「軽自動車よりお買い得!?」予算200万円でクルマを選ぶなら、トゥインゴを検討しないのはもったいない<ルノー・トゥインゴ長期レポートVol.4>
- 2020/08/16
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MotorFan編集部 今 総一郎
安いクルマとして真っ先に思いつくのは軽自動車だが、いざショールームで出してもらった200万円に迫る見積もりを見て、内心で「高っ!!」と思ったアナタ。フランス生まれのコンパクトカー「ルノー・トゥインゴ」を検討してみては?
レポート日:2020年8月16日
オドメーター:1220km
TEXT&PHOTO●今 総一郎(KON Soichiro)
「なんで、こんなことになったんだ」
地方の巨大な商業施設にある広〜い駐車場の一画でワタシは途方に暮れていた。
というのも、クルマをどこに置いたか忘れたからだ。
ーーーー15分前ーーーー
買い物を済ませて、駐車場の事前精算を済ませたところまでは順調だったが、広大かつ立体構造の駐車場には、その時ワタシが乗っていた軽自動車と同じ車種が複数台確認できた。
なんとなくの場所を思い出しつつ近付いた一台には、後部座席に子供の遊び道具が置かれていた。
「チッ、外れか」
さらに別の一台に近づくと、ルームミラーには大量のキーホルダーがぶら下がっており、ダッシュボードにはファンシーなフサフサが生えていた。おまけに、テールゲートには大きな凹みがあった。
「これは……さすがに違う……よな…」
ひょっとしたらフロアを間違えたのかもしれない。
「3A」ではなく「3B」だったのだろう。
しかし、そのフロアにも同じ車種が大量に止まっているではないか!?
事前精算を済ませてから数分が経過しており、このままでは再精算しなければならなくなる。ワタシは魔法使いのように視界に見えるクルマに向けて解錠ボタンを押しまくった。それでも反応はなし。そもそも「東」と「西」の駐車場を間違えているかもしれない。
クルマを探している最中、軽自動車の人気の高さを改めて実感するとともに自身の迂闊さを反省した。その結果、「クルマを買うなら、遠くからでも分かるような個性が必要だ」という結論へ至った。
最安で179万円!?
安いクルマと言うと真っ先に軽自動車を思い浮かべるが、売れ筋の車種で装備や走行性能を考慮してグレードを選ぶと車両本体価格だけで200万円に迫る。オプションや諸経費も含めた見積もりを見て驚いた人も少なくないはずだ。
そこで検討したいのが、フランス生まれのコンパクトカー「ルノー・トゥインゴ」だ。価格は92psの0.9Lターボを搭載する6速DCTで201万5000円で、キャンバストップが付くと213万5000円。1.0Lの5速MT車に至っては179万円と、軽自動車や国産普通車と比べても決して値段が高いわけではない。
しかも、7インチのタッチスクリーンが標準装備されており、USBケーブルでスマホを繋げるだけでナビやオーディオが使えるだけでなく、ステアリング右側にある発話ボタンを押せばSiriなどの音声アシスタントも使えるから、運転中でも「○○へ道案内して」とか「Apple MUSICでLisaの紅蓮華を掛けて」など簡単に操作できる。
最近では国産車でもスマホとの連携を強化しているが、なかにはこういった機能がオプション扱いだったり、スマホとの接続に別アプリのインストールが必要などと、とにかく面倒臭い。その点、「トゥインゴ」はケーブル一本でサッと繋がり、すぐ使える。
たしかに日本人のライフスタイルを徹底的に研究した軽自動車と比べると機能性で譲る部分はある。特に荷室は、真下にエンジンを積んでいることもあって、生鮮食品を置くには不向き。けれども、後席を倒さなくてもスーツケースが置けるくらい床面積は広く、助手席まで倒せばサーフボードのような長尺物も積めるから、全長:3645mm×全幅:1650mm×全高:1545mmのサイズとは裏腹に実用性で我慢することはない。
自動ブレーキをはじめとした安全装備が「トゥインゴ」には不足している点は否めない。けれども、筆者の考えではたとえ1000種類の安全装備で武装しても、走る・曲がる・止まるの基本性能が不足していることの方が不安を感じる。その点、トゥインゴは基本がしっかりしている。特に、エンジンは92psという数値とは裏腹に力強く、高速道路での合流や追い越しといったシーンでもドライバーのイメージ通りに加速してくれる。最近の安全装備は「万が一の際に止まれる」ことばかりが注目されているが、しっかりと加速できることで避けられる危険もあることを忘れてはならないと思う。
ちなみに「トゥインゴ」には限定車が設定されていて、爽やかなパリの夏空を走る一筋の飛行機雲をイメージした「CIEL(215万円)」と、クローム加飾とフルディスプレイミラーを装備する「BRILLANTE(199万6000円〜)」、ブルーオセアンの専用カラーに「TWINGO」のタイポグラフィをあしらった「SIGNATURE(214万円)」が現在販売されている。
こういった選べる楽しさもあるクルマだったら愛着も湧くだろうし、駐車した場所を忘れることもあるまい。
■ルノートゥインゴ EDC キャンバストップ
全長×全幅×全高:3645×1650×1545mm
ホイールベース:2490mm
車両重量:1040kg
エンジン形式:ターボチャージャー付き直列3気筒DOHC12バルブ
総排気量:897cc
最高出力:68kW(92ps)/5500rpm
最大トルク:135Nm/2500rpm
トランスミッション:6速DCT(6EDC)
サスペンション形式:Ⓕマクファーソン Ⓡド・デオン
ブレーキ 前/後:Ⓕベンチレーテッドディスク Ⓡドラム
タイヤサイズ :Ⓕ165/65R15 Ⓡ185/60R15
乗車定員:4名
WLTCモード燃費:16.8km/ℓ(市街地モード) 17.6km/ℓ(郊外モード) 19.5km/ℓ(高速道路モード)
車両価格:213万5000円
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