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Bセグメントのハイブリッドカーとは思えない内外装と走りの質感も大きな魅力 新型トヨタ・ヤリスハイブリッドZ 一般道100km&高速180km試乗…16インチタイヤでも驚異の実用燃費30km/L超! 一見狭そうな室内も快適設計に劇的進化

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新型トヨタ・ヤリスハイブリッドZ

2020年2月に10年ぶりの世代交代を果たし、車名も欧州市場向けと共通化された、トヨタのコンパクトカー「ヤリス」。その最上級グレード「ハイブリッドZ」に、一般道で約100km、高速道路で約180km試乗し、燃費を計測しつつその実力をチェックした。なお、テスト時の天気は曇りのち晴れ、外気温は25~30℃。常にドライブモードはエコ、エアコンは23℃で走行した。

またテスト車両には、

・185/55R16タイヤ&16×6Jアルミホイール(8万2500円)
・カラーヘッドアップディスプレイ(4万4000円)
・ブラインドスポットモニター+リヤクロストラフィックオートブレーキ+インテリジェントクリアランスソナー(10万100円)
・トヨタチームメイトアドバンストパーク(7万7000円)
・合成皮革+ツイード調ファブリック(1万1000円)
・アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/1個。4万4000円)
・T-Connectナビキット(11万円)

など、合計66万5500円分のオプションが装着されており、車両本体価格229万5000円と合わせて296万500円の仕様となっていた。

REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●遠藤正賢、トヨタ自動車

1998年発売の初代トヨタ・ヴィッツ
2005年発売の二代目トヨタ・ヴィッツ

2010年発売の三代目トヨタ・ヴィッツ前期型
 初代は革新的なコンセプトやデザイン、パッケージングで大ヒット作となるものの、二代目以降は守りに入ってしまい、技術面以外はむしろ退化していった車種は枚挙に暇がない。1998年に初代が誕生したトヨタ・ヴィッツ=欧州名ヤリスも残念ながらその一台で、2010年発売の三代目は率直に言って「出た時から負けているクルマ」だった。…幸か不幸か、最大のライバルであるホンダ・フィットも同じ道を辿っていったのだが。

2014年発売の三代目トヨタ・ヴィッツ中期型
2017年発売の三代目トヨタ・ヴィッツ後期型

 しかしながらトヨタは、三代目ヴィッツの10年に及ぶモデルライフの中で、2014年と2017年の二度にわたり大幅マイナーチェンジを実施。その都度エクステリアデザインと走りは大きく進化したが、基本設計の古さと不味さ(特に居住性)は隠しきれず。2020年2月にヴィッツ改め新型四代目ヤリスへバトンタッチした。

新型トヨタ・ヤリスのGA-Bプラットフォーム

 この新型ヤリスでは新世代のGA-Bプラットフォームが採用されることが車両の世界初公開前に発表されていただけに、軽量・高剛性・低重心になるのはもちろん、三代目ヴィッツの弱点だった居住性や積載能力も少なからず改善されるものと、大いに期待していた。

【トヨタ・ヤリスハイブリッドZ】全長×全幅×全高:3940×1695×1500mm ホイールベース:2550mm トレッド前/後:1480/1475mm

 しかしながら、いざ四代目ヤリスが公開されると…写真を見る限り、内外装のデザインは三代目前期型とは比較にならないほど前衛的かつ質感の高いものに進化していたが、後席も荷室も見るからに狭そうだ。なお、ボディサイズは全長が5mm短くなる一方、ホイールベースは40mm拡大されている。

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三代目ヴィッツに対し前後席間距離が37mm減ったため絶対的には狭くなっているが、後席の居住性はシートと着座姿勢の改善によってむしろ向上している
 ところが実際に、身長176cm・座高90cmの筆者が後席に座ってみると、ヘッドクリアランスはほぼゼロで、ニークリアランスも10cm程度しかないものの、全身の収まりが非常に良い。

 細かく調べてみると、シートサイズが座面・背もたれとも大きいうえ、クッションに厚みがありホールド性も優れている。しかもヒップポイントが高く、かつ足先を前席の下へ綺麗に収められるため、座面から膝の裏が浮かず、太股を座面へ綺麗にフィットさせることができるのだ。

 ただしドア開口部は狭く、ドア自体も大きくは開かないため、年配の方が座るには難儀するだろう。

アジャスタブルデッキボードを下段にセットし後席右側を格納した状態のラゲッジルーム。荷室長×幅×高は62~138cm×100cm×69.5~80cm(いずれも筆者実測)
 一方で荷室は、残念ながら見た目通りの狭さ。後席の背もたれを倒してもその部分の傾斜が強いため、アジャスタブルデッキボードを上段にセットし段差を埋めても大きな荷物を積むのは難しそうだ。

Bセグメント車とは思えない高い質感を備えた運転席まわり

 では、これまで以上に最優先で設計された運転席まわりはどうか。近年のトヨタ車のインパネは、元来得意とする質感の高さに加え、機能的かつアバンギャルドな造形も備えているが、新型ヤリスではそれをBセグメントのコンパクトカーでも実現したことに大きな価値がある。

 特に最上級の「Z」系グレードはインパネアッパーがソフトパッドになるうえ、テスト車両はオプションの合成皮革+ツイード調ファブリック内装も選択されていたたため、下手なCセグメントモデルよりも高い質感を備えていた…と高く評価しても、決して過言ではないだろう。

 三代目ヴィッツはデザインも質感も平凡なうえ、マイナーチェンジでADASが追加される度にスイッチが四方八方に散逸していたが、それらの問題がようやく解決されたのは喜ばしい限りだ。

「Z」グレードのフロントシートはヘッドレスト分離式。他のグレードは一体型のセミバケットタイプとなる
 そして運転席に座ってみると、フロントシートは単にサイズが大きいだけではなく、クッションに程良い弾力がありフィット感も良好。またステアリングの本革がしっとりした触感で滑りにくく、シフトレバーが通常のストレート式とされたのも、特にヤリスのようにレンタカーや営業車も含めてありとあらゆるドライバーが運転するクルマにおいては好印象だ。

 しかしながら、先代より若干改善されたものの、ペダルが全体的に左寄りにオフセットされているのはいかがなものか。これはトヨタに限らないが、痛ましいペダル踏み間違い事故を少しでも減らすために、誤発進抑制機能を標準装備あるいは後付け可能にするだけではなく、シフトレバーが直感的に操作でき、何よりブレーキペダルを踏みやすいクルマを設計してほしいと切に願う。

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