電気自動車は雪道でこそ本領を発揮!? リーフとノートe-POWERで真冬の北海道を激走!〈日産雪上試乗会レポート2 of 3:EV編〉
- 2020/02/17
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MotorFan編集部
真冬の北海道にズラリ揃った日産の最新モデル。4WDはもちろん、FF、FRも含め、さまざまな駆動方式、パワーユニットのモデルを雪上で試乗する機会を得た。Motor-Fan.jpでは、日産雪上試乗レポートを全3回に渡ってお届けする。第2回はEV編ということで、リーフとノートe-POWERのインプレッションをレポートする。
REPORT●佐野弘宗(SANO Hiromune)
低ミュー路ではパワーユニットの違いが顕著に表れる
誰もが認める日産の得意技といえば、言うまでもなく電気自動車(EV)である。2010年に世界初の本格量産EVとして発売された初代リーフと、それに続く二代目リーフが商業的にどれだけ成功したか……についてはいろいろな意見がある。
ただ、少なくとも、すでに10年近くリアルな市場で揉まれてきた実績は、日産EVにしかない財産だ。
2016年にノートで初登場したe-POWERも、モーターやインバーターはリーフ(正確にはどちらも先代リーフからの流用だが、モーターは現行リーフでも変わっていない)のものをそのまま使う。
外部充電できない純ハイブリッド車のe-POWERに当初つけられた“電気自動車の新しいカタチ”というキャッチフレーズについては賛否両論だったが、動力システムのドライバビリティがEVそのものであることは間違いない。
今回の雪上試乗会の特設コースに、日産はリーフとノートe-POWERの4WDを持ち込んだ。日産はこれらを“100%モーター駆動車”と定義して、その強みを「1万分の1秒単位でトルク制御することにより、様々な路面でスムーズに発進・加速を実現」あるいは「低ミュー路でも安心して走行できるワンペダルドライブ」と主張する。
早い話が「雪道とモーター駆動車は相性バツグン」と言いたいらしい。
今回は自然吸気、ターボ過給、間接噴射、直接噴射、3気筒、4気筒、6気筒……と、多様なエンジンを、雪道という路面状況で、代わる代わる走らせることができた。
確かに今どきのよくできた最新過給エンジンに乗れば、過給ラグを意識させられることはほとんどない。しかし、どんなに優秀な過給エンジンでも、自然吸気エンジンと直接乗り比べると、わずかなラグの存在にあらためて気づかされる。
そして、そんな自然吸気エンジン車からリーフに乗りかえたら、そのレスポンス、リニアリティの次元がまるで違っていた。100%モーター駆動のリーフと比較すると、どんなにレスポンシブなエンジン=内燃機関だろうと、右足の動きに対する反応はどうしてもワンテンポ遅れるのだ。
さらに、アクセルペダルに置いた右足指のわずかな力加減に対する反応の“解像度”も、圧倒的にリーフのほうが上と言うほかない。……といった事実は、リーフに乗るたびに感じていたことだが、今回のような低ミュー路では、その恩恵がさらに如実に出てしまう。
■リーフe+ G
全長×全幅×全高:4480×1790×1565mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1680kg
モーター形式:交流同期電動機
最高出力:160kw〈218ps〉/4600-5800rpm
最大トルク:340Nm/500-4000rpm
モーター・駆動輪:F・FWD
駆動用バッテリー:リチウムイオン
総電圧:350V
総電力量:62kWh
サスペンション:Ⓕストラット Ⓡトーションビーム
ブレーキ:ⒻⓇベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:215/50R17
交流電力量消費率(WLTCモード):161Wh/km
航続距離(WLTCモード):458km
車両価格:499万8400円
日産自慢のワンペダルモードにすると、アクセルを踏み込むオン側だけでなく踏み込んだ足を緩めるオフ側も右足に吸いつくようなトルクデリバリーを見せてくれる。
タイヤのグリップ加減を全身で感じ取りつつ、高解像度のアクセルレスポンスで合わせながら走るスラロームは、楽しくてしかたない。こういう路面状況ではブレーキ操作が最も気を使う作業になるが、ワンペダルドライブなら、それも基本的に不要。
もちろん最終的には制動力は自分でコントロールする必要があるが、ブレーキペダルを踏まなくていいと運転中のストレスが飛躍的に減る。
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