化で圧縮比は9.9に、ブースト圧1.0kg/㎠で過給される。少し前ならありえない組み合わせで、驚異のパワーを発揮するユニット。しかも、伸び代充分でブーストアップもタービン交換も可能だなんて!
「オレってスイフト博士カモ?」の加茂 新氏の解説でお届けする、スイスポ一挙丸わかり講座。お楽しみください。
TEXT:加茂 新(KAMO Arata)
スズキ・スイフトスポーツ進化論 その② 3代目ZC33Sはハイパワー&軽量化! これはもはや “進化” ではなく……【GW短期集中連載!】
2003年に颯爽と登場し、人気を博した「スイフトスポーツシリーズ」。3代目のZC33Sにして、まさかのキャラクターを大幅変更。...
驚きの1400cc+ターボエンジンをチョイスかっ飛びコンパクトカーの再来がZC33S
タフな性能そのままにターボ化!
3代目スイフトスポーツとなるZC33S。1代目(ZC31S)~2代目(ZC32S)は完全キープコンセプト。デザインもエンジンもボディもブラッシュアップ版で、目新しさはないが質実剛健な進化内容だった。
エンジンは7500rpmまで回るものの、パンチ感は薄い。
VTECのような爆裂するパワー感はなく、「そよかぜ」のような加速。スズキのバイク「隼」のようなトルクにあふれるモンスターに憧れたものである……。
しかし、そこで3代目は攻めてくるのがスズキのうれしいところ。エンジンは1400cc+ターボに一新された。
K14Cエンジンはボア73.0mm×ストローク81.9mmで排気量は1371cc。4気筒16バルブDOHCで圧縮比は9.9。いわゆるダウンサイジングターボのようだが、ちょっと違う。
それをイメージするのは、すでに生産終了したがRStに搭載されたK10でエンジン。こちらは1000cc+ターボでNAの1600ccクラスのようなイメージで乗れる。ところがスイフトスポーツのK14Cは、普通に力のあるNAエンジンにターボを加えた爆裂するトルクが特徴なのだ。
その刺激はターボエンジンとしては、ひと昔前ではびっくりするほどの圧縮比を実現したこと。その立役者は直噴インジェクター化だ。
それにより高圧縮比+ハイブーストという夢が可能になった。燃焼室に直接ガソリンを噴射できるので、異常燃焼が起きにくく、燃焼室の冷却にも優れるので高い圧縮比とハイブーストの両立が可能となったのだ。
そんな「K14C」エンジンはじつはなぜかエスクードから搭載されたが、ZC33Sにも使われ、コンパクトカーの世界観を変えるのである。
オートマ感覚で乗れる鬼トルクを生み出すタービン
ちなみにブースト圧はオーバーシュート1.0kg/㎠で、0.8kg/㎠くらいで安定する。ECUチューンによってオーバーシュート1.3kg/㎠、安定1.0kg/㎠でもまったく問題なし。
ちょっと前ならそんなことをしようものなら、圧縮比は8.0くらいがいいところだった。これまでできなかった圧縮比とブースト圧の両立によって、信じられないようなパンチ感を実現。
970kgという軽量ボディに23.4kgmのトルクはシフトチェンジの回数を激減させた。市街地でも3速で右左折可能。高速道路は6速に入れておけば、減速後の追い越しもキックダウンは不要で、グイグイ加速していく。
いつでもタービンが機能するクローズ制御!
それを可能にしたのがアクチュエーターのノーマルクローズ制御というやつ。近年のダウンサイジングターボエンジンは通常排気ガスはタービンをバイパスして排気していて、必要なときのみスイングバルブを閉じてタービンに排気ガスを回してタービンを発動させる。
ところが、クローズ制御はその逆。基本的に常にタービンをブンブン回すことで、いつでもどこでもブーストが瞬時に立ち上がる。
それをさらに高めるためにエキゾーストマニフォールドは存在しない。シリンダーヘッド内で排気ガスは集合され、エンジンにはタービンを直付け。最短距離でタービンを回す設計がされている。
ターボといえばチューニングによるパワーアップの幅が大きいのが魅力。K14Cは140ps/23.4kgmと馬力はやや控えめであるが、ECU書き換えによるブーストアップと燃調、点火時期、可変バルブタイミングの最適化などで20~30ps向上は可能。
スポーツ触媒やマフラー交換をするとさらに出力は上がるが、何十馬力も上がらないのが正直なところ。しかし、数字には現れにくいがアクセルに対するパワーの出方のレスポンスが格段によくなるのだ。【明日へ続く】
内燃機関超基礎講座 | スズキ・スイフトスポーツのK14C型エンジンをクローズアップ
K10C型直噴ターボに続いて登場した、4気筒版であるK14C型直噴ターボエンジン。SUVであるエスクードに搭載されたのに続いて、...
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
スズキ スイフトスポーツ
ベースグレード 新品7型ナビ取付渡し スマートキー プッシュスタート シートヒーター 衝突軽減ブ...
中古価格 197.9万円
スズキ スイフトスポーツ
スポーツ 6AT 4型 全方位モニターPKG 当社試乗車 衝突被害軽減ブレーキ 誤発進抑制機能 ...
中古価格 224.1万円
スズキ スイフトスポーツ
ベースグレード 9型ディスプレイオーディオ MT車 衝突軽減システム ブラインドスポットモニター...
中古価格 207.9万円
スズキ スイフトスポーツ
スポーツ 4型 オーディオレス全方位モニターカメラ オートライト プッシュスタート シートヒー...
中古価格 215.7万円
スズキ スイフトスポーツ
ベースグレード サイドエアバック エマブレ リアカメラ 点検記録簿 セキュリティ テレビ アクテ...
中古価格 221.1万円
スズキ スイフトスポーツ
ベースグレード ベースグレード(5名) 6速MT 社外ナビTV Bカメラ Bluetooth ド...
中古価格 190.9万円