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  • 2019/03/17
  • ニューモデル速報
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〈ボディ&静粛性〉

環状骨格構造と大型メンバー

ボディの骨格構造は継承。各ピラー部に閉断面を回し、肋骨のようにキャビンを支える“リブボーンフレーム”を採用する。航空機の機体構造からヒントを得たもので、零戦を開発した三菱の系譜が垣間見える。

操安と衝突安全を両立するボディ先端部の強化

フロントはデザインを変えただけでなく、骨格構造も全面新設計。歩行者保護性能の向上のため、専用部品が組み込まれたほか、骨格の結合形状や溶接点の最適化も実施して、フロントサス周りの剛性も向上。操舵応答性やステアフィール向上にもつなげている。

構造用接着剤でボディ強化

バックドア開口部のコーナーと、リヤエンドクロス上面には、構造用接着剤を使用。ミニバンの弱点となりやすいバックドア開口部を補強することで、対強度性をさらに高めた。

歩行者の脚部保護性能向上

フロントオーバーハングを伸ばさずに、歩行者の脚部保護構造を成立させるため、サイドメンバーの先端を20㎜短縮。 前面衝突時のクラッシュストローク減少には、サブフレーム構造の一新で対応している。

エネルギーを効率良く吸収

前面衝突荷重の支持には、3系統のロードパスで対応する。メインとなるサイドメンバーに加え、フェンダーの峰に当たるアッパーサイドバーは板厚を増大。サブフレームはエクリプスクロスと同 型状のものを採用し、床下骨格にも荷重を伝達する。

歩行者保護対応

ボンネットを高くした目的のひとつが、歩行者の頭部保護性能向上。エンジンとの隙間を広く取ることで、衝撃吸収ストロークを確保する。ボディ前面も、歩行者の身体を広い面で受け止められるような骨格配置だ。

ボディ各所に施される防音対策

クルマの質感向上には必須の、室内の静粛性向上の対策は多岐に渡り、ボディ全面に対し図のような吸音と遮音の対策が適材適所に盛り込まれる。その効果は60㎞/h走行時に先代に対して車内騒音が1列目席で2.0dB(A)、2列目席で1.5dB(A)低減されている。

室内をさらに静かにするフロアマット

ディーラーオプションとして用意されるフロアマットは物理的な高級感だけではなく、静粛性をさらに高めるアイテムとしても機能する。左図のように吸遮音効果を持つ3層構造のマットをラゲッジを含む全面に敷き詰めることで静粛性を高めてくれる。

スタイリッシュに安全を確認するサイドアンダーミラー

ボンネット前端の位置が先代よりも高くなり、車両直前の視界が不利になることへの対策としてサ イドアンダーミラーに二面鏡タイプを採用。これにより従来の左側方だけでなく、車両のフロント直下が確認できるほか、直左鏡と直前鏡に映る像に連続性を持たせ、認知性を向上している。

〈パワートレーン〉

ダミーヘッドを使用した精密なホーニング

シリンダーボアをホーニングする際、ヘッドと等価な剛性を持つダミーヘッドを取り付けて切削を実施。ヘッドボルト締結によってブロックがわずかに歪む影響を排除し、実機状態で真円度が確保できるよう改良を図った。

2.2ℓコモンレール式DI-Dクリーンディーゼルターボ

エンジン型式は先代と同じ4N14だが、ピストン、コンロッド、クランクといった内部パーツを始め、ほぼ全域に渡り刷新され機械的なフリクションの低減を追求。また排ガス対策として尿素SCRシステムを採用し、クリーンディーゼルとしている。

■4N14 spec.
排気量(㏄):2267
種類・気筒数:直列4気筒DOHC
ボア×ストローク(㎜):86.0×97.6
エンジン最高出力(kW[㎰]/rpm):107 [145]/3500
エンジン最大トルク(Nm[㎏m]/rpm):380[38.7]/2000
JC08モード燃費(㎞/ℓ):13.6

地道な対策を積み重ねフリクションを大幅低減

ダミーヘッドホーニングによるピストンリング張力の削減など、各種の対策によって、フリクションは大幅に低減。実用域では7〜10%、最高回転域では約27%の損失低減に成功している。

電制リリーフバルブの採用で駆動損失を低減

オイルポンプ本体は可変式ではないが、不要な油圧を回路内に回さないリリーフバルブを電子制御化。従来ではリリーフバルブが開かなかった低負荷域でも油圧を逃がせるようにし、実用域での駆動損失を低減している。

形状の刷新と軽量化が図られた新ピストン

ピストン形状の変貌ぶりに注目してほしい。コンプレッションハイトは縮小され、スカートの面積も大幅に削減。1個あたり100gを越える軽量化を果たしている。燃焼室形状は、中央を盛り上げる代わりに外周部をわずかに広げ、より乱流を利用しやすい形状となった。

ピストンピンとコンロッドも新設計サイドフォースを低減

ピストンピンは全長を短くすると同時に、応力分布に合わせた肉抜き形状に変更。ピストンのコンプレッションハイト短縮分をコンロッドの延長に充て、連棹比を拡大してサイドフォースの低減を図った。

もちろんクランクも新設計

クランクシャフトも新設計。コンロッドジャーナル径を細くしているほか、往復運動部品の軽量化に合わせて、カウンターウエイトの軽量化も実施。ベアリング類は低摩擦コーティングを施して低摩擦化。

クリーンな排ガスと好レスポンスを発揮する新エンジン

エンジンから出た排ガスは、酸化触媒とDPFを通過してPMや未燃焼成分が取り除かれた後、尿素水が噴射されてSCR触媒に流れ込み、NOxが浄化される。EGRは高圧系のみを使用。尿素SCRの浄化効率が高いため、燃費に響くEGRの使用率を抑えることができる。

高性能な新型インジェクター

燃料噴射装置も新世代のものに換装。弁駆動がソレノイドであるのは同じだが、従来型がインジェクターの上端に駆動部を持ち、コマンドピストンを介してノズルの開弁を行なっていたのに対し、新型はソレノイド駆動部をノズルの直上に配置して、コマンドピストンを廃止している。アイドルストップ時の燃料リークを防いで再始動の応答性を高めるのが目的、との説明だが、通常運転時の応答性や制御性も高まっているものと思われる。

NOx低減のためにEGR領域を拡大

EGRは使用域を全領域に拡大。高負荷域でもEGRを使用してNOxを低減する一方、従来は多めに使用していた市街地走行領域ではEGR率を抑制。実用燃費の向上と、全領域でのNOx排出量低減を実現している。

尿素SCRシステムの尿素水の補充はラゲッジから

尿素水タンクは容量16ℓのものを車両最後部に搭載。フィラー口はラゲッジルーム内の、左ホイールハウス後方に設置されている。 尿素水タンクの搭載によって、スペアタイヤはパンク修理剤に置き換えられた。

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