福野礼一郎のクルマ論評４を読み解くためのページ[三菱ギャランGTO（A53C/A55C/A57C）] 福野礼一郎のクルマ論評４　モーターファンロードテスト現代の視点三菱ギャランGTO

2019/10/01
Motor Fan illustrated編集部

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目次開く: 空力優先のスタイル

ダックテールの効果

軽いエンジン

剛性の高い足まわり

0→400m 16.7秒

軽いブレーキ

ゴージャスな室内

高い安全性

振動・騒音試験結果

動力性能試験結果

燃費性能試験結果

重量、アライメント、ブレーキ試験結果

操作性安定試験結果

寸法測定結果

視野測定結果

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振動・騒音試験結果

東大生研　亘理研究室

試験条件
天候：晴
路面：コンクリートおよびアスファルト乾

振動乗り心地
　振動乗り心地は懸架装置の形式、ばね定数、ショックアブソーバーの減衰力、タイヤのばね定数などで左右される。ギャランGTOの懸架方式は、フロントがコイルばねマクファーソン、リヤが重ね板ばねリジッドアクスルである。振動試験は行なえなかったが、東村山のテストコースにおけるフィーリングでは、高速時の直線走行は乗り心地が良い。いっぽうカーブや悪路での低速走行では、ハンドルへのショックが割合に大きい。

騒音
　騒音試験は、車内騒音と車外騒音を測定した。車内騒音の結果は表1のとおりであり、この値はGTクラスのなかでも低速で良い値を示している。また、図2でもわかるように速度変化にともなってわずかなピークが80㎞/hにあるほか、直線的で良い傾向となっている。車外騒音は、定常、加速とも表2、図2に示すごとく、良い値であり、騒音公害上の問題ない。

動力性能試験結果

試験条件
日時：昭和45年11月4日
場所：日本自動車研究所　谷田部テストコース
天候：晴
路面状況：乾
仕様燃料：プレミアム
積算距離：2372km
車両重量：930kg
積載重量：193kg
試験時重量：1123kg

試験結果
1. スピードメーター検定
Vγ＝ 0.96Vm+3.81
Vγ：実車速　Vm：スピードメーター読み
　この結果を表1、図1に示す。

2. 加速性能
　0発進200m に10.6秒、400m16.7秒。
　この結果を表2、表3、図2、図3に示す。

3. 惰行性能
　JIS-D-1015の試験によれば
　Vmean=18.8㎞ /h
R =21.4㎏ R：走行抵抗
　が得られた。また高速惰行試験結果を最小二乗法を用いて整理した走行抵抗は下記のとおり。
　　R ＝ 18.47+0.0038V 2
　試験時重量（G）を1123kg、全面投影面積（A）は1. 60㎡とすると
　　R ＝ 0.016G+0.0023AV 2
すなわち
　転がり抵抗係数μr ＝ 0.016
空気抵抗係数μα＝ 0.0023㎏h 2／㎡・㎢
となる。以上の結果を図4に示す。

燃費性能試験結果

試験条件
芝浦工大　小口自工研

路面：コンクリート乾
天候：曇　気温12℃　風3m/sec
車両重量：930kg
積載重量；203.0kg
気化器：SU式×2
ガソリン：プレミアム
タイヤ：165SR13　圧　前1.4㎏ /㎠　後1.6㎏ /㎠

1. 定地燃費性能
　経済速度はかなりのするどいピークで50㎞/h にあり、そのせいか高速域への落ち込みの勾配は大きいように見える。しかし、各車速についての個々のデータはGTO MⅡの機能からして、極めて経済的な値になっている。結果を表1、図1に示す。

　比較燃費曲線で見ると、試験時重量G=1133㎏、定地60㎞/h の燃費23.6㎞/ℓはゾーンのはるか上側にプロットされ、ファミリーカー以上の経済性を示した。なお比較燃費率曲線ゾーンは、従来のすべてのデータ（昨年、一昨年）29車種のうち、ほぼ80％にあたる23車種からの計算により求めた曲線を平行移動に設定した（図2）。