ルノー・トゥインゴ/ルノー・ルーテシア/シトロエンC3/フィアット500 ルノー・トゥインゴなどインポートのコンパクトカー特集(2)【写真で見るライバル比較シリーズ】4車種
- 2019/01/07
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MotorFan編集部
◆技術革新を続ける欧州の魅力的なラインナップ
『インポートクラス』
◆インポートクラスとは?
かねてから魅力的なコンパクトカーが多い輸入車カテゴリーでは、欧州のメーカーがしのぎを削っている。主に2BOXのハッチバックが主流となっており、Aセグメント、Bセグメントなどと呼ばれ、個性的なラインナップとなってる。
①本格スポーツカーを彷彿させる個性派……ルノー・トゥインゴ
楽しさを引き出すRRの走り
スポーティな「GT」は格別
エンジンを後方に搭載するRR方式のコンパクトカーとしてユニークな存在のトゥインゴ。最も大きな利点は、厳しい衝突安全基準をクリアしながら全長を抑えることにあるが、スポーティな仕様になってくると別の面も生まれてくる。
F1を始めとするモータースポーツ活動やハイパフォーマンス車を手掛けるルノー・スポールが開発を担当したトゥインゴ「GT」は、言わば小さなポルシェ991のようにRRの特性が楽しさを引き出している。
0.9ℓターボ・エンジンは、スタンダードの90㎰/5,500rpmから109㎰/5,750rpmへ、13.8㎏m/2,500rpmから17.3㎏m/2,000rpmへとスープアップ。吸排気系やインジェクター、冷却性能などがチューニングされた結果だ。アクセルを踏み込めば、後ろ足で蹴り出すような感覚が強くなった。
RRの美点が生きているのがステアリングフィールだ。ノーズまわりが軽いゆえ、細いフロントタイヤが採用されているが、これが繊細なフィールにつながっていて、路面とタイヤのコンタクトしている状況が手に取るようにわかる。トラクション性能が高いので、時としてプッシングアンダーステア気味になることもあるが、それもステアリングが軽くなっていくことで察知できる。
速度がさほど高くなくても本格スポーツカーのフィーリングが味わえるのがトゥインゴ「GT」の魅力だ。
(TEXT●石井昌道)
②誰もが見とれる先進のパッケージング……ルノー・ルーテシア
高速巡航の直進安定性は別格
マニア向け5速MT車も設定
ルーテシアはルノーのBセグメントを支える定番機種だが、多くの競合車よりカッコ良く見えるのは私がルノーびいきだから……ではない。デザインの評価は個人の主観によるところも大きいが、少なくともそのパッケージが「カッコ良く見える文法」に則っていることは事実だ。
ルーテシアは日本で手に入るコンパクトハッチバックでは全長が最も長く、全高や全幅も飛びぬけてはいないが低くて幅広い。というわけで、現行コンパクトハッチバックで「ロング&ロー、ワイド」というカッコ良い基本文法に最も忠実なのがルーテシアなのである。
この長くてカッコ良いところが良くも悪くもルーテシアを特徴付ける。背も低いので約4.1mという全長の割には後席や荷室が特別に広いわけでもない。ただ、2.6mというホイールベースもクラス最長なので、高速長距離移動での直進安定性や疲れにくさは明確に秀でている。
主力となるパワートレーンはほかのルノー車でも多用される1.2ℓ4気筒直噴ターボ+6速DCTだが、マニア好みの0.9ℓ3気筒間接噴射ターボ+5速MTをわざわざ用意する点はルノーらしいところだ。
ところで、今までコンパクトハッチバックでは圧倒的に立派な体格だったルーテシアだが、先ごろの新型VWポロがルーテシアと酷似したディメンションで登場してきたのは興味深い。今後はこのサイジングが主流になっていくかもしれない。(TEXT●佐野弘宗)
③独創的な姿と確かな実力で欧州市場を席巻……シトロエンC3
走りの満足度を高める動力性能
フランス車独自の乗り味に唸る
2002年に発売された初代モデル以来、世界で350万台以上を販売してきたシトロエンブランドの重要なモデルが、このC3だ。
日本では17年7月に発売された最新型が、以前の二世代とは異なる個性的でカジュアルな方向性を目指したモデルであることは、その内外装から一目瞭然だ。
歴史的にも、平凡なデザインでは「シトロエンらしくない」と評され、非凡に過ぎれば自ら顧客層を狭めかねない難しい舵取りを迫られている。
エクステリアもインテリアもほかの誰にも似ることなく、一方で実用面にも優れた新型C3の仕上がりは、そうした困難な課題を高い次元で成立させたと評価できるものなのだ。
加えて、まるで「ガソリンとディーゼルの良いとこどり」をしたかのようなフィーリングが得られる動力性能や、「さすがはフランス車」と多くの人を納得させるに違いない乗り味など、単なるコンパクトカーのレベルに留まらない色濃い走りのテイストが味わえる点も見逃せない。
それでいながら、必要にして十分な装備を備えた「FEEL」であれば、219万円から手に入るリーズナブルさも大きな魅力。
確かに、ほかのブランドに比べれば充実しているとは言えないディーラーのネットワークなど、ウイークポイントも見られるものの、欧州市場でのヒットを踏まえて、このモデルが真の実力を備えたコンパクトカーであることは明らかだ。(TEXT●河村康彦)
④カワイイを具現化する独自のスタイル……フィアット500
独特なエンジンサウンドやシフト感覚が所有感を満たす
デビューからすでに10年以上が経過してもなお、独自のキャラクターで人気を保ち続けているフィアット500。2016年1月にはビッグマイナーチェンジを受けているが、見た目のアップデートは最小限。よく比べればバンパー形状やモールなどが違うが、意識しなければわからないだろう。テールランプの中央がボディ同色になっているのが、見分けやすいポイントだ。
現在のラインナップは1.2ℓ直列4気筒エンジンを搭載した「1.2ポップ」、0.9ℓ直列2気筒ターボエンジンを搭載した「ツインエア ポップ」、及び上級グレードの「ツインエア ラウンジ」。スペックは前者が69㎰/5,500rpm、10.4㎏m/3,000rpmとなり、後者が85㎰/5,500rpm、14.8㎏m/1,900rpmとなる。
ツインエアエンジンは低回転から図太いトルクを発生するのが魅力。カワイイ見た目からは想像がつかないほどに頼もしく、ドコドコッというサウンドも独特で楽しい。1.2ℓのほうもパフォーマンスに不満はなく、素直な操縦感覚となる。どちらもデュアロジックと呼ばれるシングルクラッチの2ペダルMTで少々の慣れは必要。シフトアップ時にタイムラグがあり、それを見越していないとスムーズさを欠くことになる。
だが、それで嫌いになるユーザーがいないのがフィアット500の凄いところだ。キャラの魅力があばたもえくぼに変えてしまうのだ。(TEXT●石井昌道)
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