火曜カーデザイン特集&モーターファン自転車部:電動アシスト3輪自転車 ”STREEK” に注目 もはやクルマは要らない!? これからは3輪アクティブ・カーゴ・トライク "STREEK" で!
- 2021/05/25
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CAR STYLING編集部 松永 大演
モビリティの新たな仲間としてその存在感を強めているのが、電動アシスト自転車だ。上級機種では1充電あたりのアシスト距離は100kmを超え、そのサポート力も極めて強力。それでいて自転車として扱えるのだから、非常に手軽で便利だ。場合によっては自動車ではなく、こちらを多用する方が快適な時代なのかもしれない。そんな気持ちに火をつけるモデルが登場する!
自転車界のトラックがスタイリッシュに登場
電動アシスト自転車は、今は大きく3つに分類されている。一つはeバイクと総称される、ロードバイクやマウンテンバイクなどのスポーツ系モデル。これらは電動アシストによって登坂時のスポーツ性も高めることによって、新たなアクティビティを生み出している。また、これからの競技の発展にも期待できるところだ。
そしてもう一つは、シティサイクルだ。いわゆるママチャリと呼んだ方が理解は早いかもしれないが、買い物に使ったり子供を乗せたりという自転車。坂道や高負荷時の不便さを解消するべく、電動アシスト化がなされたのだが、現在のeバイクに発展する電動アシスト自転車の起源がここにある。
そして新たなモデルとして再定義されて登場したのが、カーゴバイクだ。日本ではあまり馴染みが多くないが、ヨーロッパでは荷物や人を運ぶ自転車として古くから存在していた。ものを運ぶということで3輪化されたものが多いが問題は重いことで、なかなか一般的な乗り物にはなりにくかった。しかしそれが電動アシスト化されることによって、新たな世界が広がってきた。
ここで紹介するストリーク(STREEK)は、そんな「ものを運ぶための3輪自転車」だ。しかし、何と言っても、一番の特徴はかっこいいことだ。もともとSTROKEという名前で開発されていたモデルだったが、ようやく市販化に近づき、車名をSTREEKに変更して本格市販に進めている。
どんなものを積もうか 荷物を積みたくなる「かっこよさ」
写真を見て息を飲まれた方も多いだろうが、このスタイリングに素直に魅了されてしまう。それもそのはずで、開発と企画・運営を行うのはエンビジョンという会社。ここは自動車関連のモックアップや試作モデルを製作するデザイン会社だ。また、様々なプロダクトに関わって、ブランディングなども含めたデザイン開発を手がけている。そんなことから、プロポーションの美しさにも、大きな注意が払われているのだ。とはいえ、自転車のデザインは初めての試みだったという。
大きなポイントとなっているのは、自転車の基本であるパイプで構成したこと。それもシンプルな上下・前後方向のループ状のフレームとしていることで、自転車の基本に忠実なスタイリングとなったことだ。ヨーロッパのカーゴトライクと大きく違うのはこの点で、左右に広がる基本フレームがないことがスタイリッシュでシンプルな構造を生み出している。しかしここには日本ならではの制約もあり、全幅600mm、全長1900mmに収めないと軽車両として認められないという事情もあった。そのため、ヨーロッパのカーゴに比べると幅はかなり狭いのだが、それがブレークスルーの一役を買ったともいえる。
さらに荷物を積載する部分をホイールベース内に設定したことで、荷物を積んだ時にも基本的なフォルムに変化がない。このことが、実にトライクをスマートに見せている。当然ながら、重量物を前後輪の内側に収めることで、運動性能も良いという。荷物を積載するには、アタッチメントで数種類の荷台を選択することができる。また、小さな子供用のチャイルドシートだって設置できるのだ。
当初の名前であるSTROKEが示すように、一筆で書かれたようなフレーム構造が美しさの原点にあるように見える。多くの3輪や4輪の自転車は、フレームがどこかが突出して(あるいは切り落とされて)終わる形が少なくない。そこが2輪の自転車と異なる残念な部分。その残念感が一切ないのが、このSTROKE、新生STREEKだ。
言ってみれば自転車版のトラックのようなものなのだが、これだけものを乗せて走らせたいと思ってしまうモビリティは少ない。それも視点がどこかの業者が使う輸送ということではなく、パーソナルなギアとして見てしまえている点に、大きな魅力がある。これなら、キャンプにだって行けそうだ。受注開始は2021年9月を予定。ベーシック価格は35万円からとなるという。
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