新型フィットの技術②e:HEVは、2モーター式ハイブリッドi-MMD ホンダ新型フィットの「e:HEV」は、現行型からどこが変わった? i-MMDを小型した工夫とは?
- 2019/12/16
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MotorFan編集部 鈴木慎一
来年2月発売予定の新型フィットのハイブリッドは、現行の1モーター式i-DCDから2モーター式のi-MMDに大きく変わった。ホンダの切り札ともいえるi-MMDは、今回「e:HEV」という新名称も与えられた。期待のe:HEVをじっくり眺めてみよう。
新型フィットのパワートレーンは、1.3ℓ直4DOHC +CVTと1.5ℓ直4DOHC+i-MMDのハイブリッドの2種類だ。どちらも、ベースとなるエンジンは、それぞれL13BとLEB型(L15B型のハイブリッド仕様・圧縮比が11.5から13.5に上がってアトキンソンサイクルを採用している)を前型からキャリーオーバーしている。
今回、とくに注目すべきは、1.5ℓハイブリッド用のユニットだ。
詳細なスペックは未発表だが、前型のスペックは次の通りだ。
エンジン形式:1.5ℓ直列4気筒DOHC
エンジン型式:LEB
排気量:1496cc
ボア×ストローク:73.0mm×89.4mm
圧縮比:13.5
最高出力:110ps(81kW)/6000rpm
最大トルク:134Nm/5000rpm
新型フィットは、ハイブリッドシステムが現行のi-DCD(1モーター+7速DCT)から、i-MMD(2モーターハイブリッド、今回のフィットは「e:HEV」と呼ぶ)へ大きく変わった。これにともない、パワーユニットもかなり手が入っている。
より上級のアコードやインサイトが採用するi-MMDは、走行モードしてモーターによるEV走行とエンジンの出力で発電用モーターを回しその電力でモーター駆動するハイブリッドモードとエンジン直結のの3つのモードを持っている。
通常は、ほぼモーターで走り、高速はエンジンで走る。減速のときはジェネレーターによる発電というような走行シーンに応じて一番最適な形でモードを切り替える。
今回フィットに載せるにあたって、全体として小型化した。
ベースとなるエンジンは、インサイトと同じ1.5ℓ直4DOHCだ。インサイト搭載エンジンの型式は、LEB型である。新型フィットに搭載されたときのスペックは未発表だが、
最高出力:109ps(80kW)/6000rpm
最大トルク:134Nm/5000rpm
がインサイトのスペック。おそらく新型フィットのe:HEV用のエンジンも同スペックだろう。
今回、フィットに搭載するにあたって取り回しを大きく変えている。現行のフィットでいうとミッションの上にエアクリーナーとかがあったところに今回はPCUを置く。もともとインテークマニフォールドをが上部にあったものを、インテークマニフォールドを下に置いて、その上の空いた空間にエアクリーナーを載せる。吸気系を集約することでエンジンを小型化を図った。
インサイトだとここに吸気系があり、12V系鉛酸バッテリーを置くスペースもなかった。今回の新型フィットは吸気系を集約できたので、エンジンルームにバッテリーを搭載できるようになった。
e:HEVは、I-MMDシステムなので、2モーターだ。内側に駆動用モーター、外側に発電用モーターを配置するのは、従来のi-MMDと同じ。今回は、それをコンパクトカー用に新設計した。
今回iMMDシステムなので2モーターになっている。
現行型ではトランクルーム側に置いていたPCU(パワーコントロールユニット)は、前述の通りエアクリーナーが置かれていた場所に配置。したがって、エンジンルーム内にPCUが置かれることになった。
新型で大きく変えたのは吸気系だ。エアクリーナーは、前の置き方の方が吸気効率がいいというわけではないという。いままでと同じだけの性能が出せるように形状を変えても同等性能を出せる設計した。NVをよりよくしたいということで、インシュレーターをつけたり、オイルパンの剛性を上げるなど、メインの部分はおおむね同じだが、細かい改良を施している。
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