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冬休みにオススメ! 千葉県の房総半島をイタリアの熱血ホットハッチで駆け抜ける アバルト595コンペティツィオーネの5速MTは週末ドライブの最高の相棒だった〈試乗記:ABARTH 595〉 PR

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姿勢コントロールが意のままに行える

 しばし海沿いのドライブを愉しんだ後、いよいよワインディングロードに向かう。

 ダッシュボード上のボタンを押し、SPORTモードを選択する。

 SPORTモードに切り替えると、アクセルペダルの踏み込みに対するエンジンのレスポンスが鋭くなり、ターボチャージャーによる過給圧が増えて最大トルクが20Nm上がり、パワーステアリングのアシスト量が減って手応えが増し、エキゾーストサウンドがより刺激的になる。

 最高出力180psと最大トルク250Nmを発生する直列4気筒1.4Lターボエンジンのパフォーマンスは痛快のひと言だ。

 昨今、ダウンサイジングターボという手法がガソリンエンジンにおけるトレンドであり、595コンペティツィオーネの1.4Lターボもその流れを汲むもの……と思ってしまいがちだが、よくよく考えたらこのボディサイズであれば常識的には0.8〜1.2Lくらいが妥当な排気量であり、1.4Lというのは自然吸気だったとしてもかなり余裕のある選択だと言うことができる。

 その恩恵は全速度域で感じることができるが、とりわけコーナーからの立ち上がりでアクセルを開けた際のレスポンスの良さが光る。加速を得るため、速度を上げるために有用であるのはもちろんだが、レスポンスがいいということは姿勢コントロールが意のままに行えるということを意味する。公道でのスポーツドライブにおいては、絶対的な速さよりも、この「意のままに操れる」喜びの方が大きな意味を持つ。

 足まわりの完成度の高さにも舌を巻いた。コニ製のスポーツサスペンションが奢られているということで、サーキットにおける高いパフォーマンスはある程度予想できるだろう。だが、だからといって闇雲に固められたアシでないことは知っておくべきだ。

 とくにコンパクトなホットハッチには、ゴーカートフィールなどとも表現されるような硬くてストローク感に乏しいサスペンションも少なくない。

 だが595コンペティツィオーネのサスペンションは、しっかり鍛えられてダイレクト感に溢れながらもしっかりとストロークしてくれるから、荒れた一般道でも接地を失うことなくペースを保てる。そしてどのタイヤにどれだけ荷重がかかっているのかが掴みやすい。サスペンションのストロークだけではなく、タイヤのたわみまでが伝わってくるようで、グリップ感を得やすいのだ。

 言うなれば「タイヤと対話ができる」サスペンションなのだ。

昼食は鋸南にある保田漁協直営の「ばんや」でいただいた。写真は筆者が選んだ金目鯛の漬丼。
こちらはカメラマンが頼んだ天ぷらの盛り合わせ定食。何を頼んでも新鮮で旨い!

 若者向けのやんちゃなホットハッチではなく、もしかしたらとても贅沢なスポーツカーなのではないか……走り込めば走り込むほど、そんな思いが強まってくるのを感じた。

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