日本が世界に誇る「JAMSTEC」を知っているか? 世界最高峰の研究機関JAMSTECとは? 「地球シミュレータ」も「しんかい6500」もJAMSTEC
- 2019/11/19
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MotorFan編集部

宇宙のJAXAは知られているが、JAMSTECを知らない人はまだ多い。世界的に見ても、トップレベルの研究能力・研究設備を持つ「JAMSTEC」ってこういう組織!
TEXT◎貝方士 英樹(KAIHOSHI Hideki)
「宇宙」のJAXAに対する「海洋」のJAMSTEC
国立研究開発法人「海洋研究開発機構」を英略表記したものがJAMSTEC(ジャムステック)だ。フルに表記すると「Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology」となる。「海洋」と「地球」を対象に「科学」と「技術」をもって探究する、日本の海洋科学技術の総合的な研究機関だ。設立は1971年。以来、世界の海洋研究開発をリードし続け、再来年には50周年を迎える組織だ。本部を神奈川県横須賀市に置き、日本全国5カ所に研究所や事業所などの拠点を持つ。ちなみに、年間予算は約350億円、職員数は約940名である。
JAMSTECの使命は「新たな科学技術で海洋立国日本の実現を支え、国民、人間社会、そして地球の持続的発展・維持に貢献する」こととなっている。これは本組織の将来を見据えた「長期ビジョン」に示されたものだ。
四周環海の島国で、資源の乏しいといわれる我が国において将来を考えるには、まず「足元を固める」必要がある。足元とは海と地球だ。これらは水産物や海底下埋蔵エネルギーなどの海洋資源により人類に豊穣を与える源であると同時に、巨大地震や津波、気候変動に起因する極端な気象現象などで災厄をもたらす存在でもある。こうした物事に関する「なぜ?」を究めることは、宇宙の創生や人類の起源を知ることにつながる。JAMSTECが掲げる一大テーマは海と地球を探り、宇宙と人類の歴史を解き明かし、将来をリアルに見通すことにあるのだ。そこで得られた知見や技術などを社会へフィードバックすることがJAMSTECの目的だ。
海と地球を探る場合、研究対象は広くなる。バクテリアから地殻プレートやマントルまでが相手になるからだ。そして海は広い。JAMSTECは世界の海へ出掛け、調査や研究を行うための研究船など8隻の船舶、多数の海中ロボットや探査機器、日本各地に置かれた各種の研究施設などを運用している。自前の研究船で出帆し、深海へ潜り、ロボットを使ってサンプルを採取し、それらを研究所で分析研究するためだ。有人潜水調査船「しんかい6500」や地球深部探査船「ちきゅう」など世界随一のメカニズムをもって調査研究にあたっている。
深海へ到達し探査することは宇宙へ行くより難しいことといわれる。大きな水圧が行く手を阻む壁となるからだ。たとえば、深さ6500mの深海でかかる水圧は約680気圧にもなる。これは人差し指の先で軽自動車を持ち上げるような状態。当然、生身の人間では抗えない極高圧環境だ。こうした深海世界へ安全に往来するメカが「しんかい6500」だ。JAMSTECはこれら特別な装備を駆使し、海と地球を探り続けている。
海洋国ニッポンが世界に誇る海洋研究機関が「JAMSTEC」=国立研究開発法人 海洋研究開発機構です。1971年に設立されまもなく50周年を迎えます。宇宙のJAXA(宇宙航空研究開発機構)に対して「海のJAMSTEC」と言えます。地球深部探査船の「ちきゅう」や有人潜水調査船「しんかい6500」など多くの研究船や研究機材を擁しています。そのレベルは世界トップ!。この『JAMSTEC最前線』では、研究船やしんかい6500、無人探査機などJAMSTECが持つ最新機材を余すことなく紹介します。JAMSTECファン、海洋科学ファン、テクノロジー・ファンのみなさんにお勧めです。
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