青森〜秋田〜岩手......極寒の地でスバルの雪上性能を体感! スバル・インプレッサとXVで真冬の八甲田山を越えてみた!【雪上試乗記】
- 2018/01/30
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MotorFan編集部 小泉 建治
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意外と「アクセルで曲がる」も許容する
ふと時計を見ると、第二のチェックポイントである十和田湖畔の昼食会場への集合時刻に間に合いそうもないことに気がついた。酸ヶ湯温泉でのんびりしすぎたのか。そこからは一転、ペースを上げて先を急ぐ。
それまで慎重に、雪の感触を確かめながら一歩一歩踏みしめるように走っていたのはなんだったのか? もう、ブリザックVRX2が雪を掴むこと掴むこと! そして安定志向だと思っていたインプレッサG4の前後トルク配分とESCの設定が、アクセル開度によっては意外と僅かなオーバーステアも許容することを知ってつい口元が緩む。
そんなこんなで、なんだかよくわからないうちに八甲田山越えを果たし、とわだこ賑山亭に到着する。史上最悪の山岳遭難事故から一世紀とちょっと。お気に入りの音楽をBluetoothで飛ばし、鼻歌交じりに越えられるようになるとは……なんだか申し訳ないような気持ちになってくる。先人の労苦に思いを馳せ、技術の進歩に感謝である。
真に使える悪路走破性とは?
前半は途中から時間が足りないことに気づいてやむを得ず爆走したが、後半は余裕ができたこともあり、いつものクセでメインルートから外れ、酷道険道へと足を踏み入れてみた。写真のようにすれ違いもままならないような細い道で、しかも交通量が少ないために路面はフカフカしている。
こういう環境で重要なのは、悪路走破性ももちろんだが、ドライバーが状況をしっかりと把握できて正確な操作ができるかどうかである。インプレッサG4やXVは、その点において極めて都合がいい。ボディサイズにも、ドライバーの視点にも、操作方法にも、そしてコクピット全体に漂う空気にさえも、取り立てて特殊な要素は見当たらないからだ。
悪路走破性だけであれば、レンジローバーやジープ・ラングラーやトヨタ・ランドクルーザーといった本格クロカン四駆が図抜けているだろう。だが考えてもみてほしい。オフロード愛好家でもないフツーのドライバーがいきなりディフェンダーとかを与えられて、躊躇なく雪道を突き進められるだろうか? サイズから何からすべてがスペシャルすぎて、とくにこうした狭隘な酷道険道では、卓越した性能を発揮する前に精神的に参ってしまうはずだ。
その点、XVであれば特別なスキルや知識や経験など必要がない。雪道を走る上での最低限の心がけがあればたいていは大丈夫だ。結局、しばらく進むといきなり除雪区間が終わって行き止まりとなり、Uターンを強いられたが、四つのタイヤの位置が掴みやすいから難なく向きを変えることもできた。
高い悪路走破性も、ドライバーが自信をもって引き出せなければ意味がない。筆者も含めた多くの「フツーのドライバー」にとって、XVは真に使える悪路走破性を備えたクルマと言えるだろう。
難関ルートをこともなげに走破
片輪が凍結路、片輪がドライ路といったシーンでのESCの制御も秀逸で、突如アイスパッチが現れてもうろたえる必要はない。ただしタイヤの限界を超えたらどうにもならないので、速度を控え目に抑えることは当然だ。
小坂鉄道レールパークでスバル製の鉄道を見学し、小坂インターチェンジから東北自動車道にのる。安代インターチェンジで一般道に降り、市街地を通り抜けてゴールの安比高原に到着した。厳しいルートかと思われたが、ほかの参加者も含めて試乗会全体を通じ、とくにトラブルやアクシデントもなかったようだ。
長い歴史の中でAWD技術を磨き続け、八甲田山をこともなげに走破する雪上性能を備えながら、市街地や高速道路では、そんな猛々しい一面をおくびにも出さない。それを欧州勢と比べて極めてリーズナブルな価格で提供する。
本州随一の豪雪地帯を走り抜け、スバルの底力と本気度、そして「真に使える悪路走破性」を見せつけられたのだった。
![](/images/articles/10002858/big_219537_201801301643080000001.jpg)
●スバルXV2.0i-L EyeSight
全長×全幅×全高:4465×1800×1550mm ホイールベース:2670mm 車両重量:1420kg エンジン:水平対向4気筒DOHC 排気量:1995cc 最高出力:113kW(154ps)/6000rpm 最大トルク:196Nm/4000rpm トランスミッション:CVT フロントサスペンション:ストラット リヤサスペンション:ダブルウイッシュボーン タイヤサイズ:225/60R17 駆動方式:F・AWD 価格:248万4000円
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