【毎日更新】気持ち良いエンジンの3台を選ぶ(世良耕太編):ホンダS660/マツダ・ロードスター/日産GT-R 【気持ち良いエンジンならこの3台】ドライバーの心を揺さぶるホンダS660のミッドシップサウンド!|世良耕太
- 2020/07/31
-
MotorFan編集部
エンジンの存在を感じいやすいミッドシップ・レイアウトだが、ホンダS660の660ccターボエンジンは、ドライバーの心を一際揺さぶるよう仕立てられている。加速時のタービン音、アクセルオフ時のブローオフバルブ音など、サウンド面の演出も、乗り手の気持ちを盛り上げるのだ。
TEXT●世良耕太(SERA Kota)
1台目:ホンダS660【エンジン:S07A】
「ヒューン、バシュッ!とダイレクトに響くエンジン音が楽しい!!」
エンジンのメカニカルな音が“すぐ後ろ”から聞こえてくることに価値がある。じゃあ、ミッドシップなら何でもいいかというとそんなことはなく、ホンダS660のエンジン(660cc3気筒ターボ)はドライバーの心を揺さぶるよう、よく考えられて開発され、仕立てられている。
例えば、加速時の吸気音がよく聞こえるよう、エアクリーナーのサイズを大きくすると同時に、ファンネルはドライバーに向けてレイアウト。S660のために新設計したターボチャージャーはレスポンスを向上させており、加速時には「ヒューン」という高周波音を発して、「あ、ターボ効いてるな」と感じさせる。そしておもむろにアクセルを戻すと、過給圧を解放するブローオフバルブの「バシュッ」という音が響く。
いや、もう、楽しくて仕方ない。S660はシート背後のリヤウインドウを電動で下げることができるが、これを下げるとエンジン音がダイレクトにキャビンに飛び込んできて、楽しさが倍増する。
2台目:マツダ・ロードスター【エンジン:P5-VP】
「エンジンと乗り手の濃密な関係が味わえる」
リトラクタブルハードトップのRFは、よりパワフルな2.0Lのエンジンを搭載するが、あえて1.5L(直列4気筒自然吸気)エンジンを搭載するソフトトップを選びたい。そして、6速MTとの組み合わせがおすすめだ。
高回転まで引っ張って上の段に切り換える操作を繰り返すと、乾いたいい音を響かせて車速を上昇させる。首が後ろに持っていかれるような強烈な加速はもたらさないし、ずいぶん頑張ったつもりでメーターに目をやると、60km/hしか出ていなかったりもする。それでも十分に楽しいのは、クルマの出来がいいのもさることながら、エンジンにクセがなくて扱いやすく、アクセルペダルの動きに即応してきっちり仕事をしてくれるからだ。
エンジンと乗り手の濃密な関係が味わえるのが、このエンジンを推す理由である。
3台目:日産GT-R【エンジン:VR38DETT】
「エンジンを始動しただけでその実力が伝わってくる!」
アクセルペダルを踏まなくてもこのエンジン、すなわちVR38DDTT型、3.8LV型6気筒ツインターボの実力は肌を通して染み込んでくる。いや、ずかずかと乱暴に入り込んでくる。シフトレバーの前方にある赤いボタンを押すだけでいい。すると、最高出力419kW(570ps)、最大トルク637Nmの超高性能エンジンは、「ヴォン」という野太いサウンドを発して目覚める。目覚めのひと吠えを聞いただけで、並外れたエンジンのポテンシャルを乗り手に悟らせる仕掛けだ。こんなエンジン、なかなかない。17年モデル以降は、電子制御バルブの切り替えで静かに始動できるが、環境が許せば、野太い目覚めのサウンドは味わっておきたい。
走り出してからのフィーリングも最高だ。アクセルの踏み込みに対して期待する加速感と、「咆哮」と呼ぶにふさわしいサウンドの盛り上がりがシンクロし、気分を盛り上げる。GT-Rをドライブする行為は、「エンジンの咆哮と力強い加速感のシンフォニーを体感する行為」と言い換えてもいいくらいだ。
選者:世良耕太(せら・こうた)
【近況報告】
久しぶりに新幹線に乗った。東京駅で乗車して新横浜駅の手前で車掌に声を掛けられた。「その席で合ってますか?」と。自信を持って「EXご利用票(座席のご案内)」を提示したところ、「違いますね」と。のぞみ15号14号車8番E席と利用票には刷ってあったが、座っていたのは15号車14番E席。8はどこに行った?
