オーナー目線で勝手にインプレッション 連載第14回『よろしく! スズキ・ジムニーシエラ』 デッドニングをやってみた ~新刊告知「歴代マーチすべて」1月31日より発売中~
- 2020/03/06
- MotorFanアーカイブ編集部 山口 尚志
■用意したもの
世の中にいろいろな制振材、防音材があるのはインターネットおよびアマゾン、みんカラユーザー先人のみなさんの整備手帳から調べたが、取り急ぎカー用品店で手に入りやすいエーモン工業の製品群から選ぶことにした。
おそらくは、いま流行りのアマゾンなどからのほうが、さらに上質で安いものが入手できるのだろうが、取り急ぎということでそのあたりはあまり考えないことにして必要最低限のものだけ用意し、さらに必要になったらアマゾンを考えようと思う。
もっというなら私は「ネット通販」というやつでものを買ったことがないから、そのあたりのやりくりの仕方をよく知らないのだ。
どうも現物を見ないで購入ということに抵抗があるもので。
それはさておき、用意したのがこちら。
私は別にエーモン工業のまわし者ではないが、製品No.も記しておこう。
左上から
①制振シート圧着ツール(8387)
②デッドニングハサミ(8388)
③スピーカー背面制振吸音材(2365)
④ポイント制振材(2178・10枚入りを2セット購入)
⑤制振シート(2360)
⑥吸音材(2177)
の6種だ。
ついでに、静かとはいえない内外でのエンジン音対策に、
⑦エンジン音低減シート(8360)
⑧プラスティリベット(3823・5個入り2セット)
をいっしょに買っておいた。
⑧は、要はクリップだが、本来不要のはずのクリップについては後述する。
他に脱脂のためのパーツクリーナーも用意した。
「デッドニング」という言葉はオーディオ分野の言葉として知ってはいた。
スピーカーからの音が自身の周囲の鉄板を振動させてしまうことで音質を阻害する。
音のエネルギーすべてが人間の耳に届いてくれればいいのだが、一部はスピーカー周辺や背面の鉄板を振動させることに浪費されているわけだ(と思う)。
また、音とは空気の振動だが、余計な空気の振動が本来の振動、つまり音色の邪魔をすることもあるだろう。
ならばのっけから鉄板を振動させないように制振材をあて、それでもどうしても出てしまう無駄な音は吸音材で吸収させてしまおうという道理である(と思う)。
「デッドニング」とは「dead:殺す」が語源のようで、余計な振動を「殺す」が元であるにちがいない。
新型も同じようだが、私の旧シエラも写真をごらんのとおり、後席および荷室の内張りをはがせば鉄丸出し。
この鉄板部分に制振処理を施していく。
まず、ここはというところをグーで叩き、制振材を貼る部位を決めるために薄っぺらな振動音を発するところを見つける。
このカンカン音のところに貼るわけだが、その前に・・・
表面がきれいになったら④のポイント制振材の貼り付けに入る。
サイドには⑤の制振シートを貼り付ける。
それでは施行前と後の音の違いを比べてみよう。
他にジャッキなどの工具を入れる荷室下スペースにも制振材を貼り付けた。
これはエーモン工業への注文。
500×450mmの制振シートを細長い箱に入れるために大きなカーブで三つ折りにしてあるものだから、平面に貼り付けても曲面に貼り付けてもカーブのクセがついてしまっていてすぐに浮いてくる。
左サイドへの貼り付け写真を見てほしい。
ピントが合っていなくて恐縮だが、下端にカーブが残っているのがおわかりだろうか。
製造上の都合、途中の輸送、カー用品店での陳列スペースの都合を考えると仕方ないのかもしれないが、可能なら折らずに平らなまま売っていただきたいものだ。
または、どのみち500×450mmのまま使う人は少ないだろうから、いっそ500×150mm×3枚の切断済みシートにするか。
浮かないように力技をかけるくらいなら、広い面積には小さいままのものを繰り返し作業するほうが確実なように思う。
実際、丸まってしまう癖がついたものは翌日には剥がれ、何度貼りなおしてもすぐ落ちたのであきらめた箇所もある。
ましてやこの種のものは飛ぶように売れるものではなく、製造から購入されるまで間が空くわけで、これでは長い時間をかけてくせがつくようにしているようなものだ。
さて、おおかた見当をつけた場所に貼り、いったん区切りを迎えて撮ったのがこの写真だ。
前述したリヤタイヤハウスからの音侵入防止のため、この部分にはさらに⑥吸音材を貼り付けた。
これは厚さ10mmの製品だが、みんカラによると、後で内張りパネルを戻すことを考えると10mmが限度らしい。
10mmを超えると内張りが戻せなくなるか、無理にはめても内張りがややひずみ気味になるようだ。
室内後部の作業はここまで。
と、内張りを戻すとき、ここで思いがけない事態が起きた。
内張りをあてがったら、ボディ側の穴位置に対してクリップが10mmほど車両前方にずれていたのだ。
いくら合わせようと思っても合わない。
はずす際にゆがんだのかとさえ思ったが、揃って左右同じ事象が起きたからそれも考えにくい。
60分ほど悪戦苦闘してあきらめ、販社に電話したら「持ってきてごらん」とのお答え。
むきだしのままの室内後部にサイドパネル2つを載せてお店まで走らせて元に戻してもらった。
担当セールス氏に聞いたら、JB23/43のリヤサイドパネルの脱着は、メカニックが『ヤだなぁ』と思うほど苦労する作業なのだそうだ。
ちょっと見たのではわからないのだが、どうもこの樹脂製サイドパネルは製品状態では弧を描いているらしく、ボディへの取付の際は力を入れて伸ばし気味にしてクリップと穴位置を合わせ、力ずくでクリップをはめ込むのだと。
だから「これほどの作業なのに、みんカラを見てみると『よくひとりでやってるなあ』と思う」とのことだった。
私のクルマも2人がかりで作業し、片方はパネルを引き延ばし担当、他方はクリップはめ込み係となってあたってくれたという。
その割にみんカラで「サイドのパネル取付には苦労した」というひとはひとりも見たことがないが、作業回数を重ねるうちにパネルにも延びぐせがついて、そのうち取付が楽になったのかもしれないと勝手に推測している。
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