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SKYACTIV-X搭載のMAZDA3、400km走ってわかった○と×。数値(燃費)に表れない魅力はあるか?

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ボディ色はスノーフレイクパールマイカ

 今回400kmほど走行したが、内訳は、空いた高速道路:4割 酷い渋滞の高速道路2割 都内の一般路3割、郊外路1割だった。全体としてかなり交通状況は悪く、Xの旨味を堪能できそうな空いた郊外路はほとんどなかった。

 モード燃費は
WLTCモード燃費 17.2km/ℓ
 市街地モード 13.7km/ℓ
 郊外モード 17.6km/ℓ
 高速道路モード 19.0km/ℓ
 
 これに対して400km走った総合燃費は、14.3km/ℓだった。WLTCモード燃費の達成率は83.1%。空いた高速道路+空いた都内だとほぼモード通り(高速道路モード)18.6km/ℓを記録した。今回は渋滞が多かったが、東京周辺の通常の道路状況ならモード燃費の90%程度は楽にいきそうだと感じた。つまり15.5km/ℓ程度だろう。

 車重が80kg軽いG2.0搭載モデルのモード燃費は
燃費:WLTCモード燃費 15.6km/ℓ
 市街地モード 12.1km/ℓ
 郊外モード 15.8km/ℓ
 高速道路モード 17.7km/ℓ

だ。10%ほどXの燃費がいい。こちらも実燃費がモード燃費の90%だと仮定すると14.0km/ℓとなる。

燃料はハイオク推奨。レギュラーでも問題なく走る
 Xがハイオク、G2.0がレギュラーということを考慮して計算し直すと(レギュラー144円/ℓ、ハイオク155円/ℓとして)
X=10円/km
G2.0=10.3円/km
となる。つまり、燃費はほぼ同じなのだ。
ついでに、D1.8も同じ計算式で計算すると(軽油124円/ℓ)
D1.8=7.0円/kmとなる。

 つまり、燃費ではXにアドバンテージはないのだ。

マツダコネクト2.0は、だいぶよくなったが、たとえば、この縮尺になると「VICS情報は反映されない」と言われてしまう。この縮尺だからこそ、渋滞情報が知りたいのに
価格は
G2.0と基準に考えると
D1.8が約27万円高
Xが約67万円高
 である。これをどう考えるか。Xは確かに異次元の体験をさせてくれる。運転していてとても楽しい。でも、ガソリン比67万円高か……。

 でも、もう一度車両価格を見て、競合車と比べてみると……

 MAZDA3のXの最上級グレード(つまり今回の試乗車 FF)が338万463円


 カローラスポーツの最上級モデル(ハイブリッドG Z FF)が282万4800円。
 レクサスCTのエントリーモデル(CT200h FF)が383万9815円
 メルセデス・ベンツAクラスのエントリーモデル(A180 FF)が334万円
 BMW 1シリーズのエントリーモデル(118i FF)が334万円
 アウディA3のエントリーモデル(スポーツバック30TFSI FF)が304万円
 VWゴルフTSIのガソリンの上級グレード(TSIハイライン FF)が338万円
 ルノー・メガーヌのスポーツ系でない上級グレード(GT FF)が346万2000円

 となる。MAZDA3の値付けは、欧州のプレミアムメーカーのCセグのエントリーグレードとほぼ同じにしてあることがわかる。

 比べるべきは、MAZDA3のG2.0搭載モデルではなく、メルセデスのAクラス、BMWの1シリーズ、VWゴルフのハイラインなのだ。と考えると、MAZDA3のX搭載モデルが与えてくれる新しいドライビングプレジャーと美しいデザイン、上質な内装は非常に魅力的に思えてくる。
 上記の競合車もレクサスCT、カローラスポーツを除けば燃料はハイオクだから、燃費性能もMAZDA3に分がある。

 今回の400kmの試乗を終えての個人的な結論は、
「MAZDA3買うなら、やはりSKYACTIV-X搭載モデルだ」
 である。これまで、「Xを待たなくてもいい。ディーゼルがいい」だの「価格差を考えるとG2.0もいい」と書いてきたが、やっぱりX、良かった。

 それほど、SKYACTIV-Xに魅力を感じた。G2.0の67万円高だと思うと選べないが、輸入車Cセグのエントリーグレードと比較すると抜群のコストパフォーマンスと言っていいと思う。
 
 あと少しだけ。
 G2.0やD1.8搭載グレードに乗った時のインテリアの質感は、まったく文句なしだった。ところが、X搭載グレードに乗ったら、少しだけ不満を覚えた。最上級グレードだから装備や質感もMAZDA3最上級だ。
 しかし、SKYACTIV-Xエンジンがもたらすドライブの質感は、いまのMAZDA3のインテリアの質感を上回る。
 たとえば、マツダ・コネクト2.0(格段に進化している)、たとえば、センターコンソールのカップホルダーの蓋、たとえばメーターのデザイン……。もっと上質にしないと釣り合わない。もっと言えば、SKYACTIV-Xは後輪駆動のクルマに載せてほしい。直列6気筒のSKYACTIV-Xを縦置きする美しいセダン、早く登場してほしい、とMAZDA3のXに乗って思った。

 SKYACTIV-X、まだ登場したばかりだ。その潜在能力をフルに発揮したわけではないだろう。それでも、これほどの感覚を味合わせてくれるのだ。これから、さらに磨きがかかってもっといいエンジンになっていくはずだ。

 その先行投資の意味も込めて、「X、アリ」と言っておく。

 最後にひとつ苦言を呈していいなら(ちょっと言い訳も入っているが)、SKYACTIV-Xエンジン搭載グレードの発売でようやくMAZDA3のラインアップが完成したわけだが、新型のデビューと同時に少なくともパワートレーンに関してはラインアップを完成させておくべきだと思う。せっかくMAZDA3を選んだ人、選びたかった人に後悔の念を与えてしまったかもしれないから。

MAZDA 3 FASTBACK X L Package
全長×全幅×全高:4460mm×1795mm×1440mm
ホイールベース:2725mm
車重:1440kg
サスペンション:Fマクファーソンストラット式Rトーションビーム式
駆動方式:FF
エンジン
形式:2.0ℓ直列4気筒DOHC
型式:SKYACTIV-X HF-VPH
排気量:1997cc
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
圧縮比:15.0
最高出力:180ps(132kW)/6000pm
最大トルク:224Nm/3000rpm
燃料供給:筒内燃料直接噴射(DI)
燃料:無鉛プレミアム
燃料タンク:51ℓ
燃費:WLTCモード燃費 17.2km/ℓ
 市街地モード 13.7km/ℓ
 郊外モード 17.6km/ℓ
 高速道路モード 19.0km/ℓ
モーター MK型交流同期モーター 4.8kW/60.8Nm

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