【プロフィール】
クルマとモータースポーツの「技術」を追いかけるモータリングライター&エディター。近著に『トヨタ ル・マン24時間レース制覇までの4551日』『F1テクノロジー考』(三栄)。
『気持ち良いエンジンならこの3台』は毎日更新です!
内燃機関は死なず! 世の中の流れは電動化だが、エンジンも絶えず進化を続けており、気持ちの良いエンジンを搭載したクルマを運転した時の快感は、なんとも言えないものだ。そこで本企画では「気持ち良いエンジンならこの3台」と題して、自動車評論家・業界関係者の方々に現行モデルの中から3台を、毎日選んでいただく。明日の更新もお楽しみに。(モーターファン.jp編集部より)
|
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
これが本当の実燃費だ!ステージごとにみっちり計測してみました。
日産キックス600km試乗インプレ:80km/h以上の速度域では燃費...
- 2021/03/26
- インプレッション
BMW320d ディーゼルの真骨頂! 1000km一気に走破 東京〜山形...
- 2021/04/03
- インプレッション
日産ノート | カッコイイだけじゃない! 燃費も走りも格段に...
- 2021/02/20
- インプレッション
渋滞もなんのその! スイスポの本気度はサンデードライブでこ...
- 2019/08/11
- インプレッション
PHEVとディーゼルで燃費はどう違う? プジョー3008HYBRID4と...
- 2021/06/28
- インプレッション
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
会員必読記事|MotorFan Tech 厳選コンテンツ
フェアレディZ432の真実 名車再考 日産フェアレディZ432 Chap...
- 2018/08/28
- 新車情報
マツダ ロータリーエンジン 13B-RENESISに至る技術課題と改善...
- 2020/04/26
- コラム・連載記事
マツダSKYACTIV-X:常識破りのブレークスルー。ガソリンエン...
- 2019/07/15
- テクノロジー
ターボエンジンに過給ラグが生じるわけ——普段は自然吸気状態
- 2020/04/19
- テクノロジー
林義正先生、「トルクと馬力」って何が違うんですか、教えて...
- 2020/02/24
- テクノロジー
マツダ×トヨタのSKYACTIV-HYBRIDとはどのようなパワートレイ...
- 2019/07/27
- テクノロジー
Motor-Fanオリジナル自動車カタログ
自動車カタログTOPへMotor-Fan厳選中古車物件情報
ホンダ S660
α シートヒーターETC純正アルミホイールスマートキー バックカメラ付き 前席シートヒーター 禁煙...
中古価格 305.5万円
ホンダ S660
β センターディスプレー Rカメラ USB入力 イモビライザー Wエアバック 追突軽減ブレーキ A...
中古価格 252.7万円
ホンダ S660
モデューロX 6MT シティーブレーキアクティブシステム センターディスプレー チタン製シフト ...
中古価格 358.9万円
ホンダ S660
モデューロX バージョンZ 6MT 純正ナビ バックカメラ 衝突軽減 禁煙 革シート 全席シート...
中古価格 399.9万円
ホンダ S660
モデューロX 6速MT 純正ナビ バックカメラ クルーズコントロール 衝突軽減ブレーキ 踏み間違...
中古価格 321.7万円
ホンダ S660
α 6MT
中古価格 249.4万円